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セリフ体とは?サンセリフ体との違いやセリフ体が使われているブランドロゴ

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

目次

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1:セリフ体とはどういう書体?

英語などの欧米語を入力する際に、ビジネスの場をはじめ、よく使われる書体が「セリフ体」。このセリフとは、タイポグラフィにおいて文字のストロークの端の部分にある小さな飾りを意味します。縦線が太目で、線の横にウロコと呼ばれる小さな飾りが付いているのがこの字体の特徴です。

2:欧文フォントと和文フォントの違いとは?

どの言語においても、字体を基本としてデザインされた書体がいくつか存在します。ただ、言語によって書体は異なるため、英語など欧文と日本語の和文では、コンピューターで使う書体データであるフォントにも違いが出てきます。

日本語の書体で代表的なのは、明朝体とゴシック体。これらがフォントの特徴によってMS明朝、HGSゴシックというように、さらに細かく分かれます。このほかにも、行書体などいくつかの種類に大別されます。

みなさんも、ポスターなどを作成する際、書体選びに苦労された経験があるのではないでしょうか?

アルファベットなどの欧文の書体については、「セリフ体」「サンセリフ体」「スクリプト体」に大別され、この中で「セリフ体」は、和文の「明朝体」に近いと言えるでしょう。

どの書体を使用するかはシーンによって異なりますが、ビジネスの場において和文では「明朝体」「ゴシック体」、欧文では「セリフ体」「サンセリフ体」を使用するのが一般的。時代がかった「行書体」、筆記体のような「スクリプト体」などはビジネス文書にふさわしくないのは言うまでもないでしょう。

なお、セリフ体にも、ひと言では括れない、数多くのフォントが存在します。16世紀の書体に由来するガラモン(Garamond)、アメリカの独立宣言書に使われた活字として知られるカスロン(Caslon)、女性的な雰囲気を醸し出すフランスのディド(Didot)、英国の代表的な書体のひとつであるバスカービル(Baskerville)などが有名でしょう。

3:セリフ体の特徴

先述したように、セリフ体は和文の明朝体に近い書体です。ウロコを付けることで、さりげないデザイン感を醸し出しますが、和文の明朝体と同様、真面目、古典的、クラシックな印象があり、パッと見では主張の弱さを感じるかもしれません。

ただ、後述するサンセリフ体は圧迫感が生じますので、とくに、長い文章を記すときにはセリフ体でまとめるのがよいと考えられます。

4:サンセリフ体の特徴

「サンセリフ」の「サン」は、フランス語で「~なしで」を意味し、サンセリフ体はセリフ体からウロコを取り除いたもので、ゴシック体に近いものと言っていいでしょう。ゴシック体と同様、読んでいると圧迫されるように感じます。

反対に、アピール度は抜群で、要点を訴えかける効果があるので、パワポによるプレゼン資料やポスターなど、シーンに応じてセリフ体、サンセリフ体、明朝体、ゴシック体をうまく使い分けましょう。

5:セリフ体が使われているブランドロゴ5選

(1)ソニー(SONY)

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代表的なセリフ体のロゴ。ブロック状の厚いセリフを特徴としているシンブルなデザインです。現在のロゴは1973年から使用されていますが、1981年には、公募でデザインを一新しようとし、優劣が付け難かった3つのデザインが優勝しました。

しかし、創業者の井深氏、盛田氏が「いまのロゴのほうが明快でよい」と言ったそうで、変わることはありませんでした。

(2)ホンダ(HONDA)

これも世界で浸透している日本を代表する企業ロゴのひとつ。ウロコの部分が大きめなのが特徴です。企業のロゴは、著作権などの関係もあり、ソニー同様、通常のパソコンのフォントをそのまま使っていることは少ないです。

(3)ヴォーグ(VOGUE)

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世界を代表するファッション雑誌の「ヴォーグ」。このロゴには、フランスのファルマン・ディドが作成した、ディド(Didot)と呼ばれるセリフ体が使用されています。

ディドは横のラインが繊細で、おしゃれさ、優美さ、女性的な雰囲気を備えているのが特徴。そのため、女性ファッション誌などでよく使われるフォントです。

(4)グッチ(GUCCI)

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グッチオ・グッチがイタリアのフィレンツェで設立して以来、世界的な有名ブランドとして愛されてきたグッチ。その重なったふたつのGのモノグラムは、言うまでもなく創業者であるグッチオ・グッチの頭文字をあしらったものです。

セリフ体の「Granjon Roman(グランジョンローマン)」がベースになっている、サンセリフ体の「Optima(オプティマ)」がベースになっているなど、諸説あります。

(5)バーバリー(BURBERRY、旧ロゴ)

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世界的な有名ブランドであるバーバリーのロゴも、セリフ体の代表的なロゴでした。過去形で記したのは、2018年にサンセリフ体の新ロゴに刷新したため。

モノグラムを前面に押し出した新ロゴは、力強さ感じさせます。最近の潮流として、セリフ体のロゴがサンセリフ体に変わりつつあるようです。

6:まとめ

前項の「バーバリー」でも記しましたが、セリフ体のロゴが減る傾向にあるようです。ケンタッキーフライドチキンが「KFC」のロゴを変更する際、セリフ体を残しましたが、こうした例は少数派。

2015年には、「グーグル」が創業時のセリフ体からサンセリフ体に一新させました。スマホの普及で世のデジタル化が進んだことと、ロゴのフォントの変化は関係があるのかもしれません。