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「人それぞれ」がわからない!主語が大きい「シュゴデカウルス」になってない?

手嶌 ユリ

手嶌 ユリ

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1:勝手に決めつけて、一般論みたいな言い方する人がうざい!

個人の意見なのに、あたかも一般論のように語ってしまう人っていますよね。「日本人はさぁ、熱しやすくて冷めやすいじゃん」とか「女って優しくされるだけだと、物足りなくなっちゃう生き物だよね」とか……決めつけも激しい。「それ、あなたの意見でしょ」と心の中でツッコみたくなります。

あとは「関西人なのにおもしろくないね」とか「男のくせに少食なんだね」とか……。挙げればキリがありません。

ポジティブなことならまだしも、否定的な意見を述べるときに、「みんなこう思っている」みたいな言い方をすると、議論になりづらく、聞いていてなんだかモヤモヤしてしまいます。

2:シュゴデカウルスの特徴3つ

注目のクリエイター・氏田雄介さんが原案を手がけた話題の書籍『カサうしろに振るやつ絶滅しろ!』では、こんなふうに個人の見解を、大きな主語にして話す存在を、白亜紀後期の草食恐竜「パキケファロサウルス」に見立てて、「シュゴデカザウルス」と命名。では、その生態を見ていきましょう。

(1)決めつけが激しい

多様性が求められる時代なのに、それに逆行するかのような決めつけ。「シュゴデカウルス」の頭の中は、白亜紀で止まってしまっているのかも。「ひとりひとりが違う」「個性を尊重」という概念はわかっていても、「世間はそういうけどさ」などといって直面せず、結局は決めつけで物事を判断しがちです。

(2)何でも知ったかぶり

頭でっかちで、何でも知っているかのように話すのが「シュゴデカウルス」の特徴。それも偏った知識なのに、さも正解のように語ってしまうのです。そして人の意見や新しい考えを素直に受け入れられません。その結果、「私はこう思う」といえず、「世間はこう思っている」という話し方になってしまうのです。

(3)匿名性の高いSNSに生息

SNS、特にTwitterや掲示板は匿名性が高く、「シュゴデカウルス」が一般論を語るのには絶好の場です。著名人のゴシップに対しても「女性は絶対にアイツを許さない」「世間は一生忘れない」などといった、めちゃめちゃ主語が大きい書き込みもよく見られますよね。

3:いるいる!私の周りのシュゴデカウルスエピソード3つ

(1)社会人だからおごってくれて当たり前

「社会人の彼氏と付き合っている友達がいるんですが、話を聞いているとけっこうヒドイ。“社会人なんだから、デート代は全部出してくれて当たり前でしょ”とか“男なんだから、財布出させるなんてカッコ悪いよね”とか、平気でいうんです。

彼氏がお金持ちなのかなって思っていたら、新卒で社会人1年目だって。いやいや、そんなにお金ないでしょ。むしろ実家暮らしでバイトめっちゃしてるアンタのほうがお金あるよ。たぶんもうすぐ振られますね」(Sさん・22歳女性/大学生)

(2)日本人なのに大人しくないね

「私はサバサバした性格で、自分の意見とかもハッキリ言うタイプ。それでよく職場の人から”帰国子女? 留学してたとか?”とか言われることが多いです。いや、バリバリの日本ローカルだって、自分の意見を言える人だっていますよね。

日本人は全員おとなしいって、決めつけている感があって。そういう人に限って、会議では何も発言しない。その“らしさ”って、大切にする意味あるんですかね」(Hさん・29歳女性/広告代理店)

(3)先輩が飲んでいるんだから、普通は飲むでしょ

「うちの職場はハラスメントの温床で……。職場の飲み会でも、“後輩なんだから、飲むよね”とか、“キミ体育会だったよね、じゃあまずビール3杯ね”とか、もう決めつけがヒドイ。お酒を飲める量なんて、人によっても、その日の体調によっても違うじゃないですか。

コロナ禍で飲み会減ったし、断りやすくなったしラッキーだと思ったら、“先輩主催のリモート飲みだから、後輩なら絶対に来るでしょ”だって。やんわり断ったら“こんな時期に独身者は予定ないでしょ”だって。どこまでやねん」(Oさん・26歳女性/医療事務)

4:でかい主語で決めつけるヤツ、絶滅しろ!

「みんなは~」とか「普通は~」と言っていても、だいたいは、その人自身と周りのごく一部の意見であることがほとんど。世界中の77億人が、まったく同じような考えで何かを判断しているなんて、あり得ないですからね。もし周りに「シュゴデカウルス」がいても、流されずに自分の軸をしっかり持って、多様性を許容できる人間でありたいものです。

小学館
カサうしろに振るやつ絶滅しろ!

絶滅してほしい!?迷惑生物図鑑

原案/氏田雄介 絵/武田侑大 制作/CHOCOLATE Inc.

 

企画作家・氏田雄介さんのTwitterの投稿を元に、迷惑な振る舞いや古い慣習を、古生物や動物と組み合わせて、キャラクター化。史上初の「絶滅してほしい」生物の図鑑です。子どもから大人まで、マナーや共生について考えるきっかけになるでしょう。価格は1000円(税別)で、全128ページ。