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結納金の相場は?各地で違う結納金の相場や婿養子の場合の対応

大山奏K.Ohyama

目次

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1:結納金ってそもそも何?

まずは「結納金って何?」という根本的な疑問について、ウェディングプランナーの岡村奈奈さんに教えてもらいました。

岡村さん:「結納とは、婚約に際して縁を結ぶ家と家とが、金品(結納品)を贈り合う儀式のことをいいます。結婚が制度化されるずっと前からある歴史ある慣習で、ルーツは1500年以上前ともされていますが、一般化したのは明治時代以降のこと。

お見合い結婚が主流の時代には、仲人が結納品を運ぶ役目を担いましたが、現代では両家の親と結婚する本人たちが顔を合わせて贈り合うのが一般的です。

嫁入りの場合、男性側が女性側へ縁起物を集めた9品の結納品を贈り、女性の家から受け取りの証しとお礼としてお返しをするのが伝統的な結納のスタイル。結納品はおもに“関東式”“関西式”と呼ばれるものがあり、9品の内容やお返しの方法には地域差があります。

男性側と女性側の地域が異なる場合、どちらにしなければいけないという決まりはありませんが、一般的には嫁ぐ女性側に合わせることが多いようです。両親の結納を参考にするなど、親の出身地の風習を取り入れることもあるため、一般論より“どのようにしましょうか”と男性側から女性側に相談するのが、もっとも平和で誠実な方法といえるでしょう。

希望やこだわりがない場合には、両家のアクセスのいいホテルや料亭、信頼できるデパートの結納プランを利用すると安心です」(岡村さん)

2:結納金の相場は?みんなの結納金額を聞いてみた5つ

実際に結納を行った人たちの金額はどれくらいで、どんな感想をもったのでしょうか? こちらも岡村さんに聞いてみました。

(1)彼の両親から200万円

「彼からの婚約指輪とは別で、結納金として彼のご両親から結納金として結納品と一緒に200万円用意していただきました。想定外だったので、私の両親もびっくりしてしまいましたが、彼を通してご両親とも相談して、新生活や結婚式の援助としてありがたく受け取ることにしました」(Hさん・20代女性)

岡村さん:「昨今の“結納金”は、結納という儀式のかたちによらず、“気持ち”として用意される傾向にあるように思います。誰かと比べて高額にしようということではなく、結婚資金として息子のために用意していたとか、ご両親が自分たちのときにもらった金額と同じになど、自然な発想で用意されていることが多いようです」

(2)「結納は不要」に私の両親が激怒!

「彼のお姉さんが結婚したときには結納をしなかったとのことで、ご両親も彼も“結納は不要”といっていると知った私の両親が激怒。両親は母方の祖父母の考えで大掛かりな結納をしたそうで、ひとり娘である私の結納もしっかりやって当然だと考えていたみたい。

結局、挙式するホテルの結納プランを利用して略式で行なうことで一件落着。自分の両親がこんなに伝統にこだわるタイプだとは思いませんでした」(Fさん・20代女性)

岡村さん:「結婚式と違って、結納は他人が見る機会がほとんどないので、お互いに自分の経験が基準となることがほとんどだと思います。

結納をしなかったお姉さんのことも、大掛かりにしたご両親のことも否定することなく、両家が気持ちよく臨めるかたちを選べたことはすばらしいと思います。

基本的には、女性側の家の意向を尊重するのが良いとされているので、まずは希望やこだわりを確認することでしょう。ふたりだけで決めると揉めそうという場合には、結婚式やその先の生活に無理なくできるふたりらしい結納のかたちを、ウエディングプランナーや結納プランのある会場担当者など、第三者と一緒に考えるのがいい方法ではないかと思います」

(3)結納金は婚約指輪で!サプライズではなく自分で選ぶが私たちスタイル!

「私たちは結納はせず、普段着のまま顔合わせだけをしました。婚約指輪は自分で選びたかったので、パカッと指輪を差し出されるサプライズはイヤだと以前から彼に伝えていたんです。なので、だいたいの予算を30万円くらいと彼に決めてもらって、自分で調べたショップに一緒に行って買ってもらいました。

結納返しは新居のリビングに置くソファにしました。一緒に使うものですが、大きな買い物なので、気に入って長く使えるものがいいということで。

彼が欲しいといっていたインテリアショップのソファを新居への引っ越しに合わせて購入。お互いの両親も形式張ったことは好まないタイプなので、了承してくれています」(Mさん・30代女性)

岡村さん:「現代的でとてもすてきなことだと思います。家から家に贈るものから、結婚する本人たちが贈り合うものに意味合いが変わりつつあるので“婚約記念品”として、ご本人たちと両家のご両親が納得されているなら、結納品や結納金という形式にこだわる必要はないと思います。

婚約指輪には、身につけることのできる記念品というだけでなく、プラチナや宝石のような価値の変わらない財産としての意味合いもあります。お返しも消耗品ではなく、長く使えるものが適していると思います。

そのようなところを踏まえ、ふたりらしいものを話し合って選ばれるのは、結婚準備の過程でとても価値あることだと思います」

3:結納金の相場は地域によって違う?

結納金の相場って日本各地によって違いがあるのでしょうか? 結納金の相場の平均などについて、引き続き、岡村さんに聞いてみました。

岡村さん:「結納品のひとつとして贈られる“結納金”は一般的にキリのいい数字、ないし縁起のいい奇数(喜数)が好まれます。50万円、70万円、100万円、200万円といったところが結納金の目安として知られています。

平均や相場としての大きな地域差はありませんが、家業や事業を営む家では特に地縁や伝統を重視するため、金額が大きくなる傾向があります。また北陸、関西、四国の一部の地域は全国平均を上回るというデータもあるようです。

実際は近年“家から家へ”という概念を持つカップルは減り、結婚する本人たちに婚約記念のプレゼントを贈り合うことが一般的となっています。なので、男性から女性には婚約指輪、女性から男性へスーツや腕時計などが人気。婚約指輪は30~40万円が平均といわれていますので、それが結納金の代わりとなる場合もあります。

また、新生活の支度金として親から援助されるものも同じ意味合いで受け取るカップルもいます。

女性が男性の家に入り、家庭に尽くすことを前提としていた時代に定番化された、かつての結納や結納金と現代とでは、環境が異なります。とはいえ、今でも結納金の金額を男性側の家が嫁に迎える女性を大事に思う尺度と考える家庭もあるため、省いたり、合理性だけで考えないようにしたほうがよいでしょう」

4:婿養子の場合の結納金の相場は?

一般的には結納金は女性が男性の家に嫁ぐという前提で語られることが多いですが、婿養子の場合はどうなるのでしょうか。

岡村さん「婿養子の場合には、一般的な“嫁入り”の逆で、女性の家から男性側へ結納金を贈ります。相対的に、婿養子を迎える背景に家業を継ぐなど伝統を重んじる場合が多いため、結納金の金額は一般的な嫁入りよりも多く想定されることが多いようですが、そうでなければいけないという決まりは特にありません。

儀式の次第や席次は、すべて男性側と女性側が逆になりますが、男性が代表してお礼の挨拶を述べたり、写真を撮る時には男性が右側に立つなど、それぞれ家ごとに合う例外を取り入れています」(岡村さん)

5:結納は楽しんで!

結納は、結婚するふたりとその家族の初めての共同行事。いわば結婚生活の予行演習のようなものです。伝統や慣習、家ごとの常識も、お互いを理解し合うための大切なステップだと思って、“面白がって”臨んでみてください。

取材協力岡村奈奈さん

ウェディングプランナー。アウトドアや音楽ホール等でのユニークなウエディング、伝統的な和婚までオールマイティに対応。カウンセリング型のプロデュースに定評がある。「ウエディングプランナーが教える、結婚式と準備が”もっと”楽しくなる方法」(誠文堂新光社)「結婚する子どものために 親がすること、できること」(日本文芸社)著者。「ウェディングプランナー岡村奈奈ブログ」やオフィシャルHP「nanea」もチェック。