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「仕事が怖い」「会社に行きたくない」…きっかけと克服の対処法

中田綾美A.Nakata

目次

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1:モラハラやミス続き…30代になって「仕事が怖い」となる人も

(1)仕事が怖い人の心理とは?

そもそも「怖い」という心理はどのような状況で起こるのでしょうか。

人は得体の知れないものに対して恐怖心を覚えます。怖いと感じる典型的なシチュエーションといえば、「暗闇」です。視界が遮られて、どこから襲われるかわからない状況におかれると、誰しも平常心ではいられませんよね。

仕事が怖いと感じるのも、これと同じような心境だといえます。つまり、新社会人で仕事を始めたばかりだったり、転職や異動で環境や職務内容が変わったりした場合には、自分がやるべきことの正体がつかめずに恐怖を覚えます。

また、慣れ親しんだ仕事でも、何かの拍子にミスを起こしてしまうと、「実は自分はこの仕事のことを何もわかっていなかったんじゃないか」という気持ちになって、それまで平気だったものが急に怖くなることも……。

モラハラ、パワハラ上司を「怖い」と感じるのも、同じことが当てはまるかもしれません。いつ叱責や罵倒が飛んでくるのか予測がついていれば、彼らの存在もそれほど恐れるに足りませんが、沸点ポイントがいまいちつかめないからこそ、厄介なのです。

(2)「仕事が怖い…」となる人の特徴は?

同じ職場で同じ内容の業務に従事していても、「仕事が怖い」と感じる人と、大して動じない人がいるのはなぜでしょうか。

上述したように、恐怖とは得体の知れないものに対して感じますから、「仕事が怖い」と感じやすい人というのは、変化が苦手という特徴があるのかもしれません。仕事をしていると、大なり小なりハプニングがつきものですが、ささいな変化にも敏感に反応してしまう人だと、日々の仕事が大きなプレッシャーになります。

また、もうひとつの特徴として、よくいえば責任感があって真面目ということなのですが、仕事の存在を重く見積もりすぎている人も「仕事が怖い」病に陥りやすいようです。この点については後述します。

2:仕事が怖い…行きたくない!きっかけエピソード7つ

(1)慣れない仕事でミスばかりして怖い

「大学在学中に司法書士試験に合格し、今年の春に新卒で司法書士事務所に就職しました。社会人になっておよそ半年になりますが、今まさに仕事が怖い、行きたくないという日々を送っています。

試験は一発合格で成績もかなり上位でしたし、自分はもっと“できる子”だと自惚れていました。でも、実際に仕事を始めてみると、全然違いました。これまでの勉強がまったく役に立たないというわけでもないですが、知識以上に相手とうまくコミュニケーションを取ったり、空気を読んだりするほうがよほど重要で、私は完全に事務所のお荷物状態なんです。

同期で事務員として入所した短大卒で2歳年下のAさんのほうが、仕事の呑み込みが早いのも、ストレスになっています。私が書類作成でまごついていると、“それってこうじゃないですか?”とフォローしてもらうことも多く……。

もちろん、助けてもらえるのはありがたいのですが、先輩たちが“Aさんもシホショの試験受けてみれば? Aさんならうちの即戦力だよ~”なんて褒めているのを聞くにつけ、自分はなんと惨めなんだと消えてしまいたいような気持ちになります」(22歳女性/司法書士事務所)

(2)危険な仕事で怖い

「うちの職場の仕事は、甘く見ていると本当に怖いですよ。今はルールやマニュアルがしっかりしているので、無事故継続中ですが、かつてそのあたりが甘かった時代には、機械の操作を誤って足や腕をケガしたり、最悪、大事故につながったりするケースがあったそうです。

事故は絶対に起こしちゃいけません。だから、新人研修は徹底的に行います。新人が入ってくると、過去にどのような悲惨な事故があったのかを懇々と聞かせますし、それでも新人が機械の前で緊張を欠くようなそぶりを見せたなら、鬼の形相でどやしつけます。

最近の若い子は怒られるのに慣れていないから、“機械よりも人が怖い”って仕事に来なくなっちゃう子もいるんですが……。どう思います?」(36歳男性/精密機械工場)

(3)お客様の好意が怖い

「私の勤務先の携帯ショップで、以前、常連客にSさんという高齢の男性がいました。

携帯の操作についてのご相談や、アクセサリ類をご購入のために、頻繁にご来店されては、スタッフと楽しそうに世間話をされていたSさん。いつもニコニコして、感じのいいおじいちゃんだな、という印象しかなかったのですが……。

ある日、Sさんが“先日は契約切り替えの件で、あなたの説明がわかりやすくとても助かった。これは旅行のお土産だからぜひ”と、小さながま口財布を私にプレゼントしてくださいました。

旅行のお土産でなぜがま口財布? ……と疑問でしたし、しかも包装されていない裸の状態で渡されたのが妙ではあったのですが、店長に相談したところ“特に高級なものではないし、突き返さずに受け取っておけば?”とのことでしたので、ありがたく頂戴しました。

ただ家に帰って、がま口を開いてびっくり……。“いつも素敵な笑顔をありがとう。今後お茶でもしませんか?”というメッセージと、小さく折りたたんだ1万円札が入っていたんです!

メッセージだけでも怖いんですが、そのお札が何というか、“私のことお金でなびくように見てたのか”と思うと、何だか気持ち悪くて……。

すぐに店長に報告・相談して、店長を通じてがま口財布ごと、Sさんにお返ししました。気まずくなったのか、その後、Sさんはお店に現れなくなりましたが、もしSさんが常連客のままなら、私のほうが仕事を辞めていたと思います」(25歳女性/携帯ショップ)

(4)お局さまのチェックが怖い

「女性ばかりの小さな部署に勤めてますが、お局さまのチェックが怖いです。もちろん、仕事上での指導ならありがたいのですが、無関係な小言が多いんです。

例えば、私のプライベートでのSNSも監視していて、“ちょっとあの書き込みはよくないと思うよ”とダメ出しされたことがありました。アカウントを消したり、見られないように鍵をかけたりしても文句をいわれそうなので、もうそのアカウントは更新せずに放置しています。

あと、最近でいちばん怖かったのは、職場のフロアに1か所しかない女子トイレで、私がトイレを出た直後、入れ替わりのように、お局さまがトイレに入ったときのこと。

その後、トイレから戻ってきたお局さまは私にこう耳打ちしました。“あなたね、トイレットペーパーの破り方が汚いわよ。そういうところに人間性って出るんだから気をつけなさい”と。

確かに、トイレットペーパーを雑に破いた私にも非はありますが、そこまでチェックする? 今日はいったい何をいわれるのやらと、仕事に行くのが怖いです」(28歳女性/健康食品会社)

(5)いきなり重責を負わされて怖い

「県下では大手として知られる学習塾グループのいち校舎で校舎長を務めています。新卒3年目でいきなりの抜擢です。

“なんでこんな若造の自分が?”と思いましたが、上司は“とにかくお前には期待しているから”の一点張り。わけのわからないまま校舎長の肩書をつけていますが、正直、自分には荷が重くてしんどいです。

ちなみに、なぜ自分が抜擢されたのかという事情は、校舎スタッフへの聞き取りで少しずつわかってきました。前任の校舎長は美人で高学歴、しかも生徒から慕われる……と非のうちどころのない人物だったのですが、どうも高スペックすぎるところが、逆に保護者の反感をかってしまったらしく、いろいろ嫌がらせを受けて、ストレスからダウンしてしまったのだそうです。

で、後任はとにかくお母さまたちが気に入りそうな人物……ということで、僕に白羽の矢が立ったのだとか。僕は人身御供のようなものということでしょうか」(26歳男性/学習塾)

(6)いきなり職種が急変して怖い

「私は今、営業職なのですが、以前は経理の仕事をしていました。人見知りだし、コツコツと地道な作業を積み重ねる経理が自分には向いているなぁと、当時は思っていたものです。

ところが7年前、営業部長から“君は絶対に営業のセンスがあるよ!”と見込まれて、ほぼ強引に営業部に引き込まれました。

うちの会社の営業の仕事は、新規の飛び込みはなく、既存客のフォローが中心。とはいえ私にとっては、毎日いろいろなところに飛び回って、人とコミュニケーションを取ること自体がきつくて、当初は“私には経理が天職なのに、会社はなんて意地悪をするのだろう”とネガティブなことばかり考えていました。

それでも、営業部長の期待に少しでも応えられるように、見よう見まねで毎日必死に仕事を続けていくうちに、不思議と営業成績が右肩上がりによくなっていったのです。

結果が伴うと仕事って面白くなりますよね。“もっとお客さまに喜んでいただくには?”と試行錯誤すると、ますます営業成績が向上して……と正のスパイラルに入り、おかげさまで今では営業グループのリーダーを任されるまでになりました」(32歳/保険会社)

(7)仕事で事故を起こして怖い

「忘れもしません。今から12年前、カット中に男性のお客さまの耳たぶを切るという事故を起こしたことがあります。

当時の僕は、指名はたくさん取れるし、地元ローカル局ですが、テレビ番組に“カリスマ美容師”として呼ばれるなどして、“俺って天才!”と自分史上、最大級に調子に乗っていましたね。

今、思い返すと“バカヤロー!”と自分をぶん殴ってやりたいのですが、事故を起こしたときは、二日酔い状態で店に出ていて、しかも、その晩に訪問予定だったお気に入りのキャバ嬢のことを考えていました。それで、うっかりお客さまの耳たぶをザクっと……。

慌ててタオルで止血しましたが、なかなか血が止まらず、店内は騒然。幸い、そのお客さま自身が冷静であったのと、すぐに近所の病院で処置をしてもらったことで、何とか大事には至りませんでした。

ただ、僕はその事故をきっかけに、ショックでハサミを持てなくなりました。すぐにでも美容師を辞めたかったのですが、店長の引き留めで、しばらくはお店の掃除をしたり、他の美容師のアシスタント的なことをしたりして、何とかお店には立ち続けていました。

立ち直りのきっかけになったのは、被害にあわれたお客さま。事故の3週間後に何事もなかったかのようにお店に現れ“すみません、前回の続きをお願いできますか?”と、なんと僕を指名してくれたんです。

また、事故を起こすのでは?と怖かったのですが、よく考えると、怪我を負わされたお客さまのほうが、よほど怖い思いをしたはず。それなのに、また店に来てくれただけでなく、僕を指名してくれるなんて、美容師冥利に尽きますよね。

もちろん、そこからは一度も事故は起こしていませんし、怪我を負わせてしまったお客さまは今でも担当させていただいております」(40歳/美容師)

3:仕事が怖い…会社に行きたくない!となったときの対処法5つ

(1)できるだけ早いうちにまわりに相談する

会社に行きたくなくなる原因のひとつとして、仕事の遅れやミスが挙げられます。「ヤバい、まだこれだけしかできていない……」「こんなミスをするなんて、また怒られる!」と上司の顔を思い浮かべるだけで憂鬱になりますよね。

しかし、仕事上の問題をひとりで抱え込むとろくなことがありません。自分で何とか対処しようとしても、傷口をさらに広げるだけで、ますます報告しづらくなって……と完全な悪循環です。

今まさに「仕事が怖い」と思うような問題を抱えている人は、取り返しがつかないことになる前に職場に相談しましょう。もちろん、その問題の程度によっては、雷を落とされるかもしれませんが、命まで取られることはありません。

今日より明日、1週間後、1か月後……と先延ばしすればするほど、事態は悪化すると心得て覚悟を決めましょう。

(2)職場の人間関係をよく観察する

仕事が怖くなるもうひとつの要因といえば、職場の人間関係。パワハラ・モラハラ上司は典型例ですが、その他、どうしても馬が合わない同僚がいたり、反抗的な後輩がいたりする場合も仕事に行きたくなくなりますよね。

この問題の解決方法のひとつとして、職場全体の人間関係をよく観察するという方法が挙げられます。

これは以前、筆者があるコンサルタントに教えてもらったことなのですが、職場で苦手な人物がいる場合、その人との関係を何とかしようともがくのは必ずしも得策ではないとのこと。ちょっと視野を広げて、その苦手人物が誰と仲がいいのかよく観察して、その人とまず懇意になるのがおすすめだといいます。

名付けて、“将を射んと欲すれば先ず馬を射よ”作戦! 相性の合わない相手との関係を改善したいなら、まずターゲットの周辺を攻めましょう。

(3)専門家に相談する

仕事が怖い……となったとき、自分の考え方や行動しだいで問題を解決できることもありますが、いわゆるブラック企業などに勤めている場合、自分の努力だけではどうにもなりません。むしろ、頑張れば頑張るほど、自分を追い詰めてしまうだけ……。

仕事上の問題を抱えているけれど、職場で相談できる相手がいないような場合、弁護士など専門家に相談するのも手です。自分では「これくらいどこの職場でもよくあることかも」と思っていても、相談してみて「そりゃ、おたくの会社、真っクロ・黒!」と指摘されて目が覚めるなんてことも往々にしてあります。頼れるものは何でも頼りましょう。

(4)転職活動をする

職場はホワイト。本人の能力もある。しかし、両者の相性が致命的に合わないために、問題が起きてしまうことも少なくありません。

仕事が怖い、もう会社なんて行きたくない……となったとき、「この職場のここがおかしい」「いや自分の能力が足りないのが悪い」などと犯人捜しをするよりも、自分の能力や適性を探るべく、転職活動を始めるのもいいでしょう。

(5)仕事以外の生活を充実させる

仕事が怖いと感じてしまう原因として、自分にとっての仕事の価値を必要以上に重く見ているという点も挙げられます。

つまり、「この上司に嫌われたらおしまいだ」「会社をクビになったら自分の存在価値がない」などと感じているために、上司に嫌われないように、仕事でミスをしないように、と怯えてしまうというわけです。

このタイプの人に対する処方箋は、仕事以外の生活を充実させること! 「仕事なんてしょせんは人生の一部」と割り切って、これまで仕事を言い訳に諦めていたことに挑戦してみては? たとえば、趣味に没頭したり、あるいは副業をこっそり始めたりなど……。

今の会社以外で自分の居場所を見つけることができ、自分の中で仕事の存在価値が相対的に下がると、おのずと仕事に対する恐怖も薄らいでいきますよ。

4:まとめ

「仕事が怖い」という感情は、仕事に真剣に取り組んでいるからこそ生まれるものともいえます。そんな真面目なあなたが生き生きと仕事に取り組めるように、今回の記事が少しでも仕事への恐怖心の克服のヒントになれば幸いです。