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「尊敬」の意味は?どんな時に使う?類語や対義語、使い方を解説!
水野 文也F.Mizuno
1:「尊敬」とは?
「尊敬」の意味はわかるのですが、口でうまく説明できない人が意外に多いかもしれません。まずは辞書で確認してみましょう。
尊敬
その人の人格をとうといものと認めてうやまうこと。その人の行為・業績などをすぐれたものと認めて、その人をうやまうこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
ひと言でいえば、他人をうやまうこと。またそうした姿勢を言葉で表して、「聞き手や話題の主、また、その動作・状態などを高めて待遇する言い方」を、文法上で「尊敬語」と言います。
2:「尊敬」の類語と対義語
(1)尊敬の類語
1.畏敬
「尊敬」の類語は数えきれないほどありますが、相手を敬うという同じニュアンスの言葉で、浮かび上がる言葉が「畏敬」。「尊敬」があらゆる人が対象になるのに対し、「畏敬」は敬意の度合いが一段高い人、神仏など明らかに立場が上である場合に使用する表現です。さらに上を行き、偉い人を崇めるというレベルでは「崇拝」を使います。
2.賛美
褒めたたえるというニュアンスで言えば、「賛美」のほか「礼讃」などがこれにあたるでしょう。そう、「賛美歌」の「賛美」です。
3.心酔
夢中になって、それにふけるときによく使う「心酔」ですが、この言葉には、心から慕って感心することも含まれます。
(2)尊敬の対義語
続いては対義語を見ていきましょう。
1.軽蔑
すぐに対義語として思いつくのは「軽蔑」ではないでしょうか。相手をばかにすること、或いは軽んじて蔑む場合に使う言葉です。
2.侮蔑
もうひとつ、対義語としては「侮蔑」があります。こちらは、「人をあなどり、無視した扱いをすること」という意味があります。
3:「尊敬」の使い方3つ
(1)「私は困難な仕事を成し遂げたあなたを尊敬します」
ごく一般的で、ストレートに言うことができます。単独で十分使用できる言葉で、面接などで聞かれる「尊敬する人物は誰ですか?」というのは、定番中の定番でしょう。
(2)「中学時代の恩師に尊敬の念を抱いています」
「尊敬の念」とは、相手を「尊敬する気持ち」を言い表した言葉。「尊敬の念を示す」という表現もあります。尊敬する気持ちをもつという意味で、それを伝えるときには「意」を使って「尊敬の意を表する」などと表現します。
(3)「彼はあのジャンルにおいて尊敬の的となっている」
「尊敬」される対象のことを「尊敬の的」と言いますが、これは誰からも敬われているというときに使う表現です。
4:尊敬の英語表現は?
「尊敬」を意味するもっとも一般的な英単語は「respect」になるでしょう。「彼は周囲からリスペクトされている」といったように、そのまま日本語としても使われていることが多い単語ですね。
「~に尊敬の念を抱く」と言う場合には、「have (a) respect for~」で、例文を以下に示します。
She is a woman we all have respect for.
「彼女はすべての人が尊敬の念を抱く女性である」
5:尊敬できるのはどんな人?尊敬される人の特徴3つ
尊敬される人には特徴がたくさんあります。その中でも特にポイントになると思われる点を3つ挙げてみました。尊敬される人物になれるよう参考にしてみて下さい。
(1)誠実である
誠実であるのは、人付き合いをするうえで、とても大切なこと。当たり前なのですが、欲などが邪魔をして、正直で誠実に生きられないという人がいるかもしれません。ウソをつく人は尊敬されないでしょう。素直に間違いを認められることも誠実さと言えそうです。
(2)感情がコントロールできる
どんなに立派な実績を上げても、相手に対して感情をむき出しにして、すぐにキレたりすると、実力があっても尊敬できないですよね。いつも穏やかに感情がコントロールできる人こそ尊敬に値します。言葉遣いも、口汚い罵倒などはいけませんし、もちろん、他人の悪口もNGです。
(3)責任感がある
いつでも責任を取れる人、何かあったときに他人に責任を押し付けるようでは、人から決して尊敬されないでしょう。責任感が強いということは、リーダーシップの強さにもつながり、皆から慕われるようになります。
6:まとめ
「尊敬」という言葉は、知っている人が大多数の、よく使われる言葉ですが、尊敬されるような人になるのは、けっこう難しそうですね。少なくとも、しっかり言葉の意味を理解していないと、尊敬されるような人物にはなれないでしょう。