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話のネタが豊富=会話術ではない?好感度が上がる会話術のポイント

松田優

松田優Y.Matsuda

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目次

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1:会話術を身につけると人生も好転する?!

会話上手な人は、いつもにこやかだったり、人当たりがよくて穏やかだったり、いつも周りに人がいたりなどして、人間関係が円満そうな印象がありますよね。中には八方美人のように感じる人もいるかもしれませんが、たいていはいいイメージではないでしょうか。

人生の悩みごとのほとんどが人間関係によるものだという説もあるほど、人間関係が人生に与える影響は大きいもの。会話術を身につけて、円満な人間関係を築くことができれば、自分の理想の人生に大きく近づくことができるでしょう。

2:そもそも会話術とは?

会話は日常的にしているけれど、会話における「術」を意識したことはない……という人が多いはず。会話術とはいったい何なのかを調べてみました。

(1)会話術の意味

「会話術」という単語は辞書にはありませんでしたので、元となる「会話」と「術」の意味を見てみましょう。

かい‐わ【会話】

複数の人が互いに話すこと。また、その話。「会話を交わす」「親しそうに会話する」「英会話」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

じゅつ【術】

1 人が身につける特別の技。技術。「剣の術」

2 手段。方法。てだて。すべ。「もはや施す術もなし」

3 策略。計略。はかりごと。たくらみ。「術をめぐらす」

4 人知をこえた不思議なわざ。忍術・魔術・妖術など。「透視の術」「奇怪な術をつかう」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

上記の意味を踏まえると、一般的には、会話を円滑にする話し方や聴き方など、良好な人間関係を築くための技術が「会話術」とされています。

また、コミュニケーションが苦手だと感じている人が、最低限必要なコミュニケーション能力を、後天的に身につけるために必要な普遍的な方法のことを指す場合もあります。

(2)会話術はネタが豊富とは違う

会話をするにはネタがたくさん必要だと思いがちですが、実はネタが豊富なだけでは会話術を身につけているとはいえないのです。

会話術は意味のとおり「技術」であり「方法」です。そのため、会話のネタがいくらあっても、会話がぶつ切りで、いくつものネタを乱発したり、そのネタについて自分ばかりが語ってしまったりしては、「円滑なコミュニケーション」とはいえませんよね。

相手に気持ちよく話をしたり聞いたりしてもらうためには、ネタの豊富さよりも、会話の方法を考えたほうがいいでしょう。

3:好感度が上がる会話術のポイント5つ

会話術とは何かを理解したところで、どのようにすればうまく使うことができるのでしょう。好感度が上がる会話術のポイントを、5つ挙げてみました。

(1)話す3割、聴く7割

会話が上手な人は得てして「聞き上手」なもの。相手と会話するときはまず聞き手に回るくらいの気持ちで始めましょう。でもただ聞いているだけでは、会話にはなりませんね。相手が気持ちよく話せるように、邪魔にならず続きを促す相槌や、もっと話したくなるような質問の仕方などを学んでおくといいでしょう。

自分が話す側の立場になったときに、気持ちよく話をさせてくれる人には、好意的な気持ちになり、どんどん話してしまいたくなりますよね。それは相手にとっても同じことなのです。

(2)わかりやすく話す

会話のスタイルにはさまざまなものがありますよね。その中で最優先で選ぶべきは、「相手にわかりやすく話す」方法です。自分は全貌が見えた状態で話していても、相手は同じ情報をもっているわけではないために景色が見えずきちんと伝わっていない、というようなことは、起きがちな問題です。

自分の中に10ある情報を、相手は2くらいしかもっていないこともあります。相手はほとんど知らないつもりで話していけば「それって〇〇ですよね」と、会話が膨らむかもしれません。

(3)質問はオープンクエスチョンで

相手に質問するとき、「はい」「いいえ」で答えられる質問をすると、そこで話が途切れてしまうことがあります。これを避けるためには、「この週末はどう過ごされましたか」というように、「週末は気になっていたカフェに行きました」「家でゆっくり過ごしました」など、次の展開につながる返答を得やすい質問をします。これをオープンクエスチョンといいます。

会話が途切れて妙な間ができると、相手に「何か話さなきゃ……」と気を遣わせてしまうことも。自然と話が展開していくような質問をするといいでしょう。

(4)幅広い会話ネタをストック

「どんな相手にも対応できるネタ」をストックしていることも大切です。仕事のこと、知人のこと、ニュースや旅番組など、面白そうだと思ったことは、スマホでも手帳でもいいので、メモをしておく。時間のあるときに、このネタはこんなふうに話したら相手の話も引き出せるかなというように、少しシミュレーションをしておくと、すんなりと会話を進めることができるでしょう。

日ごろからアンテナを張って、会話のネタになりそうな出来事を、自分の中にストックしておくといいでしょう。

(5)相手を楽しませることを念頭に

お互いに会話を楽しんでこそ、良い人間関係が構築されていきます。大切なのは、まず相手を楽しませること、相手に楽しんでもらえる雰囲気を作り出すことです。先に挙げた4つのポイントを押さえていれば、相手に妙な気を遣わせたり、不快な気持ちにさせたりすることはないでしょう。

相手からの好感度を上げることは、自分の中で大切かもしれません。しかし、好かれたくてする行動には、どこかで歪みが生まれるもの。大切なのは「お互いに楽しい時間を過ごせる関係を築くこと」と意識しておくといいでしょう。

4:心理学に関するものも!会話術のおすすめ本3選

もっと網羅的に会話術について理解を深めたいときにおすすめの、会話術に関連する本を3冊ご紹介します。

(1)『「言葉にできる人」の話し方』~15秒で伝えきる知的会話術~(齋藤孝)

テレビなどでも活躍する、明治大学教授の齋藤孝先生の著書です。長く会話を展開する場面だけでなく、例えば飲み会や、エレベーターで乗り合わせたりなどの、短い会話が必要なシーンもありますよね。

そういったときに、瞬発的に対応できるような会話術の知識を得ることができます。ボキャブラリーを増やし、教養を広げるためのアウトプットについても書かれているので、会話ネタのストックだけでなく、表現についても学びがある内容です。

(2)プロカウンセラーの共感の技術(杉原保史

臨床心理学者で京都大学教授の杉原保史先生の著書です。プロのカウンセラーが、相手に共感することで相手の内側に潜む心の声を引き出していくための技術や考え方が書かれています。

傾聴に必要な方法や考え方などもプロの視点から書かれており、カウンセリングだけでなく、相手との距離感や会話の方法について考えたいときにも役に立ちます。コミュニケーションや対人関係を良くしたい人におすすめの一冊です。

(3)できる大人のモノの言い方大全(話題の達人倶楽部)

話題の達人倶楽部著作のこの本は、ちょっとしたモノの言い方で、相手の受け取り方や、発言した自分の印象の変化について著述されています。

社会で人と関わる大人として、どのようにモノを言えば、ことが円滑に進むのか、相手に良い印象を与えられるのか。また、自分がどういう人間だという印象をもたれるのかなどを知り、実践することで会話術をより洗練されたものにできるでしょう。

5:まとめ

「会話術」の正しい意味や方法などをご紹介しました。上記の5つのポイントを参考に、本を読んでみるなどして知識を深めてみてください。よく目にする言葉だけに、正しく理解して実践することで、周りに大きな差をつけることができるはずです。