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ギブアンドテイクの関係とは?意味と仕事エピソード

水野 文也F.Mizuno

目次

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1:ギブアンドテイクの意味は?反対語

(1)意味は?ウィンウィンとどう違う?

「ギブアンドテイク」の意味は、日本語でいうなら、「持ちつ持たれつ」となります。直訳すると「お互いに与えあう」という感じでしょうか。「ギブ(give)」=「与える」、「テイク(take)」=「受け取る」という構成するふたつの言葉やその順番から、「貸し借りなし」というニュアンスに感じますが、正しくはそうではありません。

英語で「give and take」というと、その意味は、日本語のそれとは微妙に異なり、与えることを重視するとともに、見返りを求めるような打算的な意味は含まれません。一方、「Win-Win」は、自分も相手も(第三者も)得するような取引や行動のことを指す言葉です。

(2)類語はバーター?

類語として「バーター(Barter)」が挙げられます。しかしこれは、物々交換から転じて、交換条件などのことを指す言葉です。「give and take」が取引行為そのもので使われることが多いのに対して、「Barter」は取引の条件として使われることが多いかもしれません。

例えば、売れ筋のものと人気のないものを組み合わせて、「抱き合わせ」で売買取引をすることも、バーターの一種といえそうです。「手に入りにくい人気商品を売るから、条件としてこっちも一緒に買ってくれ」といった感じでしょうか。

「ギブアンドテイク」の類語としては、上記の「ウィンウィン」のほか、「相互利益」「互恵」、ふたつ以上の別のものを両立させる「共存共栄」などが挙げられます。また、「五分五分」も同じニュアンスといえるでしょう。これは英語では「fífty fífty(フィフティ、フィフティ)」となり、そのまま日本語としても通用しますね。

(3)反対語は?

「見返りを期待する」という意味での「ギブアンドテイク」の反対語を考えるのなら、「見返りを求めない」となり、英語では「Expect nothing in return」となります。これは、ある意味、ビジネス上ではスゴイことといえるかもしれません。

一方、「ウィンウィン」の反対語では、助け合った結果、いずれもダメになってしまう「共倒れ」や、対立したままで決着がつかない場合の「痛み分け」などが挙げられます。

英語の「Win-Win」の反対語としては、どちらかが勝つ「win-lose」「lose-win」、どちらも負ける「lose-lose」のほか、「no deal(失敗)」などがあります。

2:これがギブアンドテイクの関係!会社エピソード3選

(1)普段助けてもらっている先輩にお返しをしよう!

何かと、先輩のBさんに仕事を手伝ってもらっている新人のAさん。今日は、いつもはテキパキと仕事をして定時にはほぼ片付けているBさんが、青い顔をしながら残業をしています。

Aさん「今日は残業ですか?珍しいですね」

Bさん「明日の新商品発表まで資料作らないと間に合わないのよ」

そんなときは、普段の「お返し」をするチャンスかもしれません。もちろん、資料の内容までは踏み込めませんが、手間ひまかかる作業なら助けられるかも。資料の綴じ込みやプリントなど、時間を要して面倒な作業を手伝いました。

Bさん「助かったわ。綴じるの大変だから」

Aさん「いつも助けて頂いていますから」

Aさんは、見返りを求めてBさんを手伝っているのではないと思います。もしそうであっても、いつもの手助けに感謝したいという気持ちはBさんにとって嬉しいものでしょう。これが、職場の人間関係を良くする「ギブアンドテイク」の例です。

(2)妥協点を見つけて「ウィンウィン」に

取引をする際は、どの会社も自分が優位に進めたいもの。しかし、お互いが自社の利益だけを考えて交渉を続けていると、平行線のままで、取引は成立しません。

そこで登場するのが「利益と不利益をそれぞれ被る」という意味の「ギブアンドテイク」。お互いに譲れるところは譲る、つまり妥協点を見つけることで、ビジネス上で「ウィンウィン」の関係を築くことができます。

例えば、商材を購入する際、買い手は何とか値切ろうとしますが、それでは売り手の利益が少なくなるのでまとまりません。しかも、買い手は価格だけではなく、納期についてもライバル会社より早く販売してビジネス上で優位に立ちたいと考え、早い納期を求めます。しかし、売り手は生産面で、その分コストがかかるなど無理をしなければならず、通常の納期を主張します。

ここで、売り手、買い手は「値切らない代わりに納期を早くする」としました。買い手は仕入れ値を抑えることはできませんが、早い納期により販売で優位に立ち、一方、売り手も生産現場に負担をかけるものの、利益を減らさず確保……譲り合うことでお互いビジネスチャンスを潰さず、「ウィンウィン」となるケースです。

(3)「汗は自分でかきましょう、手柄は人にあげましょう」

これは政治の話ですが、ビジネスの世界にも通じるものがあるので、この発言を覚えておいて損はないでしょう。

これは、気配りの政治家として知られた故・竹下登元首相の言葉です。自分で頑張った成果を人に手柄としてあげる。「ギブアンドギブ」になるので損なのでは?と思うかもしれません。確かに、一時的には損です。ところが、手柄をもらった人はどう思うでしょう。いつか、必ずもらったことに感謝し、恩返しをしてくれる可能性があります。

この言葉を実践する形で、政界で確固たる地位を築いた竹下氏は、ついに総理大臣の座を射止めたのです。「損して得取れ」ということわざがありますが、まさに、その好例でしょう。長い目でみれば、これも「ギブアンドテイク」といえるかもしれません。

3:ギブアンドテイクの関係を求めてはビジネスは成功しないってホント?

「ギブアンドテイク」という言葉には、どうしても「貸し借り」という打算的なイメージや、「見返りを求める」といった、ネガティブな印象があります。

確かに、あからさまに「ギブアンドテイク」を強調すると、相手は良い印象を持ってくれないかもしれません。いかにドライなビジネスの関係といっても、やはり生身の人間同士。抽象的な表現となってしまいますが、相手の「気持ち」を慮らないと、最初は良くても、いずれは行き詰る可能性があります。

そもそも、英語の「give and take」には、「見返りを求める」のように打算的なイメージはありません。長い目で見た場合、相手に尽くすことを最初に考えたほうがいいでしょう。

人間には、何かをしてもらったときに、お返しをしたいという気持ちになる「返報性の原理」という性質があるといわれています。つまり、人は誰かに頼りっぱなしだと落ち着かない気分になって、いつかお返しをしたいと思うようになります。前項で挙げた「汗は自分でかきましょう、手柄は人にあげましょう」はそれを実践したものといえます。

最初に「give」を考えると、自分だけが損した気分になるかもしれません。しかし、それは決して無駄にはならず、相手の中にはあなたに対する好意が蓄積され、それが仕事上の大きな財産になってくると思います。

4:まとめ

「ギブアンドテイク」は決して悪い言葉ではありません。しかし、やはり露骨に「見返り」を求めているように思われてしまっては、やがてマイナスが大きくなると思います。なかなかできることではないながら、長い目でみれば「手柄は人にあげる」のがいちばんなのかも。

ちなみに、「汗は自分でかきましょう、手柄は人にあげましょう」は、そのあとに「そしてみんな忘れましょう」と続きます。う~ん、ますます簡単にはできないかもしれませんね(笑)。