掲載
更新
宿場町はデートにもピッタリ!一度は行きたい宿場町とその魅力を簡潔に
月野 はるH.Tsukino
1:宿場町とは?
宿場町とは、江戸時代のころ、庶民などが長旅の最中に利用していた宿場が密集し、それが産業となって発展した町のこと。辞書には以下のように説明されています。
しゅくば‐まち【宿場町】
宿場を中心に街道沿いに発展した町。多く、中世以来の宿駅が帯状に発達した。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
今でも、観光地などにホテルが密集している場所がありますが、宿場町の場合、帯状、つまり街道に沿って宿場が並んでいることがポイントなのです。
2:一度は訪れたい東京の宿場町一覧!7つ
東京にも宿場町があるんです! そして、宿場町には独特の街の発展の仕方や、今でもその名残を感じるポイントも。そこで、ぜひ訪れてみてほしい宿場町を厳選してご紹介しますので、参考にしてみてください。
(1)板橋宿(いたばししゅく)
旧中山道板橋宿にある「縁切榎」は、男女の仲や酒などと縁を切りたい人に霊験あらたか。江戸時代には向かい側の旗本屋敷にあり、14代将軍家茂に降嫁した和宮の江戸入りの際は、縁切榎の前を通らぬよう、わざわざ1kmもの迂回路をつくったそうです。 pic.twitter.com/VtJTsKwjnz
— 江戸文化歴史検定 (@edoken_jp) February 26, 2014
「中山道六十九次」のうち、日本橋を出て最初の宿場となるのが「板橋宿」。歓楽地としてもにぎわった「江戸四宿」のひとつです。
中でも気になるのは、この木の下を嫁入りの行列が通ると不縁になると信じられた名所である縁切榎(えんきりえのき)。『精選版日本国語大辞典』には「この木の皮や葉を、相手に知られないように服用させれば、その者との縁が切れるとされた」とあります。現在も神社があり、縁を切りたい相手がいる際に訪れる人も多いパワースポットに。しつこい男性に言い寄られているときにもピッタリかもしれませんが、デートで行くときにはくれぐれも縁切榎の前は通らないよう……。
(2)千住宿(せんじゅしゅく)
画像は、文化12年(1815)10月21日、千住宿(足立区)で開催された「酒合戦」の様子を紹介したものです。奥州会津から来た河田某は六升五合(!!)の酒を飲んだそうです。(「街談文々集要」より) pic.twitter.com/1ukXqZpfN5
— 国立公文書館 (@JPNatArchives) October 21, 2016
足立区の北千住にある「千住宿」も、また江戸四宿のひとつ。日光街道と奥州街道の日本橋から一番目の宿場。今でも当時を感じさせる建物が多く残っています。
北千住西口から徒歩3分ほどのところに「お休み処 千住街の駅」という無料休憩所があり、千寿七福神めぐりのパンフレットやお散歩マップなどが用意されているので、まずここに立ち寄ってから散策するとスムーズですよ。
(3)内藤新宿(ないとうしんじゅく)
甲州街道の宿場町。現在の新宿三丁目から新宿御苑あたりのエリアに位置していました。
ちなみに「新宿」という名称は、甲州街道に追加で作られた「新しい宿場」という意味なのです。いつも何気なく通っている大ターミナル駅も、歴史を知ることで趣深い散歩ができそうですね。
(4)八王子宿(はちおうじじゅく)
東京都八王子市にある、甲州街道の宿場町。15の宿場町から構成されていたため、「八王子十五宿」という別称もあります。その中で、本陣・脇本陣があり、中心的な宿場だったのが「横山宿」。現在でも「竹の鼻一里塚跡碑」や「芭蕉句碑」などの石碑が点在しています。説明板があるところもあるので、散歩しつつ、歴史を学ぶこともできます。
(5)品川宿(しながわしゅく)
今日は宿場祭り2日目!!
みなさん遊びきてね〜 pic.twitter.com/F14fGdTgaT— ゲストハウス品川宿〜素敵な日常〜 (@ghshinashuku) September 24, 2016
品川宿は、東海道五十三次の第一宿場。こちらも江戸四宿のひとつです。歴史ある港町として栄えた品川湊(しながわみなと)の近くに作られました。
歌川広重の浮世絵などにも描かれている弁天社「利田神社」や江戸時代の不動三尊像が安置されている「養願寺」、金運パワースポットとして有名な「阿那稲荷神社」が境内にある「品川神社」など、由緒ある神社が数多くあり、それらをめぐるのも楽しいですよ。
(6)府中宿(ふちゅうしゅく)
甲州街道の宿場町。現在でも高札場跡、蔵造りの商家、番場宿(ばんばしゅく)跡碑などが残っており、風情を感じることができます。府中市が行っている市内観光のミニツアーにも、府中宿をコースに入れたものがあります。どこから観光すべきかわからない場合は、こういったものを利用してみてはいかがでしょうか。ちなみに費用は無料です。
(7)奈良井宿(ならいしゅく)
東京ではないですが、宿場町としてもっとも有名なもののひとつ「奈良井宿」もご紹介させてください。こちらは長野県の塩尻市にあり、標高900メートル台、中山道の中間地点だった宿場町です。
ここの町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されていて、当時の面影が現在でもしっかり感じられます。また旅館や民宿など、昔ながらの日本の良さを味わえる宿泊場所もたくさん。1泊をしてゆっくり楽しむのがおすすめです。
3:宿場町の魅力を簡単に!3つ
宿場町の魅力はどんなところなのかを説明していきましょう。歴史を感じる趣深いデートというのも楽しいものですよ。
(1)風情のある町並み
宿場町のいちばんの魅力は、江戸情緒あふれる、風情のある街並みです。古き良き日本の風景を眺めるだけでも、なんとなく心がほっと安らぎますよね。
(2)歴史を感じられる
宿場町というのは、参勤交代の際に諸大名が利用するなどの歴史的な背景から、それぞれが異なる特徴をもっています。また、歴史的に有名な出来事があった場所が多いのです。
ただプラプラと歩くだけでなく、その宿場の歴史を調べたうえで散策すると、ひと味違った深みのある観光を楽しめます。
ボランティアガイドや、ツアーなどが開催されている宿場もありますので、そういったものを有効に使ってみると、より詳しく歴史を知ることができます。
(3)穴場
観光地として有名な宿場もありますが、まだまだ穴場ともいえるスポットもあります。人もそれほど多くなく、意外にのんびり、ゆったり巡れます。人ごみに疲れた……なんていう人は、癒されてみてくださいね。
4:宿場町って英語でなんていう?
ところで「宿場町」という言葉は、英語では何というのでしょうか?
調べてみると、「Post Town」と表現できるようです。
とはいえ、日本のように街道沿いに宿などが連なっている場所というわけではなく、宿がある場所、あるいは宿そのものを指すことが多いようです。
5:まとめ
宿場町には、流行りの観光スポットとはひと味違う魅力があります。普段訪れている場所も、視点を変えれば新しい魅力に気づくこともありますし、宿場地をめぐってみるというのも、新しい趣味として楽しいかもしれません。
また、歴史好きな人なら、いろいろ事前に調べる時間も楽しいものですよね。
【参考】