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「言及」はビジネス用語?類語とよくわかる例文

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

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目次

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1:「言及する」の意味・読み方・類語は?「言及する」を英語でいうと…

(1)意味と読み方

言及の意味を辞書で調べてみると、下記のとおりです。

言及

「いいおよぶこと。話がある事柄までふれること」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「言い及ぶ」だとわかりにくいですが、簡単にいうと「~について話す」という意味。新聞記事などでよく見かける言葉です。がっつり話題にあげるというよりは、軽く触れるくらいのニュアンスが含まれています。

読み方は「ごんきゅう」ではなく、「げんきゅう」と読みます。

「言及」の「及」は、訓読みでは「及ぶ」となり、これが使われている熟語としては、「波及」「普及」などがおなじみですね。

(2)類語

「言及する」の類語としては、「取り上げる」が最も近いかもしれません。さらに、「話題にする」「述べる」「(話に)触れる」などのほか、俗語としては「ネタにする」もあります。

「及」の字を使った「論及」もありますが、これには、しっかりと論じる(議論する)という意味があります。なので、軽く話題として取り上げるようなときの表現としては適しません。「論及」は、自分の意見などを交える際に使いましょう。

(3)英語でいうと?

英語で「言及する」は「refer to」。これには、「言及する」以外にも、「取り上げる・参照する」といった意味があります。例文を以下に示してみました。

「I refered to the accident in a conversation.(私は事故について言及した)」

同じ意味の言葉としては「mention」もありますが、こちらは軽めに触れるというニュアンスの言葉。「Don’t mention it(どういたしまして)」という慣用句でもおなじみです。

2:「言及する」ってどういうときに使うの?3つ

(1)ニュースで多用される言葉

「~に言及する」を多く聞くのは、新聞などの政治に関するニュースではないでしょうか。記者会見の内容で、何をしゃべったかを説明するときに重宝されていて「~について話す」「触れる」という意味で使われています。政治に関するニュースでよく聞く表現としては、例えば「大臣の進退問題について言及する」などという表現があります。

(2)かしこまったシーンで使う堅い表現

「言及します」は、「〇〇大臣が〇〇の件について言及しました」などのテレビのニュース番組以外、話し言葉として使われることはほとんどないでしょう。

ビジネスシーンなど、かしこまった場面で使われることが多いですが、「~について述べます」「~に関して取り上げました」などと表現することも多いです。

(3)敬語は「言及される」

「する」の尊敬語は「される」「なさる」。つまり、「言及」という言葉を、目上の人を対象にして使う場合は「言及される」となります。

社内会議のプレゼンで、社長など役員の発言を内容に盛り込む場合、「社長が〇〇について言及されましたとおり」と表現します。「社長が取り上げたとおり」では、その場に社長がいなくても失礼にあたるでしょう。「言及されました」とすることで、「おっ、言葉遣いがしっかりしているな」と評価されるかもしれません。

3:ビジネスで「言及」を使う際の例文3つ

前項で取り上げた「社長が〇〇について言及されました」のように、「~について話す」という意味以外の使い方を、以下に例文で示してみました。

(1)「原因についても言及すべき」

「言及すべき」というと、「言うべき」「取り上げるべき」という意味になります。例えば「レポートでは対策だけでなく、原因についても言及すべきだ」というように、報告する際に必須になる項目をあげる場合に使います。

(2)「言及する必要はない」

「言及すべきこと」とは反対の意味で「言わなくてもよいこと」を示すときに使います。例えば、事情を知らない人が取り上げると混乱する恐れもあるので、「担当者以外、言及する必要はない」と表現するケースも。担当者以外は触れるべきことではない、といった意味になります。

(3)「言及を避ける」

「先方の確約を得ていないので会議での言及を避ける」「核心部分の言及は避けた」などもよく使われるフレーズ。これはつまり「話さない」という意味であり、もう少し突っ込むと「あえてその話題には触れない」という意味に。積極的に、話の中で取り上げないというニュアンスがあります。

4:まとめ

報道の世界では、いわゆる話し言葉を堅い表現に置き換えますが、ビジネスの世界においてもそれは同じこと。つい普段、使っている言葉が出てしまいがちですが、公私をきっちり切り替え、「デキる」自分を演出しましょう。