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「心遣い」の意味や類語、英語表現の仕方は?使い方や例文を紹介

松田優

松田優Y.Matsuda

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目次

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1:「心遣い」とは?

そもそも「心遣い」とはどんなことをいうのでしょうか。意味と類語、英語表現を見てみましょう。

(1)心遣いの意味

まずは「心遣い」の意味から見ていきましょう。

心遣い(読み)ココロヅカイ

1 あれこれと気を配ること。心配り。配慮。「温かい心遣い」

2 祝儀。心付け。「目をかけて、―もせし人を」〈人・梅児誉美・四〉

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「相手のために気を配り、心を尽くすこと」という意味で使われます。また、ご祝儀や心付けなどを出した際に、そのお金に対して「お心遣いをありがとうございます」とお礼をすることもよくあります。

(2)心遣いの類語は?「お気遣い」や「気配り」との違い

「心遣い」の類語には、「配慮」「心配り」「気配り」「気遣い」などが挙げられます。使い分けは、「配慮=慮る」「心配り=相手のためにと心を働かせる」などの差があります。

また、「お気遣い」「気配り」には、「心遣い」には含まれない意味が含まれています。

き‐づかい【気遣い】

1 あれこれと気をつかうこと。心づかい。「どうぞお気遣いなく」

2 よくないことが起こるおそれ。懸念。「情報が漏れる気遣いはない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

き‐くばり【気配り】

あれこれ気を使うこと。手抜かりがないように注意すること。心づかい。配慮。「気配りが行き届く」「会場の設営に気配りする」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「気遣い」には「良くないことが起こるおそれ」、「気配り」には「手抜かりがないように注意する」という、守りの意味も含まれています。

(3)心遣いを英語でいうと?

心遣いを英語でいうと、以下のようになります。

こころづかい【心遣い】

consideration; thoughtfulness

親切な心遣いを示してくれた

He showed kind consideration for me.

お心遣いを感謝します

I appreciate your thoughtfulness.

出典:プログレッシブ和英中辞典(小学館)

他にも、「regard」「heed」「attentiveness」「paying attention」「anxiousness」「anxiety」などの表現があります。

また、堅い表現としては、「solicitude」という言葉も。「I am obliged to you for your solicitude in my behalf―interesting yourself in my welfare.(種々の厚いお心遣いにあずかり、ありがたく存じます)」というように使われます。

2:どんなシーンで使う?「心遣い」を使った例文5つ

では実際に、どんなシーンで使えるのでしょうか。「心遣い」を使った例文をシーン別に、5つご紹介します。

(1)お心遣いいただき、ありがとうございます。

相手から受けた親切や厚意に感謝する、もっともメジャーで馴染みのあるフレーズが、「お心遣いありがとうございます」でしょう。

「お心遣いいただき、ありがとうございます。おかげさまで無事に完了することができました」「日程の件、お心遣いいただきありがとうございました」といったように、相手が自分のために心を尽くしてくださったことにお礼を伝えたいときに使います。

(2)お心遣い、感謝いたします。

この度は、お心遣いいただき、感謝いたします」「家庭の事情についてお心遣いいただき、感謝いたします」のように、「お心遣いありがとうございます」を、より丁寧に言い換えたいシーンで使える表現です。

目上の方や取引先、より職位の高い上司などに対して、感謝の気持ちを伝えたいときに適しているといえるでしょう。

(3)お心遣いいただき、恐縮です。

「恐縮です」も、さまざまな言葉と組み合わせて使われるケースが多いですが、「お心遣い」ともよく併せて使われます。「恐縮です」は堅めの言葉なので、目上の人に対して使われる印象が強いでしょう。

「こちらのスケジュールにもお心遣いいただき、恐縮です」「私の体調までお心遣いいただき、恐縮です」というように、「もったいないほどにありがたい」という気持ちを表すときに使えます。

(4)お心遣いの数々、誠に痛み入ります。

上司に限らず、例えばセミナーや会議などでよく利用する施設からの心遣いを、思いがけず受けることもあるでしょう。

「先日は大変なご配慮をいただきまして、誠にありがとうございました。平素より、お心遣いの数々、誠に痛み入ります」のように使うことができます。

どちらかというと、口頭よりも、メールや手紙などでお礼を伝える際に使うことが多い表現でしょう。

(5)お心遣いのお蔭で、快適に過ごすことができました。

こちらの都合で、相手に特別な対応をしてもらったときなどに使える表現です。例えば、体調を理由にセミナーの席順を配慮してもらったり、会食の際のお料理をアレルギーに配慮したものに変更してもらったり……。

些細なことではありますが、どうしても必要なために手間をかけてしまったときなどに、「お心遣いいただきましたおかげで、良い時間を過ごすことができました」と、さらっと伝えられたら素敵ですね。

3:ビジネスにおいて「心遣い」を使うときの注意点3つ

さまざまなシーンで使うことのできる「心遣い」ですが、ビジネスで使う際、どのようなことに注意が必要なのでしょうか。3つ挙げてみました。

(1)目上の人に対して使うのはOK

「心遣い」を使用するときは、たいていの場合「お心遣い~」というかたちになるでしょう。目上の相手が心を配ってくれたことについての敬語表現が「お心遣い」です。相手を敬う表現のため、目上の人への心証もよく、安心して使うことができます。

丁寧でかしこまった印象が強い表現のため、誤りというわけではありませんが、同僚や部下に使うのにはあまり適しません。もっとくだけた言葉に言い換えても良いでしょう。

(2)報告書等のビジネス文書にはNG

報告書やその他のビジネス文書、論文などには、音読みの熟語が多く使用されています。

そのためか、こういった実務的な文書には、訓読みである「心遣い」はふさわしくないとされています。同様の表現をしたい場合は「配慮」など音読みの熟語に置き換えるのがベターです。

ただし、メールや手紙には使うことができ、文章に和語のやわらかさを持たせることができます。奥ゆかしさや品の良さを感じさせるメリットになるとの見方もあります。

(3)「お心遣い」=「真心」「おもてなし」である

「心遣い」は「思いやり」や「相手に対して心を尽くす」という意味合いの強い表現です。

そのため、利害関係が発生することが常であるビジネスシーンで感謝をする場合は、「心使い」よりも「お気遣い」や「配慮」などのほうが多くなるでしょう。

とはいえ、「お心遣い」というのはやわらかい響きで耳ざわりも良く、立場や世代を問わず広く使える便利な言葉です。

4:まとめ

「心遣い」は優しい響きだけでなく、敬語表現にすると、受け手の奥ゆかしさや謙虚さも感じさせる、穏やかで素敵な言葉です。

シーンを問わず心遣いを受けたと感じたときには、この記事を思い出して、スマートかつ上品に感謝を伝えてみてくださいね。