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「ひいては」と「しいては」は同じ意味?それぞれの意味と例文で学ぶ使い方

水野 文也F.Mizuno

目次

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1:「ひいては」と「しいては」の意味は?

(1)それぞれの意味

「ひいては」は漢字では「延いては」と表し、意味は「それが原因となって」「それが押し進められて」「それが引き金となって」となります。ふたつの原因をつなげる言葉とイメージしていいでしょう。

一方の「しいては」ですが、これは文法的には正しい言葉ではありません。「しいて(強いて)」という「強制する」を意味する言葉。慣用的に使われていますが、「しいて言えば」とするのが正しい用法です。

「しいては」が「ひいては」の誤用とも言われていますが、これは「し」と「ひ」が区別しにくい江戸言葉(えどことば)が関係しているとの説もあります。いずれにしても、まったく違う意味の言葉として理解しておきましょう。

(2)「ひいては」は「つきましては」と同じ意味?それぞれの類語

似た言葉に「つきましては」がありますが、前に述べたことを発展させる言葉で、原因をつなぐ「ひいては」とは、ややニュアンスが異なります。これまで話をしてきた内容をもとに、次の話題に移るときなどに、接続詞のように使います。

類語としては以下のとおりになります。

「ひいては」の類語は、「そのため」「その結果」「さらに」など。「つきまして」は「ですので」「従って」の他、接続詞として「そこで」があげられます。

(3)それぞれの英語での言い方

「ひいては」の英語表現は、ケースごとに以下を使い分けるといいでしょう。

「not only A, but also B」AだけではなくBも

「in addition to A, B」Aに加えてBも

「A, as a result, B」A結果としてB

「A eventually B」A最終的にはBも

「A then B」AそしてBも

「A furthermore B」AさらにBも

いっぽう、「しいて」の 英語表現は「force to do」となりますが、「しいて言えば」と仮定形で使う場合は「if」 を使って、「if I’m forced to say」を話の冒頭にします。

2:「ひいては」を使うタイミングと注意点3つ

(1)接続詞のように使う

「ひいては」は、文法上で副詞となります。ただ、一般的には接続詞のように使うことが多いでしょう。例えば、以下に示したように「そうしたら」「それで」など日常用語に置き換えると、わかりやすいと思います。

「自分に厳しくする、ひいては、それが自分のためになる」→「自分に厳しくする、そうしたら、自分のためになる」

(2)目上に対しても失礼ではない

「ひいては」は敬語や丁寧語ではなく、敬語や丁寧語にすることもありません。ですが、公文書や論文などでも使われている正しい言葉であるため、目上の人へ使って失礼になることはありません。

(3)スピーチなどで使える言葉

ビジネスの場でも「ひいては」を使いますが、どちらかといえば、改まった場で相手が複数の場合、会議やスピーチなど大勢の人の前で使うことが多いでしょう。1対1の会話や、日常会話の中ではあまり使いません。

これは「ひいては」の後に、話す人の要望や願い、考え方など強調したい内容が含まれるためです。多くの人に訴えたいとき、それを強調するのに最適な言葉となります。

3:ビジネスで「ひいては」はこう使う!例文3つ

(1)「今回の不祥事は管理不足が原因だが、ひいては、システム不備に問題があったとの意見に繋がった」

「Aを原因としてBという結果を生み出す」というパターンの例文です。「ひいては」を「結果的に」という言葉で置き換えられます。

(2)「今回の不祥事は信頼の失墜、ひいては今後の経営に大きく影響する」

「Aを原因として、Bに広がる」というパターンの例文で、この「ひいては」を「さらに」という言葉に置きかけても意味が通じます。

(3)「今回の不祥事の経緯を明らかにすることは、事態の終結だけでなく、ひいては信頼を取り戻す機会となるだろう」

「AによってB1、B2と事態が進展する」というパターンの例文です。「ひいては」の代わりに「事態の終結に留まらず」と置き換えれば、わかりやすいでしょう。

4:まとめ

よく「ひいては事を仕損じる」と言われますが、これは「せいては(急いては)」の誤り。日本語には、似た音感で間違いやすい言葉というのが、たくさんあります。今回の「ひいては」と「しいては」もまったく違う言葉なので、使い方に気をつけてくださいね。