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勿忘草の花言葉が怖い?花言葉の意味・由来と見頃の季節
水野 文也F.Mizuno
1:勿忘草の名前の由来は?英語名も
勿忘草は「わすれなぐさ」と読みます。このちょっぴりロマンテックな名前は、ドナウ川の悲恋伝説に由来しています。学名はというと、「ミオソチス・スコルピオイデス(Myosotis scorpioides)」。スコルピオイデスは「サソリに似た」という意味です。
ちなみに、「勿忘草」を和式で表記すると「忘れな草」となり、いずれも意味は「忘れないでの草」となります。
英語でも「forget-me-not(私を忘れないで)」といいます。やはり、世界的にもこの悲恋伝説からきているようですね。
最初にこの花の名をつけたのは、ドナウ川の悲恋伝説があるドイツだといわれます。その花言葉「Vergiss mein nicht(私を忘れないで)」にちなみ、ドイツ語名でも「vergissmeinnicht(フェアギスマインニヒト)」となります。
その他、フランス語は「ne-m’oubliez-pas(ヌムブリエパ)」、スペイン語は「nomeolvides(ノメオルビーデス)」、イタリア語は「non-ti-scordar-di-mé(ノンティスコルダルディメ)」とそれぞれ表記し、意味はやはりすべて「私を忘れないで」となります。
このように、世界中で呼ばれる由来となった「ドナウ川の悲恋伝説」については、以下でご紹介します。
2:勿忘草の花言葉は?意味も
(1)「私を忘れないで」
「勿忘草」の花言葉は、名前の由来となっている「私を忘れないで」以外にも、「真実の愛」などがあります。このほか「真の友情」もあり、原産地でもあるヨーロッパでは、勿忘草を友情にたとえて贈る風習もありました。
(2)ドナウ川の悲恋伝説
世界中でこの花が「私を忘れないで」となった由来とされる、ドナウ川の悲恋伝説をご紹介しましょう。
若い騎士・ルドルフが、恋人ベルタのために岸辺の花を摘もうとしたところ、誤って川の流れに飲まれてしまい、最後の力を振り絞り「私を忘れないで」と花を岸に投げながら死んでしまいました。
そのときにルドルフが残した花こそが、「勿忘草」なのです。
(3)贈られて怖いと思うのは?
「私を忘れないで」という意味のこの花を、自分のパートナー、愛する恋人や親友から贈られると、花言葉の意味から嬉しく思うことでしょう。
ところが、そうではない人から贈られたらどうでしょう。ちょっと怖いと思うかもしれません。それほど親しくない人、片思いの人などに送ると、重すぎる、しつこい……といった印象を与えてしまう可能性も否定できません。
そうしたイメージから、勿忘草=怖い花という印象も広まったようです。でも親しい間柄で贈るなら、決して怖い「花言葉」ではありません。
3:勿忘草が見頃な季節は?勿忘草の基礎知識
(1)春から初夏にかけて咲く花
花の色は薄青、紫が多いですが、園芸種では白、ピンクなどもあり、日本では4月から6月頃、春から初夏にかけて花を咲かせます。
草丈は15〜50cm、花径が8mm程度くらいの小さめな花であることが特徴でしょう。
(2)暑さに弱く夏に枯れる
ヨーロッパ原産のためか、暑さに弱いのも特徴。日本では花を咲かせた後に枯れてしまうことが多く、もともとは多年草なのですが、日本では一年草として扱われています。
(3)育てるなら秋に植え付けをする
冷涼な地域を除いて、日本では夏を越せない場所がほとんどのため、園芸として自宅で楽しむ場合は、秋に植え付けるようにしましょう。また、蒸れや湿気に弱いので、水はけの良い土に植えるようにします。
4:勿忘草に関する歌
勿忘草に関する歌としては、若くして亡くなった尾崎豊さんが10代最後に書いた「Forget-me-not」というタイトルのバラードがあります。
このほか、沖縄出身のミュージシャン、MONGOL800のアルバム『GOOD MORNING OKINAWA』の収録曲に「forget me not ~勿忘草~」があります。
古い世代では、菅原洋一さんが1971年の紅白歌合戦で歌った「忘れな草をあなたに」がおなじみでしょう。
5:勿忘草色とはどんな色?
勿忘草の花の色は、自然界では薄青、紫と淡い色でおなじみです。園芸種では白、ピンク、黄などもあり、花冠の喉に黄色・白色の目を持つのが特徴です。
6:まとめ
筆者は若いとき、恋人でもない知人女性からプレゼントにネクタイをもらい、センスのいい柄だったのでよくつけていたら、友人から「お前、それヤバイぞ。ネクタイを贈るっていうのは、“首ったけ”っていう意味じゃん」と言われて真っ青に。
そういうプレゼントに込められた意味を聞くと、タイミングよっては「重い」と感じることもあるのではないでしょうか。というわけで、親しくなる前に「勿忘草」の鉢植えなど贈るのはやめたほうがよさそうですね。