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汗顔の至りって何?意味と「汗顔の至り」が使えるシチュエーション3つ

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

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目次

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1:「汗顔の至り」って何?どういう意味?

まずは読み方から見ていきましょう。「汗顔の至り」の読み方は「かんがんのいたり」です。「あせがお」、「こうがん」などと読み間違えないようにしてください。

「汗顔」と「至り」に分けて説明すると、まず「汗顔」とは、非常に恥じること。人はものすごく恥をかいたときに汗をかくので、そこから「顔に汗をかくほど恥ずかしい思いをした」ことを表します。

一方、「至り」ですが、「物事がこれ以上はない、最高の状態になること」という意味。「至高」という最上級を指す言葉がありますが、「至」という字は、このように極まったときやものなどに使います。

つまり、「汗顔の至り」の意味は「恥かしい限り」。大変な恥ずかしさに至る……ということで、これ以上の恥ずかしいことがない場面で使う言葉なのです。

2:「汗顔の至り」はどう使う?汗顔の至りを使った例文

普段の生活の会話で「汗顔の至りです」などと使うことはまずありません。ビジネスシーンで使うことが多いでしょう。以下、例文を示します。

(1)「今回の件におきましては私の不手際で、誠に汗顔の至りでございます」

ミスを謝罪するときに、それについてとても恥じていることを表現しています。この後に「大変申し訳ありませんでした」など謝罪の言葉を続けましょう。

(2)「ご連絡いただいたにも関わらず返信が遅れてしまい、汗顔の至りでございます」

ミスではないにしても、返信が遅くなるということは、相手に不快な思いをさせたかもしれず、そういう意味では失態かもしれません。返事が遅くなったことに対して、自分は恥ずかしく思っていると伝えるときに使用します。

(3)「お褒めの言葉をいただき、汗顔の至りです」

「汗顔の至りです」は、謝罪のシーンだけに使う言葉ではありません。相手に褒めて頂いたとき、「褒められて恥ずかしい気持ちです」とポジティブな意味で使うケースもあります。この場合、最高にうれしい……そんな意味が込められているといっていいでしょう。

3:恐縮の至りも!いろいろな「○○の至り」の意味と使い方

(1)赤面の至り

「汗顔の至り」の言い換えで使えます。恥ずかしくなると顔が赤くなる様子を表す「赤面」という言葉はよく使いますよね。同じく、自分の失敗や失態を恥じて謝罪、反省する場合に用います。

(2)恐縮の至り

「恐縮」は、身が縮んでしまうほど、恐れ入る様子を示す言葉です。お願いする場合に「恐縮ですが」と前置きすることが多いですよね。「恐縮の至り」とは、相手の厚意に対しての感謝が大きく、申し訳なく思ってしまう場合などで使います。

(3)光栄の至り

「光栄」は名誉に思う場合に使う言葉。「光栄の至り」は偉い人に直接褒められたり、大きな事の関係者に任命された際など、より光栄な気持ちを強調したいときに用い、「至極光栄です」「大変光栄です」などが言い換え例になります。

(4)若気の至り

「〇〇の至り」の中で最も頻繁に使われ、様々なシーンで聞くのは、この言葉ではないでしょうか。「若気(わかげ)の至り」とは「若さのあまり軽率な行動をすること」という意味。この場合の「至り」は「物事の結果や始末」を表すので、「汗顔の至り」の「至り」とは意味が異なることに注意しましょう。

4:まとめ

筆者のこれまでの人生を振り返ると「汗顔の至り」と思えるような場面が何度もありました。それが「若気の至り」とダブルで「至り」だったとも。そうした恥ずかしい経験を何度もして成長していくもので、長い目で見れば、「汗顔の至り」のような出来事も、決して悪いとはいえないのではないでしょうか。