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付き合うって何?セフレとどう違う?コロナ禍で悩むアラサー女子が出した答え【第17話・前編】ーシンデレラになれなかった私たちー

毒島 サチコS.Busujima

Case17:コロナ禍で好きな人に会えなくなった女性

名前:マリ(29歳)

広島県出身。現在は大阪で、英語の塾講師をしている。1年間、イギリスでの語学留学経験あり。いつかは海外で働きたいという夢を持っている。

付き合うのが先か、セックスが先か

イギリスから日本に来ていたジョンと出会ったのは、私が27歳のとき、2018年の夏のことでした。

大阪・心斎橋の外国人が多く集まるバーで友人と飲んでいると、ふたり組の外国人男性が「一緒に飲みませんか?」と、声を掛けてきたのです。そのうちのひとりが、イギリス人のジョンでした。

吸い込まれそうな青い目に、真っ白な肌。そして、180㎝を越える長身……。彼は日本に1年間、交換留学生として滞在していました。年齢は、私よりも下の22歳。

私もイギリスに留学経験があったのと、ふたりともストーンズの大ファンだったこともあり、すぐに打ち解けました。ダーツを楽しんだあと、連絡先を交換して別れました。

「ねえ、あのジョンって人、絶対マリのこと狙ってたでしょ」

友人が帰りの電車で言いました。

「いやいや、イギリス人ってみんなあんな感じだよ」

「そうなの? でも、いつかはイギリスで働きたいって言ってたよね。あの人と仲良しておいてほうがいいんじゃない?」

「うーん、どうだろう。チャラかったしね」

そう言葉では言いつつも、「ジョンかっこよかったなあ……。また会えたらいいな……」と、さっきまで隣にいたジョンの姿を思い浮かべていました。

そのときです。私のスマホがなりました。

また、すぐにあいたい。明後日はなにしてる?

それはジョンからのメッセージでした。ちゃかす友人を横目に、私は胸の高鳴りを抑えきれず、お酒の勢いもあって、「私も会いたいです。明後日空いてます」と返信しました。

数日後、ふたりで京都を観光して、日本料理のお店にいったあと、どちらが誘うこともなく、自然な流れで、ジョンは私の家に泊まりました。

初めてのデートしたその日に、付き合っていない男性と身体の関係を持つ……。それは私にとって、初めての経験でした。

私たち、付き合ってるの?

それから私は、ジョンと週に2回のペースで会うようになりました。「いつかイギリスで日本語教師として働くのが夢なんだ」と語る私に、ジョンは故郷のイギリスの話をたくさんしてくれました。

ジョンと過ごす毎日はとても楽しく、刺激的でしたが、ひとつだけ悩んでいることがありました。それはジョンが「付き合おう」と言ってくれないことです。

ベッドの中で私が「私たち、付き合っているんだよね?」と聞くと、ジョンは「どうして、”付き合う”という言葉にそんなにこだわるの?」と言いました。

「だって、こんなのセックスフレンドじゃん? 付き合う前にセックスしたのも、ジョンがはじめてだし」

そう言うと、ジョンは、目を丸くしてこう言いました。

「付き合う」はただの口約束?

「僕の周りでは、付き合う前に体の相性を確かめるのは当たり前のことだよ。むしろ、付き合う前にセックスしちゃいけない、っていうのは日本だけだと思う。だって、体の相性が悪かったらどうするの?」

ジョンいわく、ジョンの周りでは、日本のように告白して「付き合う、付き合わない」という判断せず、「デーティング期間(友達以上恋人未満の期間)」に「Friend with benefit(セックスもする友人)」と呼ばれる関係になり、何度かセックスを重ねるというのです。そして、「恋人である」と、友達や家族に紹介された瞬間に、恋人同士になるのだといいます。

ジョンは続けて「日本って変わってるよね。たった3回目のデートで告白をして、それからセックスするんでしょ。だからセックスレスになっちゃうカップルが多いんじゃない?」

これは「遊び人」の男性の発言でしょうか。私にはそう聞こえませんでした。このとき私は、ジョンの言葉に共感してしてしまったのです。

「付き合うって、何なんだろう」

私は、自分の過去の恋、元カレのことを思い出していました。

7年間付き合った元カレの浮気

広島から大阪に出てきた18歳のとき、大学の1つの年上の先輩と付き合いました。私にとってはじめての彼氏。告白されたのも、デートも、キスも、セックスも、はじめてでした。それから7年間、交際を続けました。

付き合って1年後に同棲をはじめましたが、セックスがそれほど好きではなかった私と彼は、20歳にしてセックスレスに。さらにそのまま、半年に1回くらいしかセックスすることはなく、5年が過ぎました。

このまま安定した時間が過ぎていくのかと思ったのですが、彼が大学の同級生と会っていることが分かりました。俗にいう「セフレ」の関係で、ふたりは週1ペースで体を重ねていたのです。

「浮気してたんだ! 最悪!」

私が問い詰めても、「ごめん……」しか言わない彼。別れを告げたときも、引き留められることはありませんでした。そのまま、あっけなく7年間の交際関係が終わり、彼は「セフレ」だった女性とそのまま付き合い始めたのです。

「付き合おう」で始まっても、「さよなら」で簡単に終わってしまう。彼とは同棲もして、一緒のベッドで寝ていたけど、お互い触れ合うこともない。でもふたりは確かに恋人同士でした。

一方、ジョンとは、土日はいつも一緒にいて、会う度にセックスもする。体の相性もいい。でも恋人ではありません。私は「付き合っていた」元カレよりも、「付き合っていない」ジョンのほうが、いいパートナーに思えました。

所詮「付き合う」というのは口約束。セフレに見える私とジョンの関係のほうが、恋人よりもずっとずっと幸せなのではないか……と。

そして帰国の日…

結局ジョンとは、明確に将来について話し合うこともなく、1年が経過しました。そして2019年の冬、とうとうジョンがイギリスに帰る日が訪れました。最後のデートの日、私はジョンにこう宣言しました。

「私、来年の春にはイギリスにいくね!」ジョンは一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐに私を抱きしめて、「マリがイギリスにきたら、僕の友人や両親を紹介するよ」と言いました。

それは「デーティング期間(友達以上恋人未満の期間)」が終わり、「恋人になる」ことを意味していました。

イギリスに行けば、私たちは恋人同士になれる……。

それから、ジョンと毎日やりとりを重ね、イギリスに行ける日を心待ちにしながら、寂しい夜を乗り越えました。

そして待ち望んでいた2020年。思っていたような春はやってきませんでした。ジョンとの再会は、新型コロナウィルスの流行で断たれてしまったのです。

後編へ続く――

【筆者プロフィール】

毒島サチコ


photo by Kengo Yamaguchi

愛媛県出身。恋愛ライターとして活動し、「MENJOY」を中心に1000本以上のコラムを執筆。現在、Amazon Prime Videoで配信中の「バチェラー・ジャパン シーズン3」に参加。

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次回:8月15日土曜日 更新予定

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