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離婚の財産分与とは?その割合や手続き、財産分与しない方法も

並木まきM.Namiki

目次

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1:離婚の財産分与とは?

離婚の際に生じる「財産分与」とは、離婚した夫婦の片方が、もう一方に対して財産を分与すること。

離婚後、2年以内に請求しなければならないと定められています。

2:子供名義のお金も財産分与の対象になる?離婚で財産分与の対象となる財産

ここからは実務的なお話を、高橋弁護士に伺っていきましょう。

(1)前提として「婚姻期間中に得たもの」すべてが対象

 

高橋「基本的に婚姻期間中の収入やその派生資産は夫婦共同で得た資産と評価されるので、離婚時の財産分与の対象には、かなり多くの資産が含まれます。

具体的には給与が入金され、振り分けられた預貯金、結婚後に購入した不動産、株式、出資金、生命保険の解約返戻金、退職金、家財道具、自動車、貴金属などの高価品などが含まれます。逆に住宅ローンや生活費のための借入も、マイナスの財産として財産分与で考慮されます」

(2)子供名義の預貯金などはケースバイケース

高橋「子供名義の預貯金も、監護親が子供名義の預貯金口座を利用して、自身の資産を保管しているだけと評価される場合には、財産分与の対象になり得ます。

一方、子供に対する贈与金や、子供の自由な処分に委ねられたお金は子供特有の財産であるとして、財産分与の対象にはならないことが多いです」

(3)お小遣いやお年玉、子供自身のアルバイト代などは対象外

高橋「子供へのお小遣いやお年玉、子供自身が稼いだアルバイト代などは、財産分与の対象外です。

一方、子供が未就学児や児童であるのに、子供の将来の教育費のためとして高額な貯蓄がされている場合や、出産祝いや児童手当、自治体からの補助金などが子供名義で預貯金してあっても、子供固有の財産とみなされない場合があります」

3:専業主婦は?離婚の財産分与の割合の決定方法は?

高橋「財産分与の割合は、ほとんどすべての事案で、50:50での分割になります。

つまり、夫婦共同生活の中で得た収入等は、ふたりで協力して得たものなので、得た財産の取り分も均等になるという考え方に基づきます。

なので当然、専業主婦であっても50%の財産分与を求めることが可能です。専業主婦が家事全般と育児を行った結果として、夫が安心して就業をし、収入を得たと考えられるからです」

4:財産分与の手続き方法3ステップ

続いては、財産分与の手続きについて実務上の流れを解説していただきます。

1)別居前に相手が持っている財産をできる限り把握する

高橋「相手に財産を隠されてしまうと、見つけ出すのは容易ではありません。さらに別居してしまうと、勝手に相手の郵便物や通帳などを見ることも難しくなります。

ですので、同居している間に、財産把握を目論んでいることを気付かれないように、こっそりと相手の預貯金通帳、証券会社からの手紙、保険関係の手紙、住宅ローンの返済表、FX取引に関する資料などを写真で撮るなどして、保全しておく必要があります」

(2)相手に資料の開示を求める

高橋「退職金のような会社関係の資料、保険関係の資料、株式取引の状況、FX取引等の取引額などの資料は、相手から出してもらわないと取得できないことが多いです。

そこで(1)によってその存在を把握したうえで、あるのはわかってるというスタンスで資料開示を求めましょう」

(3)資料開示を拒否したり50%相当額の引渡しに応じなかったりする場合は、即弁護士に相談を

高橋「財産分与は高額な請求になることが多いですが、そうなると、相手も弁護士を入れて、徹底的に争ってくることも多いです。財産分与の対象にすべき資産に漏れがあると、損失もかなり大きくなりますので、納得のいく結論を得るために、まずは一度弁護士に相談することをお勧めします」

5:離婚の財産分与の財産には税金はかかる?

高橋「財産分与を受ける側は贈与税がかかるのかが気になりますよね。財産分与の性質として、離婚に伴って、夫婦の資産を清算して渡されたものと考えるので、原則として税金はかかりません。

ただし、不動産を受け取った場合には登録免許税や不動産所得税、固定資産税等がかかりますし、株式の財産分与には所得税がかかる場合もあります」

6:離婚しても財産分与をしないケースは?

(1)当事者の意思で「しない」の選択も可能

高橋「財産分与を請求するかどうかは、当事者の意思に委ねられています。財産分与はいらないと考える人には、特段財産分与の問題は生じません」

(2)夫婦で作り上げた財産がない場合には対象になるものはない

高橋「結婚期間が短くて、夫婦共同で作り上げた財産がないような場合や、結婚期間中に貯蓄ができていないような場合は、財産分与の対象になる財産がない、ということになるでしょう」

(3)プラスよりマイナスの財産が多い場合にも事実上「できない」

高橋「一方、プラスの財産が貯まっているとしても、マイナスの財産が多い場合は、財産分与を求めることはできません。

典型的なのは、結婚後に住宅ローンを組んでマンションを買ったようなケース。離婚の時点で住宅ローンの残額(負債額)がマンションの価値や預貯金などの他の財産よりも大幅に高いということがあり得ます。

この場合、マイナス財産がプラス財産よりも多いため、財産分与の対象になるプラス財産がないということになります。場合によっては、マイナス財産の清算を求められるケースもあるでしょう」

7:離婚に伴う財産分与は当然の権利

離婚に伴う財産分与は、慰謝料などの損害を賠償する性質のお金ではなく、結婚生活を送っている間に築き上げたものを清算する当然の権利です。

財産分与の話になると“俺が稼いだ金なのに、なんであげなくちゃいけないの”などとゴネる人もいますが、そういった屁理屈は通用しないと考えていいでしょう。

取材協力高橋 裕樹弁護士

アトム市川船橋法律事務所弁護士法人代表弁護士。岩手県盛岡市出身。2008年(平成20年)弁護士登録。千葉大学法経学部法学科卒業。