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猜疑心とは?知ると深い意味と類語、強い人の特徴と克服法

深海雪

深海雪Y.Shinkai

目次

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1:猜疑心とは?

「猜疑心」とは「猜疑」する「心」です。「猜疑」の意味を辞書で調べてみました。

さい・ぎ【猜疑】

人の言動をすなおに受け取らないで、何かたくらんでいるのではないかと疑うこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「猜」は「そねむ。ねたむ。疑う」の意味で、「猜疑」は「疑う」の漢字も使っていることから、人を疑う心を強く表しています。「猜疑心」は、「猜疑心が強い」「猜疑心を抱く」「猜疑心の塊」のように使います。

2:猜疑心の類語との意味の違い

それでは「猜疑心」と同じ意味合いをもつ類語と、その意味の違いを見てみましょう。

(1)警戒心

「警戒心」は「警戒」する「心」のこと。「警戒」を辞書で調べると、下記のとおりです。

けい・かい【警戒】

危険や災害に備えて、あらかじめ注意し、用心すること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

自然現象や事故などだけでなく、事態を予測できないことや人の言動などに対して用心する心を指します。

(2)虚栄心

「虚栄心」は「虚栄心が強い」などと使います。辞書では、下記のような意味がでます。

きょえい・しん【虚栄心】

自分を実質以上に見せようと、みえを張りたがる心。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「猜疑心」で人を疑い、見下されたくないプライドの高い人の心が「虚栄心」へとつながっていくように感じます。

(3)疑心暗鬼

「疑心暗鬼」は、古代中国の思想家・列子の言葉「疑心暗鬼を生ず」の略です。

ぎしん・あんき【疑心暗鬼】

「疑心暗鬼を生ず」の略。

《「列子」説符の注から》うたがう心が強くなると、なんでもないことが恐ろしく感じられたり、うたがわしく思えたりする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「猜疑心」とほぼ同じ意味といっていいでしょう。

(4)疑心

「疑心」は「疑心がつのる」「疑心を抱く」のように使います。

ぎ・しん【疑心】

1.うたがう心。うたがい。

2.仏語。根本煩悩の一。仏教の真理に対して、まどいうたがう心。疑(ぎ)。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「疑」は仏教の言葉から生じ、疑う心を指します。

(5)不信感

「猜疑心」で相手を疑う心は、相手を信用しない「不信感」へとつながります。

ふしん・かん【不信感】

信じていない思い。信用できないという気持ち。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「不信感」は、「政治に対する不信感」「不信感がつのる」のように使います。

3:猜疑心が強い人の特徴5

「猜疑心」が強い人は、どのような特徴をもっているのでしょうか。

(1)心配性

心配性な人は、常に頭の中に最悪な状況をイメージして対処法を考えています。そのため、他人の言動においても、最悪の事態をイメージしがちです。

褒められたり、何かいい話があったりしても、裏があるのではないか、何か落とし穴があるのではないかと考え、「猜疑心」を強くしてしまうのです。

(2)固定概念が強い

固定概念が強い人も「猜疑心」を強くしてしまっていることでしょう。自分が思う言動のよし悪しでしか物事を図れず、そのものさしから少しでも外れた言動に対し、疑いをかけてしまいます。

周りの人が信じられずに、ネガティブ思考が止まらなくなり、自分だけの世界で生きてしまいがちです。

(3)人に心を開けない

他人に心を開くことができない人は、「猜疑心」が強くなってしまうことがあります。

特に過去に裏切られたり、だまされたりした経験がある人は、自己防衛反応で「傷つきたくない」という気持ちが強く、自分の心を閉じてしまいがち。最初から人を信じないほうが楽なので、他人の言動を真に受けず、どんどん疑い深くなってしまうのです。

(4)自分に自信がない

自分に自信がもてない人は、何をするにしても他人のほうが優れて見えて、「猜疑心」が強くなってしまうことがあるでしょう。

自己評価が低いので、周りの人が自分のことを下に見ているのではないかと疑り深くなっているのです。相手がどんなに好意的な言動をしても、被害妄想をしてしまい、素直に受け入れられません。

(5)ライバル心が強い

何でも人より「勝つ」ことにこだわる人は、「猜疑心」が強い傾向があるでしょう。自分より勝つ人が現れると、それを認めることができず「何かずるをしていないか」と疑い始めるのです。

「負けたくない気持ち」が「妬み」の感情につながり、どんどん猜疑心が強くなっていってしまうのでしょう。

4:猜疑心を克服する方法3

心の中から「猜疑心」を取り除くことはできるのでしょうか。克服する方法をまとめてみました。

(1)原因をつきとめる

最初から「猜疑心」が強く生まれてくる人はいません。何かしら原因やきっかけがあるはずです。いつから自分は人を疑うようになったかを思い出して、ノートに書き出してみるといいでしょう。

その原因を克服するには、勇気が必要かもしれません。でもその少しの勇気で心が楽になり、生きやすくなることを実感できるでしょう。

(2)すべてを受け入れてみる

「猜疑心」をもって人を疑ってしまう自分も、他人の言動も、一度すべてを受け入れてみましょう。人間は十人十色。人によってさまざまな感情をもっているのは当たり前です。

そして、すべてが完璧な人間なんていません。自分の心を受け入れ、そして素直に相手の言動を受け入れることで、いままでとは違う気持ちになっていくことでしょう。

(3)ポジティブな人と交流する

「猜疑心」をもつ人はネガティブな思考になっています。自分の思考を自分の意思で変えるのは意外と難しいので、ポジティブな人と交流するのがよいでしょう。

さまざまな言動をポジティブに捉える人のそばにいて、ポジティブな言葉をよく耳にすることで、自分の疑り深い心が少しずつ晴れていき、考えすぎていたことに気がつくでしょう。

5:猜疑心を英語で言うと?

「猜疑心」は、英語では「疑う」や「妬み」を表す「suspicious(疑念、容疑、嫌疑)」「doubt(疑う)」「jealousy(嫉妬、ねたみ)」などの言葉で表現できます。

「I looked at him with suspicious.(私は彼を疑いの目で見た)」「I doubt it.(それは怪しい)」「I would rather believe than doubt.(疑うより信じたい)」などのように使います。

6:まとめ

「猜疑心」が強すぎると、他人はもちろん自分すら信じられなくなってしまうこともあります。「猜疑心」の感情を解き放ち、人との信頼関係を築きあげることで、自分も周りの人たちも幸せになれるのではないでしょうか。