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男尊女卑の意味は?仕事や恋愛で男尊女卑を感じたエピソード5選

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

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1:「男尊女卑」の意味や読み方

男尊女卑(だんそんじょひ)は、いろいろなメディアを通じて目にする機会が多いと思います。それほど難しい言葉ではありませんが、念のために意味を確認しておきましょう。小学館が発行している「デジタル大辞泉」には、次のように意味が載っています。

男尊女卑(だんそんじょひ)

男性を重くみて、女性を軽んじること。また、そのような考え方や風習。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

わかりやすく言えば、男性を尊重し女性を軽視することを男尊女卑と言っています。かの福沢諭吉は1900年の「修身要領講演」の中で、「男尊女卑は野蛮の陋習なり」と言っています。陋習(ろうしゅう)とは、「悪い習わし」のことです。ちなみに、女尊男卑という言葉もあり、こちらは、男尊女卑とは反対の「女を尊いとし、男を卑しいとする」意味です。

女尊男卑という言葉は男尊女卑のパロディとして生まれたのではなく、三宅雪嶺が1891年の「偽悪醜日本人」の中で使っているので、けっこう古い言葉です。いずれにしても男尊女卑であろうが女尊男卑であろうが、どちらもいいことではありませんよね。目指すは男女平等でしょう。

2:仕事や恋愛で女性が「男尊女卑」を感じたエピソード5つ

ところで、女性が男尊女卑を感じるのは、どんなときでしょうか。

(1)料理の取り分けをさせられる

あるあるなエピソードかもしれませんが、飲み会や食事会などで、サラダなどの大皿のメニューが出てきたときに、必ず取り分けさせられるのは女性だったりしますよね。

若手の男性が取り分けようとすると、年配の男性が「それは女性にやってもらいなさい」なんて、余計なひと言をわざわざ言うこともあるかもしれません。

(2)お茶くみをさせられる

来客があったときなどで、お茶を用意させられるのが決まって女性というのもあるあるなエピソードかもしれませんね。

いまのご時世、仕事の打合せでお茶なんて出す必要はないと個人的には思いますし、どうせならペットボトルのお茶を1本出してくれるほうが衛生的にも安心できると思うのですが……。それならば、男女関係なく打ち合わせする人が用意すればいいはずなんですけどね。

(3)共働きなのに家事を押しつけられる

結婚していたり、同棲していたりする人は、家事の分担で男尊女卑を感じるかもしれません。男性と同じように働いていても、料理や洗濯や掃除といった家事の一切を女性がすることもあるでしょう。

恋愛心理学的に言えば、公平に仕事(=家事)の分担をしておかないと不満につながり、離婚や失恋という結末を迎えることになってしまうんですけどね。

(4)女子力を求められる

「家事を押しつけられること」にも通じるのですが、女子力を求められることってありますよね。女子力とは、社会が女性に対して求める「こうあってほしい」という理想像を満たしていること。

仕事よりも家事ができるとか、容姿のよさであったりとか、「こうあってほしい」という理想像が、すでに男尊女卑によって作られているわけです。

(5)高額商品の接客で相手にしてもらえない

知り合いに聞いたエピソードですが、パートナーよりも収入があって、自分のポケットマネーで高額商品を買おうとしているときに、接客で相手にしてもらえなかったという経験があるという話を聞いたことがあります。

「男性のほうが収入があって、商品購入の決定権がある」という男尊女卑なステレオタイプがいまだにあるわけです。

3:男尊女卑に陥ってしまう心理5つ

しかし、一体どうして、人は男尊女卑の考え方に陥ってしまうのでしょうか。

(1)社会のあり方が男尊女卑でできている

ちょっと大きな話かもしれませんが、いまの日本社会は男尊女卑で成り立つように制度設計されています。例えば、男女の賃金格差は同じ仕事をしても存在します。賃金は労働の対価でもあるので、男性よりも女性のほうが低賃金だとどうしても「たいした仕事はしていない」と思われてしまうわけです。

また、育休制度も男性が取得できるとは言え、やはり女性だけがとることが多いでしょう。そうすると、会社での女性の仕事は、男性の補助的なものになり、大事なのは育児や家事と考えられてしまいます。こういったことが、男尊女卑の考え方を根強く残らせてしまうんです。

(2)男性が女性に理解があると思い込んでいる

男性の中には、女性の置かれている男尊女卑の状態に理解があると思い込んでいる人がいます。知識としては確かに理解しているのでしょうが、そこで終わっていて「世の中を変えていこう」という行動に移せていないことがほとんど。男性からすれば男尊女卑の状態はやっぱり居心地がいいわけですから。

(3)「らしさ」の呪縛がある

「男らしさ」や「女らしさ」というのは、いまだに根強く残っています。

家庭での子育てや保育所や幼稚園、小学校なんかでもやはり無意識のうちに男性には「男らしさ」を、女性には「女らしさ」を期待して接します。そうすることで、子ども達自身も知らず知らずのうちに男尊女卑の考えを身につけてしまって、いっこうに改善されることがないんです。

(4)男尊女卑がわかりやすい

男尊女卑という世の中の仕組みをみんなが共有していると、男性がするべきこと、女性がするべきことがはっきり区別されます。つまり男女で自分がするべくことがはっきりしているので、しなくていいことはしないですむわけです。

会社の仕事でも、学校の日直でも役割分担がはっきりしていると余計なことをしなくてすむのでラクですよね。そんなことも、男尊女卑がなくならない理由のひとつかもしれません。

(5)女性同士の中で対立がある

男尊女卑がすべての男女にあてはまるわけではなく、女性の中でも男性と対等に位置することができる人もいます。そういう人からすると、軽んじられている女性に対して「私は男性と対等のやっているんだから、軽んじがられている女性は努力が足りないからだ」と女性同士の中で対立が起こってしまいます。

そうなると、女性が一丸となって社会を変えていこうということが難しくなるんです。

4:「男尊女卑」を英語で言うと?

ちなみに、男尊女卑は英語で「male chauvinism」と言われます。意味は、男性優越主義です。他にも「male domination」「male supremacy」や「patriarchy」なども使われることがあるようです。

5:まとめ

世界経済フォーラム(WEF)が発表した、世界153か国の男女不平等状況を分析した「ジェンダー・ギャップ指数2020」によると、日本はなんと121位。まだまだ男尊女卑の状態であることを意味しています。

これを変えていくためには、男性も女性も、いまの意識を変えていかなければいけません。自分のたちの問題として、取り組んでいきましょう。