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恫喝とは?どこからが犯罪?パワハラ上司の言動例や対処法

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

目次

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1:恫喝とは?

(1)恫喝の意味

「恫喝」は、ひと言だと「おどして、恐れさせること」を指し、「どうかつ」と読みます。「恫」には「脅す」の意味もあり、訓読みでは「おどす」という読み方も。また、「喝」の意味は、声がかすれるほどの大声を出す、大声で脅すなどの意味があり、「恫喝」は怒鳴るなどして相手を脅し、怯えさせることを表します。

(2)恫喝の類義語と意味の違い

類義語としては「威嚇」「威活」「脅迫」「恐喝」などを挙げることができます。それぞれについて意味を以下に示しましょう。

「威嚇」相手に自分の威力を見せて、恐怖心を起こさせること

「威喝」大声で相手をおびえさせること

「脅迫」他人にあることを行わせるため、生命や名誉場度を害し脅しつけること

「恐喝」相手の弱みなどにつけこみ、脅すこと

威嚇は「威嚇射撃」という言葉が代表的ですが、動物の「威嚇」など、自分の身を守る目的を果たすために相手を「脅す」というニュアンスがあります。そのほかは、「相手を自分に従わせる」「自分の思いどおりにする」といった意味合いが強い言葉です。

「恫喝」と「脅迫」は意味が近い感じがしますけど、シチュエーションはまったく異なることに注意しましょう。「恫喝」は大声を使うのに対し、「脅迫」はひそひそ話でもできますし、手紙や暴力など手段は多種多様。「手紙で恫喝した」というのはありません。手紙で脅す場合は「脅迫」となります。

2:恫喝は犯罪?どこからが罪になる?

(1)「恫喝」は犯罪なの?

「恫喝」だけでは犯罪にはなりません。相手に何か強いるように告知した場合、初めて犯罪行為となるのです。例えば、服従させようとする行為に「恫喝」はつきものですが、そうした害を与えることを相手に告知した段階で、初めて「脅迫罪」が成立します。刑法上で「脅迫罪」があって「恫喝罪」がないのはそのためです。

(2)相手の弱みにつけ込むのは「恐喝」

そうなると「脅迫」と「恐喝」の違いが気になるでしょう。暴力や相手の公表できない弱みを握るなどして脅迫することで、相手を畏怖させ、金銭やそのほかの財物を脅しとる犯罪が「恐喝罪」。脅すだけではなく、相手に実害を与えた場合に成立します。

なお、「恐喝罪」には「恐喝未遂罪」がありますが、「脅迫罪」は脅迫行為そのものが犯罪になるので未遂はありません。

(3)パワハラでも犯罪になるの?

単に脅された「恫喝」だけでは犯罪になりません。ただ、それがパワハラとして社会で糾弾されることはあります。さらに、その恫喝が「ぶっ殺すぞ」などといった場合に、民事裁判で裁判所が「刑法上の脅迫罪を構成するほどの違法性を備えている」と示した例もあります。この判例で、恫喝=犯罪となったわけではないながら、注目していいでしょう。

部下を叱る際、怒鳴ることもあるでしょうけど、言葉の使い方は気をつけなければなりませんね。

3:こんな騒動もあった!「恫喝」にあたる事例

(1)ぼったくりバー

隙のある男性が「3000円ポッキリ」という言葉に騙されて、ビール1杯でン万円を請求されてしまう「ぼったくりバー」。ここでありがちなのが「払え」「払わない」の押し問答です。多くの場合、店側が「こらぁ~、払わんかい!」と大声で迫りますが、これは明らかに恫喝。

別に、ぼったくりバーではなくても、支払いで揉めた際に、払わない客に大声で迫るのは恫喝になります。

(2)被害者が加害者になってしまう場合も

例えば、交通事故などで自分に過失がなく、被害者になるということがあるでしょう。しかし、こうしたケースで相手に対して「どうしてくれる? 会社に居られんようにしてやろうか?」などと大声で脅すと、これは恫喝に。

交通事故に限らず、不倫などで相手を脅した場合、その言い方次第では恫喝になり、反対に被害者が脅迫、恐喝などの罪に問われることもありうるので気をつけましょう。

4:これはパワハラ!「恫喝」にあたる上司の言動

パワハラというのは、職場などで優越的な立場にあるものは、業務上必要かつ相当な範囲を超える、労働者の就業環境が害される、といった度を超えた言動、行動となりますが、多くが「恫喝」を伴います。人格否定の言葉であれば、侮辱罪や名誉棄損罪など刑事告発の対象にもなりうるでしょう。

言葉の例を挙げればキリがありません。以下に、一般社団法人日本ハラスメント協会がサイト上で示した「パワハラにあたる言葉一覧」を挙げましたので参考にして下さい。

すべてがパワハラにあたるわけではありません。ただ、これらの言葉で脅しつけるような大声で恫喝した場合は、パワハラと言っていいと思われます。

5:恫喝かも?と思ったら…できる対策は?

恫喝する側の心理を考えますと、相手が弱いと見るからこそ「脅せば何とかなる」と思っていることが多いと考えられるでしょう。

そこで、まず重要なのは、相手に対して毅然とする、怖がる態度をとらない、が基本の「キ」となります。普段から自分に自信をもち、堂々とした振る舞いをしたいもの。オドオドしてはいけません。

ただ、注意したいのは、逆ギレすることは好ましくないです。相手は正論が通じない人が多いのですから。また、あなたが強い立場の人で「それ脅迫罪よ。これって、私が動けば、どうなるのかわかるわよね!」などの“恫喝返し”も論外でしょう。

恫喝と感じた場合、まずは周囲に相談を。また、金品を要求された場合なら警察に相談しましょう。肝心なのは証拠ですので、機転を利かして、こっそりスマホで録音しちゃうのもありでしょう。言質を録音できれば、それを証拠に身を守ることができるからです。

相手が上司の場合、その後のあなたの立場や職場環境に大きく影響するので、慎重に対処しましょう。

6:まとめ

駆け出しの記者のころ、よく上司に怒鳴られました。恫喝、パワハラ、何でもありの世界だったように思えます。ですが、その怒鳴るなかにも「こいつ育ってほしい」という愛情も感じられたことがありました。

一方、「お前、飛ばしてやる」といった人事権を盾にするようなこともあり、それなどは、明らかにパワハラとなる恫喝と言えるでしょう。その線引きは難しく、相手が言った内容をよく考え、判断する必要があると思います。

【参考】

日本ハラスメント協会一般社団法人