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研鑽(けんさん)の意味は?使い方や例文、社会人にとって自己研鑽が重要な理由

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

目次

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1:研鑽とは?

(1)研鑽の意味

まずは研鑽の意味を辞書で調べてみましょう。

けんさん【研鑽】

学問などを深く究めること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

ビジネスの場では「自己研鑽」という言葉が使われますが、これは「仕事を究めるために自分を磨くこと」「究めるために自分で努力すること」といった意味になります。

(2)研鑽を英語で言うと

英語表現では「devote oneself to one’s studies」となります。「devote」には、時間などを捧げるという意味がありますが、物事を究めるためには時間もかかるので、これは納得できますね。例文を以下に挙げてみましょう。

We devoted ourselves to our studies day and night.「私達は日夜研鑽を積んだ)

(3)研鑽の類語

類語としては、「精進」や「切磋琢磨」が挙げられます。「精進」とはひとつのことに集中して励むという意味があり、「研鑽」に比べて、よりストイックに励むといったニュアンスがあります。

一方の「切磋琢磨」ですが、こちらは仲間同士で互いに励ましながら励むときに使うことが多いですね。どちらも、よく使う言葉ではないでしょうか。ある意味「修行」も近い言葉かもしれません。

対義語では「怠慢」で、「研鑽を積む」の反対は「怠慢を重ねる」。このほか、四字熟語では「無為徒食」があります。

2:研鑽の使い方・例文5つ

(1)「少しでも上位の成績が収められるよう研鑽します」

辞書には「学問などを深く究める」とありますが、勉強だけではなく、スポーツなど目標を立てて頑張る決意を示すときにも使います。次回の大会に向けて、スピーチをする場合の定番のフレーズといえるでしょう。

(2)「諸先輩を見習い、今後もより一層研鑽を積んでまいります」

仕事の場で使う例です。会議などで今後の抱負を述べる際に「研鑽」は最適な表現になるでしょう。課題に集中して、よりスキルを高めることを表現するために「積む」という言葉を加え、繰り返し行い深く究める姿勢を強調します。

(3)「技術向上のために、研鑽に努めます」

「努める」は「努力する」ということ。一生懸命、研鑽していくということが伝わる表現になります。

(4)「自己研鑽に怠らないようにします」

「研鑽」に「自己」という言葉をつけることにより、自分自身を積極的に高め成長させるという意味を強めることができるでしょう。管理職の訓示などでは、「キャリアアップのためには、自己研鑽を積むことが大切です」などと使われます。

(5)「目標に近づけるよう、研鑽に励んでまいります」

添える言葉としては「積む」以外に、表題の「励む」のほか、「重ねる」「務める」などがありますが、いずれも繰り返し行うというニュアンスとなり、より強い意識で行うことを相手に伝えるための表現になるでしょう。

3:社会人に自己研鑽が必要な理由3つ

(1)社会人として当然の行為

「サラリーマンは気楽な稼業と来たもんだ」と歌われたような時代もありましたが、今の企業は甘くありません。企業が社員に求めるのは、会社への貢献。給料はそのために支払われるものであり、仕事のスキルの向上、つまり自己研鑽を積むことは社会人として当然の行為といえるでしょう。

(2)自分の市場価値を高める

会社勤めをしている以上当然のことと言いましたが、これは勤めている会社のためだけではありません。自分のためにもなるのです。

その理由のひとつは、終身雇用制の崩壊。いつリストラに合うかわからない時世になりました。研鑽を積んで「デキる」社員になっていれば、会社が倒産でもしない限り、リストラに遭わずに生き残る可能性が高くなります。

また、スキルを身に付けていれば、自分から会社に見切りを付けて、より良い条件の会社に転職することも可能になるでしょう。そう、自己研鑽は、労働市場において自分の市場価値を高めることにも繋がるのです。

(3)資格取得も自己研鑽のひとつ

格言に「芸は身を助く」というものがあります。意味は、一芸に秀でていれば、いざというときに生計の足しになるということ。本業はもちろんのこと、何か専門性のある分野を究めていれば、何が起きても困ることは少ないでしょう。

例えば空いた時間を利用して勉強し、何かの資格を取ることも自己研鑽のひとつ。社会人にとって「専門性は身を助く」なのです。

4:まとめ

今の筆者は不良中年ですが、研鑽に励んだときもありました。学生時代に行政書士の試験にトライ。運良く合格したあと、ジャーナリスト、地方議員と、資格がまったく生かせない「宝の持ち腐れ」状態に。しかし選挙に落選したときにこの資格が生きて、仕事をすることができました。

自己研鑽を積めば、いつかきっと実になるときがくると、身を持って体験しました。もっとも、そうした経験がありながら、今も研鑽に励んでいるとは言えませんが……(苦笑)。口で言うのは簡単でも、強い意志がないと、自己研鑽するのはなかなか難しいものです。