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「光栄」とは?ビジネスなどフォーマルシーンの使い方と言い換えできる類語

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

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目次

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1:「光栄」とは?

1)光栄の意味

「光栄」という言葉は、「光栄なこと」「光栄の至り」などと、日常の中でもよく使われる言葉ですが、どんな意味があるのでしょうか。まずは、辞書で調べてみました。

こうえい【光栄】

1 業績や行動を褒められたり、重要な役目を任されたりして、名誉に思うこと。また、そのさま。「光栄の至り」「身に過ぎて光栄なこと」

2 栄えること。栄えさせること。

デジタル大辞泉(小学館)

よく使われるのは「1」の意味ではないでしょうか。「光」も「栄」も、どちらも「ほまれ・名誉」を意味している言葉。ポジティブな場面で使います。

2)光栄を英語でいうと?

「光栄です」を英語でいうと、「I am so honored.」が一般的ですが、ひと言で「光栄」という名詞でいうなら「honor」となります。「honor」を使って「光栄です」を表現する場合は、「It’s such an honor to meet you.(お会いできて光栄です)」などと使います。

例文を以下に挙げてみました。

It is tremendous honor to be here with you all today.(本日みなさんとここにいれて大変光栄です。)

また中国語では、「非常光荣」「我很荣幸」などと表します。中国語の表現でも、いかにも名誉なことという感じがしますね。

2:ビジネスなどフォーマルな場所での使い方

それでは、「光栄」という言葉はどんなシーンで使うものなのでしょうか。以下に例文を5つ挙げてみました。

1)「お会いできて光栄です」

いちばん頻度が高く、使ったことがある人も多いのではないでしょうか。会ったことを名誉に感じたことを示す言葉ですが、注意点があります。

基本的に、目上の人や、地位が高くて普段会えないような人に使う言葉なので、目下や後輩などに対して使うと「あれ、この人、私のこと、バカにしているのかな?」と思われてしまうかもしれません。

2)「君に責任者を任せたい」→「大変光栄です」

責任がある立場になることは、とても名誉なことであるとともにうれしいこと。例文の「光栄です」を「うれしいです」に置き換えて下さい。そのまま意味が通じますよね。

ただ、ビジネスシーンで「うれしいです」というと、表現として稚拙な感じがするため、一段上の表現ということで「光栄です」を使いましょう。

3)「社長のお言葉は身に余る光栄です」

偉い人に直接褒めてもらえたなど、光栄な気持ちを強調したいときなどに使います。「身に余る」という言葉を添えるほか、「光栄の至り」「光栄至極」とすれば、一段とその気持ちを強調することができるでしょう。

4)「本日はご招待頂き、光栄です」

格式の高い式典にお呼ばれしたときなどに使います。この場合の「光栄です」を「ありがとうございます」に置き換えても、そのまま通るでしょう。

名誉なことを示すと同時に、感謝の意も込めて使われます。「感謝」という言葉を使うケースとしては「感謝に堪えません」がありますが、この場合、感謝の喜びを抑えきれないといったニュアンスになります。

5)「光栄に存じます」

「光栄です」だけでも問題ありませんが、より丁寧な表現としては「光栄でございます」、さらに「思う」の謙譲語「存じます」を使って「光栄に存じます」とへりくだることで最上級の表現になります。

3:「光栄です」と同じ意味で使われる類語3つ

1)「恐縮です」

「恐縮」の意味は「身も縮まるほどに恐れ入ること。感謝や謝罪の言葉として用いる」です。

「恐縮です」というのは、相手に迷惑をかける場合や、あるいは厚意を受けた際、謝罪もしくは感謝の気持ちを込めた言葉として使われます。「心が苦しいほど、ありがたく思う」という意味の「恐れ入ります」というのも類語になるでしょう。

2)「痛み入ります」

「痛み入る」という言葉には「相手の親切や好意に恐縮し、感謝すること」という意味があります。

相手の行為が、胸が痛くなるほど申し訳ないというニュアンスで、目上に対する「感謝」の言葉。「謝罪」の意味では使わないので、間違えないようにしましょう。

3)「幸甚です」

「幸甚です」は、ビジネスの場の手紙やメールなどで頻繁に使う書き言葉。会話で使うことはほとんどありません。読み方は「こうじん」で、意味は「常にありがたく、幸せに思うこと」で、「もし〜してくれたらうれしい」というニュアンスで使用します。

4:まとめ

筆者が県議会議員のとき、パーティーに出席した際に主催者に「本日はお招き頂き光栄です」と挨拶。しかし乾杯が終わった瞬間に、次の予定のため、すぐに「さようなら」の繰り返しでした(苦笑)。

ですが、どんな場合であっても、お呼ばれしたときは、とにかく相手に失礼にならないようにすることが大切。みなさんも定番のフレーズとして覚えておきましょう。