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恋人にお金を貸す前に知っておかないと後悔すること9つ【前編】

星 花

星 花H.Hoshi

好きな男性に「お金を貸して! 」と頼まれたことはありませんか?

恋してない時に冷静に考えると、特に高額の場合は100年の恋も冷めてしまいそうですが、愛する人がお金に困っていたら、ついつい「私でなんとかできる金額なら……」と、渡してしまう事もあるのではないでしょうか。

もちろん大人同士なので、すべての貸し借りが悪いわけではないです。いわゆる“糟糠の妻”たちの中には、若いころ夫にお金の援助をしたという人も少なくありません。それに、数百円、数千円レベルの話であれば気にしない、という人もいるかも。

結局、大事なのは、“いいかげんな男に大金を貸して、踏み倒されないこと”なわけですが、ではそうならないためには、どうすればいいのでしょうか? 今日はそんな女性たちの素朴な疑問について、アディーレ法律事務所の弁護士・島田さくらさんに伺ってみました。

 

■1:何に使うの?(使用目的の確認)

「大事なお金を貸す以上、まずはお金の使い道が気になりますよね。なぜお金が必要なのか、何に使うのか、きちんと確認しておきましょう。

“彼が困っているんだから、理由なんか聞かずに貸すのが真実の愛……”なんて思っているあなた! 絶対にお金を貸してはダメです。女は黙って耐えるもの!なんて思い込んで悲劇のヒロインごっこに酔いしれるのが好きな女性は多いです。

“愛”の名のもとに都合よく利用され、捨てられ、気づいたらひとりぼっちで借金まみれ……というのが関の山。ヒロインごっこはお金が絡まない部分だけにしましょうね」

酔ったあとには二日酔いより酷い苦しみが待っているかも? 恋に恋する時期でも、なるべく悲劇に酔わないように、気を確かに持っていたいですね。

 

■2:どうして私に頼むの?(私に頼んできた理由)

「お金に困ったとしても、愛する人にはできるだけ迷惑をかけたくないと思うのが普通ですよね。誠実な人であれば、まずは親や銀行や業者から借りて、自分でなんとかしようとするでしょう。

“実は、色んなところから借りてて、もう頼るあてがないんだ……”という彼は、すでに数百万の借金を抱えている可能性があります。彼が破産すれば、裁判でお金を取り戻すこともできません。「業者から借りると利子がつくじゃん」なんて理由が出たら、即断りましょう。むしろ別れましょう。あなたをただの便利屋だとしか思っていません。はっきり言って、ナメられています」

女性としてのプライドから、“彼はお金目当て”なんて思いたくないものですが、自分を大事にしてくれない相手だと思えるような言動があった時は、“プライドを持って突き放す”ことも大切かもしれません。

 

■3:いつ、どうやって返すつもり?(返済に計画性はあるのか確認)

「お金を借りる以上、返すことが前提です。“どうにかして返す。”、“今は収入がないけど、いつか成功したら。”、“今度こそ勝てる気がするんだよ。”なんて論外!

“来月ボーナスが出るから、それで全額返すよ。”、“今、これぐらいの収入があるから、毎月これぐらいずつ返すよ。”くらいの現実的な説明は欲しいものです」

“ご利用は計画的に!”なんて、まるで消費者金融みたいで言いづらい……なんて思ってはいけません。むしろ、回収のノウハウを持たない個人がお金を貸す方が、ずっときっちり“計画”してもらわないことには、ずるずると踏み倒されてしまう危険性が高いのです。

 

■4:彼は定職についてる?(相手の職業・勤務先の状況を確認)

「彼が仕事に就いているのにお金を返してくれない場合には、お給料を差し押さえて、そこから強制的に返済してもらうことができます。これを強制執行と言います。

しかし、彼が仕事を辞めたり、または解雇となって収入源がなくなり、財産すらなくなってしまった場合は、この手続きは使えません。つまり何もとれないことになります。ただし、彼が仕事に責任感を持っていて、お給料が良く、会社の規模が大きいほど、仕事を辞めることは考えにくくなりますので、普段の何気ない会話から、この位の情報は知っておきたいところですね」

彼の仕事は知っているつもりでも、お金目当ての男性なら、もしかしたら嘘をついているかも? 最低限の身元や仕事場は、しっかり調べておきたいですね。

 

■5:あげたと思えるだけの金額を貸すこと

「今はお金を返すあてがあっても、将来何が起こるかはわかりません。勤務先の倒産、病気やケガでの入院……そんなとき、心を鬼にしてお金を返せと言えますか? お金を貸すときには、あげたと思えるだけの金額、“お金を払って人生の勉強をしたんだ”と思えるだけの金額にしましょう。」

これはとても大事なことですね。たとえ100万貸してと言われても、最悪返してもらえなくても恨まない金額が10万円なら、あげる位の覚悟で10万円だけ包んで「これしか用意できなかった」と言うのも手かもしれませんね。返してもらえれば嬉しいですし、踏み倒されたら、そんないいかげんな男への手切れ金だと思って吹っ切れるかもしれません。

 

いかがでしたか? 確かにこのうちのどれか1つでもウヤムヤにしたままお金を貸してしまったら、返してもらうまで疑心暗鬼になって、たとえ彼に踏み倒す気がなくても関係が悪くなってしまいそうですね。

後編ではさらに掘り下げて、弁護士ならではの“借金に関する法律のお話”も伺ってみたいと思います。

 

 

【取材協力】

アディーレ法律事務所

※ 島田さくら・・・弁護士法人アディーレ法律事務所所属弁護士(東京弁護士会所属)。自身の過去のオトコ運の無さからくる経験(元カレからのDVや、妊娠が発覚した翌日にカレから別れを告げられたこと)をもとに悩める女性の強い味方として男女トラブル、さらには労働問題などを得意分野として多く扱う。

(なお、本人は「ここ10年は悩んだことがない」という、驚くほどポジティブな思考の持ち主で、全国最年少シングルマザー弁護士として、相談者の悩みを解決するかたわら、家庭では子育てに奮闘している)

 

【画像】
areporter / Shutterstock