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「恐縮ですが」を使いこなす!ビジネスで使える例文・類語・英語表現

松田優

松田優Y.Matsuda

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目次

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1:「恐縮ですが」を使う意味とは?

まずは「恐縮」の意味を知っておきましょう。辞書によると、

1 おそれて身がすくむこと。

「家畜伝染のやまいとあるから、われ人ともに、―はいたしましたものの」〈魯文・安愚楽鍋〉

2 相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと。おそれいること。また、そのさま。「恐縮ですが窓を開けてくださいませんか」「お電話をいただき恐縮しております」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

とあります。

つまり「恐縮ですが」は、相手へ何かお願いするときや謝罪をするときに、申し訳ないという気持ちを込めて使うことが多い言葉です。

2:「恐縮ですが」の正しい使い方

「恐縮ですが」は目上の人に使う言葉です。上司や取引先とのやりとりでお願いしたいことや、感謝を伝えたいとき、断りを入れる際などのワンクッションとして使います。「申し訳ありませんが」「すみませんが」よりも丁寧な言い方と考えていいでしょう。「大変」「誠に」などを前につけると、より申し訳ない気持ちを強調できます。

「恐縮」という言葉そのものに「思う」という意味が含まれるため、「恐縮に思います」「恐縮に存じます」などは二重表現になるので避けましょう。

3:「恐縮ですが」の英語や類語!「恐れ入ります」との違いは?

(1)「恐縮」の類語

「恐縮ですが」を多用すると、へりくだりすぎる印象を与えます。そこで「恐縮ですが」の類語も覚えておきましょう。

目上の人に感謝を伝えるときには「痛み入ります」、少し砕けた感じにお願いをするときには「申し訳ありませんが」や「お手数をおかけしますが」など。相手の好意が身に余る場合なら「恐れ多い」も使えます。

(2)「恐縮ですが」を英語でいうと?

「恐縮ですが」には広い意味があり、使用シーンによって英語での言い方は違ってきます。

まず、「Would you mind ~?」はお願いをするときに使えます。断りを入れるときは「I am afraid~」を使うといいでしょう。英語は直接的な表現を好むので、感謝の意を表す「恐縮です」の場合は「Thank you.」で大丈夫です。

(3)「恐縮です」と「恐れ入ります」の違いとは

「恐縮ですが」と「恐れ入ります」の違いは、書き言葉メインか口語メインかです。

意味や使い所はどちらも同じですが、「恐縮ですが」はメールなど書き言葉で使うことが一般的。会話の中で使うことも間違いではありませんが、どことなく冷たい印象を与えてしまうことがあるので、会話の中では「恐れ入ります」を使うといいでしょう。

4:「恐縮ですが」はどんなときに使う?ビジネスで使える例文5つ

(1)お忙しいところ恐縮ですが

取引先などにメールの返信を催促する際は、急かせて申し訳ない気持ちやお手数おかけして申し訳ないといった気持ちを込めて「恐縮ですが」を使います。

「お忙しいところ大変恐縮ですが、明日までにご返信を宜しくお願いいたします」

何度も同じ依頼をするときは「重ね重ね恐縮ですが」と、申し訳ない気持ちをより深く表しましょう。

(2)私事で恐縮ですが

「私事で恐縮ですが、来週は休暇を取らせていただきます」などと、突然休みを取るときや、長期休暇を貰うとき、取引先に休みの予定を伝えるときなどにも「恐縮ですが」が使えます。

休みの人の代わりに仕事をした事を取引先に伝えるときは「誠に恐縮ですが、○○が休暇をいただいているため、△△が担当させていただきます」という言い回しもできます。

(3)恐縮の至り

「至り」はある物事が最高の状態に達していることを表す言葉です。つまり「恐縮の至り」とは、この上ないくらい恐れ入るという意味になります。上司や取引先に気をかけてもらったお礼をするときに「お心遣いをいただきまして、恐縮の至りでございます」とすれば、とても感謝している気持ちを伝えることができるでしょう。

(4)高い評価を賜り、恐縮しております

仕事で良い評価をもらったときは「高い評価を賜り、恐縮しております」や「お褒めいただき恐縮でございます」といった表現ができます。

素直に「評価していただきありがとうございます」とするよりも、気恥ずかしさと謙遜を兼ね備え、自分なんぞを評価してくれて申し訳ないけどありがたいということを伝えられるでしょう。

(5)恐縮ですが何卒よろしくお願い申し上げます

ビジネスメールの締めの言葉として、よく使われる定型句があります。例えば、

「恐縮ですがご検討の程、何卒よろしくお願い申し上げます」

「大変恐縮ですが、ご理解いただけますようお願いいたします」

といった使い方。依頼やお願いだけを伝えるのではなく、クッションの役割をする「恐縮ですが~」を入れると失礼にあたりません。

5:まとめ

「恐縮ですが」は謝罪や依頼、感謝などいろいろなところで使える言葉。目上の人や取引先など、敬語表現を使うことが多いビジネスシーンでは便利なフレーズです。正しく使えれば相手への印象も良くなるので、使い方をしっかり覚えておきましょう。