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水道水が飲める国は?水道水を飲むのに抵抗を感じる人の割合とおいしく飲める県

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

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目次

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1:水道水を飲むのに抵抗はありますか?

日本は、世界の中で数少ない、水道水がそのまま飲める国。にもかかわらず、「飲むのはちょっと……」という人も少なくないようです。実際、どれくらいの人がそう考えているのでしょうか。

今回、『MENJOY』では男女500人を対象にアンケートを実施。「水道水を飲むのに抵抗はありますか?」と質問してみました。

結果は以下のとおりです。

ある・・・202人(40%)

ない・・・298人(60%)

飲むのに抵抗がある人は4割。今回の調査では、「気にせずに飲む」という人のほうが多数派となりました。

2:東京は飲める?水道水が飲める国5選

水道水が飲める国をピックアップする前に、世界の水道水事情について簡単にご紹介しましょう。

「日本は水道水が飲める珍しい国」と記しましたが、国土交通省の水資源部が作成した資料によると、そのまま飲める国は日本も含め、わずか9か国に過ぎません。そして、「そのまま飲めますが、注意が必要」な国が21か国となっています。

先進国でもアメリカは安全に飲めないとされます。イギリス、フランスは飲めますが注意が必要。中国や韓国も飲めない国にカウントされています。

以下に紹介する国以外では、「ビールよりも水の価格のほうが高い」とされるドイツも安全に飲める国。アイルランドも飲めますが、硬水です。軟水に慣れた日本人はお腹を壊しやすいこともあり、そういった意味では注意が必要かもしれません。

(1)アイスランド

世界でもっとも水がきれいとされ、「料理よりも水がおいしい」と言われるほど。なるほど、アイスランドの大自然を考えれば納得かもしれません。首都のレイキャビクでも水道水は天然のきれいな水を利用しているとか。水源だけではなく、水道管の管理など、メンテナンスもしっかり行われているそうです。

(2)オーストリア

オーストリアも世界で屈指の水道水がおいしい国とされています。その源は、アルプス山脈の湧き水とか。考えただけでも、おいしそうですね。日本では「南アルプスの天然水」というミネラルウォーターの商品がありますが、本場アルプスの天然水が水道から出るなんて、ぜいたくに感じられます。

(3)フィンランド

森と湖の国といわれるフィンランド、この国も豊かな水に恵まれています。湖が約18万あるとされ、欧州各国に水資源を輸出しているほど。水質が日本と同じ軟水のため、その意味でも日本人は抵抗なく飲めるかもしれません。医療分野にも使用されているようで、「クリアな水」として認識されています。

(4)アラブ首長国連邦

アジアで安心して水道水が飲める国は、日本以外ではこの国だけのようです。砂漠のイメージが強いのでなぜ?と思うかもしれませんが、実は、海水を淡水化して水道水に活用しています。

政府は「WHOの水質基準のガイドラインに沿っている」と発表していますが、「海水から」というのが気になる人は、市販のミネラルウォーターがいいかもしれませんね。

(5)南アフリカ

アフリカ大陸で唯一、水道水が飲める国と国土交通省が示しているのがこの国です。ヨハネスブルグなど都市部でも水質に問題はないとか。ただ、水質管理が甘いとされることもあるほか、水道管などの設備が老朽化しているとこもが多い様子。地方によって水質に格差もあるようなので、飲むのに注意が必要かもしれません。

3:日本の水道水は飲める?美味しく飲める県5選

水道水の管轄は、都道府県、あるいは同一県内でも地域によって市町村が運営するなどまちまち。そのため、ここでは、市町村運営の分も含め、都道府県名で取り上げました。

(1)熊本県

ネット上や雑誌等でも、「おいしい水道の県」としてよく取り上げられています。とくに、熊本市は水道法による最低限の塩素は混入させながらも、「まんまの地下水」なのだとか。つまり、水道水でミネラルウォーターを飲んでいるようなものです。

(2)富山県

技術的水準を審査するベルギーのモンドセレクションにおいて、同一県から富山、射水、魚津、高岡と4つの自治体が金賞などを受賞。こんな県は富山だけです。4つの市の水道水、飲み比べてみたくなりますね。

(3)鳥取県

水のおいしさに定評のある鳥取県。鳥取に限らず、原水に湧き水や地下水が使用されている県は、消毒薬や薬品を大量に使うことがないので、そのぶん、ミネラルウォーターのようなおいしさを感じさせるのでしょう。

(4)青森県

青森県は雪深い県として知られています。富山県にも同じことがいえるかもしれませんが、雪解け水を含む清流が水道水にも使われていることが、おいしさの秘訣に繋がっているのでしょう。

(5)大阪府

かつては「とても飲めたものじゃない」と言われたほど、「まずい水」の代名詞だった大阪。しかし、研究に研究を重ね、高度浄水処理システムを府内の全浄水場に導入。評価が一変しました。2011年にモンドセレクションで金賞を受賞した際は、驚きの声が出ました。

4:水道水を飲むことで考えられるリスク3つ

(1)トリハロメタン

クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムーーこの4種類の物質を総称して「トリハロメタン」といいます。これらは発がん性が完全に否定できない物質で、塩素消毒する際に発生する可能性があります。しかし、日本の水道水はほぼ除去されており、ごくごく微量で人体には影響がないとされています。

(2)鉛、鉄さび

水道水には厳格な水質管理が行われていても、給水する水道管が老朽化し、鉛や鉄さびなどが溶けるケースも。この場合、水道管の交換が必要になります。にごり水が止まらない、などの場合は、地元の水道局に連絡して相談してみましょう。

(3)浄化槽

水質も水道管も問題ない。それでも、マンションなどの場合に浄化槽が汚れていては、何もなりません。管理組合などで浄化槽が汚れていないか、きちんとチェックし、清潔を保ち続ける必要があります。

5:まとめ

水道水にまつわるエピソードとして思い出すのは、赤ちゃんにあげるミルクに使用する水のことです。筆者には3人子どもがいて、最初の子どもは初めてとあって、ミルクの水は「赤ちゃんのお腹にやさしい」と謳う水を毎度ベビーコーナーで購入していました。

ところが、ふたり目、3人目となると、いちいち買うのがめんどうになり、水道水を使ったのです。その結果は、というと……。

いちばん上の子だけがお腹を壊しやすいのです。社会人になった今でもそうです。もちろん因果関係ははっきりしませんが、もしかしたら、2番目と3番目の子は、水道水にお腹が鍛えられたのかも!?と思ったりもします。とはいえ、日本の水道水が安全であることは確かですので、やはり体質の問題なのかなとは思いますが……。

【参考】

https://www.mlit.go.jp/common/001257609.pdf