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父親が●●だと娘は「自分に対する自信をなくす」と判明
平松隆円R.Hiramatsu
父娘の関係は親子とはいえ、異性の関係であるため、その接し方がとても難しいと考えられています。
思春期になると、娘は父親の養護から自立しようとする心理が生まれ、そのそばから離れようとします。
また、身体の成長にともなって父親を男性として意識するようになり、それまでの父親としての存在ではなくなることから、嫌悪の気持ちがわいてきたりします。
そのため、父親は嫌われることを恐れて過度に甘やかしたり、反対によそよそしく距離をとったり、父親の威厳を保とうと急に厳しくします。
そんな父の態度がある状態になると、自分はダメな人間だと娘は自分を否定したり、反対に自分に自信をもつことができるようになるのだということが、南九州大学講師の春日由美氏の研究であきらかになりました。
いったいどんな父親が、娘をダメな人間だと思わせてしまうのでしょうか。
■父娘の関係と自分への自信
春日氏は18歳から23歳の女性110名に対して、父親のイメージと自分への自信について調査をしました。
それによると、娘が父親に対して“怖い”、“厳しい”、“頑固”、“近寄りがたい”というイメージをもっていると自分に自信がもてないということがわかりました。
つまり、娘が父親に対して壁のようなものを感じたり、父親の融通のなさを感じていると、自分はダメな人間なんだと思ってしまうのです。
反対に、娘が父親に対して“自分は父親の役に立っている”、“自分は頼りにされている”というイメージをもっていると自分に自信がもてるということがわかりました。
つまり、娘は父親から信頼され、頼りにされていると感じていると、自分への好意や満足感が高まり、結果として自分に自信をもつことができるのです。
いかがでしたか。
父親を厳しいと脅威に感じること、また子どもとしてではなくひとりの人間として信頼されていると感じていることが、自分への自信とつながっていました。
けっして甘やかすことを意味しているのではありませんが、厳しくするのではなくひとりの人間として認め、父娘の関係を築いていくことが、娘が自分に自信をもつためには必要だったんですね。
【参考】
※ 春日由美(2000)『父娘関係と女子青年のSelf-Esteem・自己受容』日本青年心理学会大会発表論文集