恋のなやみに効くメディア

帰属意識とは?高める方法と帰属意識がマイナスに働く場面

大山奏

大山奏K.Ohyama

©gettyimages

目次

隠す

1:帰属意識とは?

(1)帰属意識の意味

帰属意識とは、「帰属」する「意識」。なので、それぞれの言葉を辞書で調べてみましょう。まずは帰属から。

1 特定の組織体などに所属し従うこと。「国家への帰属意識」

2 物・権利などが、特定の人・団体・国などの所有となること。「領土の帰属問題」「国庫に帰属する」

(出典:小学館デジタル大辞泉)

そして「意識」も調べてみましょう。

1 心が知覚を有しているときの状態。「意識を取り戻す」

2 物事や状態に気づくこと。はっきり知ること。また、気にかけること。「勝ちを意識して硬くなる」「彼女の存在を意識する」

3 政治的、社会的関心や態度、また自覚。「意識が高い」「罪の意識」

4 心理学・哲学の用語。

㋐自分自身の精神状態の直観。

㋑自分の精神のうちに起こることの知覚

㋒知覚・判断・感情・欲求など、すべての志向的な体験。

5 《(梵)mano-vijñānaの訳》仏語。六識・八識の一。目や耳などの感覚器官が、色や声など、それぞれ別々に認識するのに対し、対象を総括して判断し分別する心の働き。第六識。

(出典:小学館デジタル大辞泉)

一般的にいわれる「帰属意識」とは、「帰属」の1と、「意識」の3を組み合わせた意味。「一体感」や「一体感の度合い」というときに使われます。前者を言うときには、例えば「帰属意識を求める」、後者としての使い方では「帰属意識を高める」などと用います。

(2)英語での言い方

帰属意識は英語では「a sense of belonging」というのが一般的です。

2:帰属意識が低いことで生まれる問題点3つ

帰属意識が低い場合、具体的には、どのような問題を引き起こされるのでしょうか。

(1)自分ごととして捉えられない

人は自分に関係していることについて、より興味をもちます。そして自分の身近で起こったことに関しては、危機意識をもって真剣に取り組む傾向があります。会社などで言うと、会社への帰属意識が低い場合には、会社に貢献しようという気持ちが下がってしまうでしょう。

(2)組織を簡単に離れる

帰属意識が薄いと、組織に属すことに対して執着がなくなり、簡単に離れられてしまいます。会社にとっては、社員が簡単に辞めて行ってしまうというのは大きな問題になるでしょう。そのため、社員の帰属意識を何とか高めようと努力をしている企業も多いのです。

(3)居場所がないと感じる

帰属意識が低いと、自分は必要とされていない、ここは自分の居場所ではないと感じ始めてしまいます。人は周りから認められ、必要とされていることが安心感やモチベーションに繋がったりします。逆にいえば、自分の居場所がないと孤独を感じて、精神的にもあまり良い影響は与えません。

3:帰属意識を高める方法3つ

帰属意識を高くするためには、どうすれば良いのでしょうか。

(1)承認欲求を満たす

自分が集団に属していることで居場所を与えられていると感じられれば、その集団との心の繋がりは強くなります。そのためには人から認められたいという承認欲求や、人と関わっていたいという所属の欲求を満たしてあげることが大切です。

何かをしたときにきちんと評価やフィードバックを与えたり、お礼をいったりすることが、もっとも簡単に帰属意識を高める方法といえます。

(2)利益を与える

集団に所属していることで得られる利益が大きければ、その集団に対してもっと関わっていきたいという気持ちも強くなるでしょう。会社でいうなら、給与が高い、福利厚生を充実させるなどというやり方がこれに当たります。

(3)コミュニケーションの場を増やす

肩書きだけでは、人の帰属意識は高くなりません。実際に集団内にいる人とのコミュニケーションの場を増やすことが大切です。例えば、社内報を作成したり、サークル活動を推奨したり、社長と直に会話できるプラットフォームを設けたりなどの方法があります。

4:帰属意識がマイナスに働く場面3つ

帰属意識は高ければ高いほどメリットばかりかというと、そうでもありません。マイナスにはたらいてしまうのはどんなはたらときなのでしょうか。

(1)束縛を感じる

高い帰属意識は、その組織との関係性の強さを意味します。ですが人によっては、この関係性が強すぎて束縛されている、逃げられないというプレッシャーやストレスを感じてしまうこともあるでしょう。

本来であれば、自分の居場所として心地いい空間になるはずなのに、「○○しなければならない」という感覚になってしまうのは辛いですよね。

(2)外に目が向かない

帰属意識が高い人たちばかりが集まると、自分たちの中のことばかりに目が向けられて、外に対して意識を払わなくなるという恐れもあります。一致団結することは重要ですが、そのせいで小さくまとまってしまい、成長の機会を逃してしまう可能性もあるのです。

(3)多様性が受け入れられない

帰属意識が高い集団に属している人には、似たような感覚や考えをもっていることが求められる場合もあります。その結果、人や組織、思考法の多様性が認められにくくなり、「○○が絶対正しい」というひとつの方向に集団全体が向かってしまうことがあります。多様性があるからこそ成長できるのが組織。その機会を失うかもしれないというのは、かなり危険なことでしょう。

5:帰属意識はあった方が良いけれど…

自分が○○に属しているという感覚って、あると心のどこかに安心感を持てます。ですが、女友達などのグループで帰属意識が強すぎて「○○ちゃんってちょっとぶりっ子じゃない? 気に入らないから無視しようよ」なんていう、自分の望んでいない話になったとき、それに逆らえないなんていう状況を生み出したりも。

帰属意識が低すぎると孤立してしまいますが、自分がどんな集団に属したいのかは、しっかり見極める必要がありますよね。