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処女をクズ男に捧げた私の「幸せな恋愛」の見つけ方【第18話・前編】-シンデレラになれなかった私たちー

毒島 サチコ

毒島 サチコS.Busujima

Case18:処女を捧げた彼がクズ男だと知った女性

名前:モトコ(30歳)

富山県在住。私立高校で教員をしている。交際経験ゼロだったが、27歳のとき、はじめて年上の彼氏ができた。

放課後の教室で…

高校3年生の夏。

「彼としちゃった」

彼氏が出来て初体験を終えたと、同級生の夏美は舞い上がっていました。その数日後「彼と別れたから」という理由だけで、彼女は学校を休みました。

私は、夏美を慰めているふりをしながら、心の中ではこう思っていました。

(たかが恋愛で、馬鹿みたい……)

「初体験」を終えた女性は

あれから、10年……。

「夏美、処女卒業したよ!」

私は、あのころの夏美と同じように舞い上がっていました。

初体験は「勢い」だった

私が初体験を迎えるまでの道のりは、とても長くて苦しいものでした。

「ちょっとまって、シャワー浴びてくる」

彼と初体験のチャンスがが訪れるたびに、ラブホテルのお風呂にスマホを持ちこんで、夏美にLINEを送信。

アプリで妊娠の可能性をチェック。そこに表示された「妊娠確率高」の文字に怖くなり、ギリギリで「今日はダメ」と彼に告げました。良い雰囲気になったとき、脳裏によぎるのは、避妊をしていたのに妊娠したという高校の後輩のこと。勢いで初体験を迎えられなかった私は、知識だけが先行し、初体験の障壁が高くなっていたのです。

「ちゃんと避妊すれば大丈夫だって。こういうのは勢いだから。頑張ってきなよ」

「いや、そんな簡単に言わないでよ。夏美みたいに、簡単にハイッとはいかないよ」

夏美をはじめ、友人たちから「アラサー処女はきついっしょ」「28歳で処女はやばいって(笑)」と茶化されることもありました。その言葉に傷つくこともありましたが、彼がいるのにこのままでは……。その気持ちはどんどん膨らんでいきました。

そして付き合い始めて半年ほどたった、私の28歳の誕生日。お酒の勢いに任せ、やっとのことで初体験を終えました。

詳しいことは、よく覚えていません。あれほどまでに大切にしなければいけないと思っていた初体験の感想は「あっけない」でした。「気持ちよかった」というよりも「よくわからなかった」というのが本音です。それでも私は、「やっと彼と結ばれた」という事実がうれしかったのです。

このあと、どうしたらいいの?

しかし、初体験を終えて、私は大きな悩みに直面していました。

「エッチした後って、どうしたらいいの?」

こっちから連絡して「昨日はありがとう」「また会いたい」とかいうのも、がっついているみたいで気が進まない。けど、彼が昨日のことをどう思っているかは気になる……。

夏美に聞いてみると「今さらそんなこと相談されてもなぁ。私の初体験は10年も前の話だから」というどこか上から目線で、素っ気ない回答。その態度は、私を馬鹿にしているように思えて、初体験を終えた後から、夏美に相談するのをやめました。

恋愛コラムを読み漁る日々

そのかわりに私は、恋愛コラムを読み漁るようになっていました。

初体験を終えたあと、彼にどう接するべきか……。悶々と悩んでいる私の目に、こんな一文が飛び込んできました。

「自分から“会いたい”と連絡せず、彼からの連絡を待ちましょう」

連絡をせずに待っていれば、彼から誘われる……。コラムに書いてある通り、2週間に一度ほど、彼から連絡がありました。

「仕事が落ち着いたら、一泊二日で温泉でも行こうか」

「わぁい! いつにする?」

「仕事のスケジュール見て連絡するよ」

彼はそう言って、優しく私の頭を撫でました。

初体験を終えて1年後、私が見たもの

連絡もデートも2週間に一度。そんな日々が、1年ほど続きました。

「月曜日だから、今日は連絡ないかな……」

このころになると、彼の連絡パターンが分かっていました。仕事が忙しくて彼からの連絡が来ないであろう月曜日、私は自炊をしようと、近くのスーパーにいました。

(今日は何食べよっかな……)

晩ごはんの献立を考えながら、精肉コーナーに差し掛かったとき、聞き覚えのある声が、耳に飛び込んできました。

「家にひき肉あるし、ハンバーグはどう?」

低くて、ずっしりとした声。私は反射的に、来た道を引き返しました。

「こんな時間に、スーパーにいるわけないか……」

少し早くなった心臓の鼓動を抑えるように、スマホを開き、彼に「今、声がそっくりな人見つけたよ(笑)」とLINEを打ちました。朝に送った「仕事頑張ってね」のLINEには、まだ既読がついていません。

(人違いだ、きっと……。まだ仕事中だしね)

私は確かめるように、もう一度、精肉コーナーのほうを覗き込みました。

そこで見たのは、知らない女性と手をつないで買い物を楽しむ彼の姿でした。

震える手で、私は彼に電話をかけました。

後編へ続く――

【筆者プロフィール】

毒島サチコ


photo by Kengo Yamaguchi

愛媛県出身。恋愛ライターとして活動し、「MENJOY」を中心に1000本以上のコラムを執筆。現在、Amazon Prime Videoで配信中の「バチェラー・ジャパン シーズン3」に参加。

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次回:8月15日土曜日 更新予定

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