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ヘタすると訴えられちゃう!女性が知っておくべき「逆セクハラ」なNG行動4つ

朽木誠一郎

朽木誠一郎S.Kuchiki

“逆セクハラ”とは、男性が女性から受けるセクシャル・ハラスメントのこと。これまで問題視されることの多かったセクハラは女性が被害者になるものですが、逆に男性が被害者になることからこのように呼ばれます。

厚生労働省が発表した2012年度のセクハラ相談は、女性からが5,838件、男性からは549件。比較的少ないながら、男性の被害者も報告されているのですね。

このような逆セクハラの背景には、女性側の認識不足があるようです。自分にはそんなつもりがなくても、相手が嫌がれば、それは立派な“ハラスメント”。

思わぬところで評判を落とされたり、裁判に訴えられたりしないように、今回はアディーレ法律事務所の刈谷龍太弁護士に、事例や具体例をもとに、逆セクハラとなりかねないNG行動について伺いました。

※なお、これらはあくまで例示なので、これ以外は絶対大丈夫!ということにはなりません

 

目次

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■1:ボディタッチ

“男は女に触られるとそれだけで嬉しい”と思っている方はいませんか? “基本的に嫌ではないはず”というのは大きな間違いです。

異性として女性を見る場合、男性にも好みがあり、そうでなくても他人にベタベタ触られることを望むひとはそう多くありません。

男性はとくに社会的な場で、女性に触れるというシチュエーションにナイーブになっています。励ましたり褒めたりしようと女性の肩や背中を叩くなんて、男性にはできません。「立場が逆でも本来は同じこと」と刈谷弁護士は言います。

 

■2:性的な発言

たとえば、職場の同僚男性が、昨晩のセックスを赤裸々に語ってきたら、女性はどう感じるでしょう。それがテレビ番組のイケメン芸能人であってもチャンネルを変えるひとがいるくらいですから、言わずもがなです。

逆に、女性があけすけに夜の事情を語っても、それはそんなに喜ばしいことではありません。男女ともにそのあたりの感覚は同じなのです。

刈谷弁護士からは「話す側はサービスのつもりでも、リスクのほうが大きいですから、止めておきましょう」とのアドバイスが。

 

■3:露出の多いファッション

基本的に服装は個人の自由。でも、「丸見えの胸元や、短すぎるミニスカートは、もとよりセクシャルなものです。それを好ましく思わないひとがいれば、それはハラスメント、つまりセクハラに当たります」と刈谷弁護士。

そもそも見せられて常に喜ぶものでもない、というのが男性の本音。お腹がいっぱいのときにおかわりは要らないし、日本料理が好きかイタリア料理が好きかは、見た目だけではわかりませんよね。

 

■4. “草食系”呼ばわりもNG

刈谷弁護士は、「結局、すべて男女を入れ替えてみればわかることではありますが」と前置きをして、女性に「処女なの?」とか「処女っぽいね!」などと言えば、即刻セクハラと認定されることを指摘しました。

にも関わらず、女性が男性に「童貞なの?」とか「童貞っぽいね!」などと言うのは、ちょっと面白いから許されるような気がしていませんか? 「繰り返しますが、相手が嫌な思いをすればそれはハラスメントです」と刈谷弁護士。

よかれと思って“草食系”や“肉食系”とラベリングするのも、厳密には望ましいことではありません。

 

いかがでしたか? 女性だからという理由だけで、このような行動を大目に見てほしいと思うなら、その発想自体がすでに平等ではありません。相手が嫌な思いをしないようにする、これは人間関係の基本ですね。

刈谷弁護士は「男女雇用機会均等法をよく見れば、“男女”は“均等”であり、この法律が女性を優遇するためのものではないことがわかります」と言います。お互いに気持ちよく生活できるように、男女とも節度をもって関わりましょう。

 

【参考】

 平成24年度 都道府県労働局雇用均等室での法施行状況の公表 – 厚生労働省ホームページ

 

【取材協力】

※ 刈谷龍太・・・弁護士(東京弁護士会所属)。弁護士法人アディーレ法律事務所(http://www.adire-roudou.jp)入所直後から所属弁護士の中で、メキメキと頭角を現しセクハラ・パワハラ・不当解雇などのいわゆる「労働問題」を専門に扱う部署に所属。気取らない態度で、問題点を的確についたシャープな切り口のトークには、内外問わずとても評価が高い。事務所内ではムードメーカー的存在でもある。ブログ『こちら弁護士刈谷龍太の労働相談所』も更新中。http://ameblo.jp/ryota-kariya/