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「揚げ足を取る」ってどんな意味?言葉の由来や揚げ足取りの心理も解説

松田優

松田優Y.Matsuda

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目次

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1:「揚げ足を取る」とは?

「揚げ足を取る」という言葉は、生活の中でも頻繁に使われます。「そんなつもりで言った(やった)わけではないことを揶揄されたり、非難されたりした」という意味合いで使われていますが、実際にはどういう意味でしょうか。

(1)揚げ足を取るの意味

「揚げ足を取る」の意味を辞書で調べてみました。

揚(あ)げ足(あし)を取(と)・

人の言いまちがいや言葉じりをとらえて非難したり、からかったりする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

「揚げ足を取る」は、人の言動を表す慣用句です。ミスを注意するのとはまた別の意味合いで、間違いを故意にからかうことを指します。

(2)揚げ足を取るの言葉の由来

「揚げ足を取る」の意味と一緒に、その由来も書かれていました。

技を掛けようとした相手の足を取って倒すところから

出典:デジタル大辞泉(小学館)

柔道などで技をかけるとき、相手の足に自分の足を引っかけてバランスを崩そうとしますよね。相手の足を揚げて相手を倒すところが、人の間違いを取って責める行動と似ていることがわかります。

2:人の揚げ足を取る人の特徴と心理5つ

揚げ足を取る人の特徴と心理を調べてみました。

(1)プライドが高い

自分は周りの人より優れていると思っているプライドの高い人は、他人が間違うと、自分はそういうミスはしないと自慢したくて、揚げ足を取る行動にでます。優秀な人へのコンプレックスが強く、無意識に競争してしまいがち。プライドが高い人に揚げ足を取られたときは、反論せずに「そうなんですか」とさらっと流すと、ヒートアップせずにすみます。

(2)ネガティブで自分に自信がない

他人と自分を比べてネガティブに考えてしまい、落ち込みやすく、自分は必要とされていないんじゃないかと不安になるタイプの人は、満たされない気持ちを埋めようと、揚げ足を取ることで自己肯定感を高めようとします。

周りにどう見られているかばかりを気にして、素直になれない人が多いようです。「あなたにはこういういいところがある」と褒めてあげるといいかもしれません。

(3)真面目な性格でルールを尊重しすぎる

ルールやマナーを守らないと気が済まない人も、揚げ足を取ってしまいがち。自分に厳しく、他人にも厳しいために間違いを許せず、「自分がしっかりしなきゃ」と思ってしまっているところがあるようです。

真面目な性格がゆえに揚げ足を取る人は、自分が揚げ足を取っていることに気づいていないことが多いもの。頑固で融通の利かないとこがあるため、相手の話を聞き入れない可能性も。

(4)純粋に親切心から揚げ足を取ってしまう

ときに悪気はなく、ただ純粋に親切心から揚げ足を取ってしまっている人もいます。天然で周りを気にせず、思っていることを素直に言ってしまうので、揚げ足を取られたほうもどうしたらいいか困惑してしまうでしょう。「揚げ足を取らないでよ」なんて言うと、「私は親切でしてあげたのに」と逆ギレされる可能性も。そっとしておいたほうがいいかもしれません。

(5)ストレスから他人に八つ当たり

ストレスが溜まっていて、発散しようと他人のミスをわざと探して揚げ足を取ろうとする人もいます。ちょっとしたことを大袈裟にからかって相手が落ち込んでいる様子を見て憂さ晴らしをしているようです。

無視すると反応があるまでしつこかったり、反論されると余計に揚げ足を取ってきたり、火に油を注ぐ形に。なるべく関わらないほうが得策です。

3:実際どういうこと?揚げ足を取ることの事例5つ

実際に揚げ足を取るとはどういうことがわかるように、実際の例を5つご紹介します。

(1)嫌味を言ってくる

何もしていないのに、突然「あなたはいつも幸せそうでいいよね。悩みんなんてなさそう」という嫌味を言う人がたまにいます。こうした相手の言動を捉えて意地悪を言う行動も、「揚げ足を取る」の一例。素直になれず、構ってほしい人の揚げ足を取る行動パターンで、いちいち人のことを気にして皮肉を言ってきます。

無視をするとしつこくなる可能性もなきにしもあらず。相手の言い分を聞いて、受け流したほうがその場を穏便におさめられるかも。

(2)褒められている人の悪口を言う

誰かが仕事などで成功し褒められていると、今わざわざ言わなくてもいいようなことを言ってくる人を見かけたことはありませんか? 「最初はよく失敗して上司に怒られてたよ」「でも、あの人って要領悪いじゃない?」など。

他人が人に認められていると、自分は必要とされないんじゃないかと不安になり揚げ足を取って自分を見てもらおうとします。一緒になって悪口を言ってしまうと、ミイラ取りがミイラになるのと同じ。むしろ褒め返してみると楽しい会話ができるかも。

(3)SNSの投稿に文句を言う

楽しい旅行の写真に「旅行に行けない人が見たら、自慢されてると思うから消したほうがいいよ」などと言ってくることも。

素直に人を褒めることが苦手で、羨ましいと思う気持ちが嫉妬に変わり、揚げ足を取る行動に出てしまいます。SNSは、いろいろな人の投稿が見られてコメントも残せるため、気になる人はカギをかけたり、セキュリティーをチェックしたりしてみて。

(4)前の失敗を持ち出す

関係ない場面で、過去の失敗を持ち出して皮肉を言うのも一例。こういう人は、ストレスが溜まって八つ当たりしてしまっている可能性があります。失敗してしたとしても、過去は過去。こういうときは話を聞いてあげて、「そうだったね。ごめんね」と大人な対応をしてみると、相手も冷静になってケンカにならないかもしれません。

(5)うっかりミスを指摘する

SNSなどでスマホの変換ミスを執拗に指摘してくる人も。「聞く」と「効く」や、「こんにちは」と「こんにちわ」などは、誰しもがうっかり間違えてしまうもの。

「ちょっと打ち間違えただけでしょ?」と反論したくなってしまいますが、相手も悪気があって言ったわけではないのかも。純粋な親切心の場合でも、わざと揚げ足を取ったのだとしても、「ありがとう」とだけ言ってあげると、そこで終わらせることができますよ。

4:「揚げ足を取る」の英語・韓国語・中国語での表現

「揚げ足を取る」という言葉は日本の比喩表現。海外の言葉に直訳しても、違う意味の文章になってしまいます。

「言葉じりを捕える」「粗さがしをする」といった表現が同じ意味合いで、英語の場合、辞書にはこのように載っていました。

〔言葉じりを捕える〕pounce [jump] on a person’s

slip of the tongue [careless remark]

〔あらさがしをする〕find fault with a person

出典:プログレッシブ和英中辞典(小学館)

韓国語では「말꼬리를 잡따(マルコリルル チャプッタ)」。直訳すると「言葉じりを取る」という意味です。

中国語では人に対してか、言動に対してか、それによって表現が異なります。人に対しての場合は、「抓茬儿(ジュアチャアル)」。日本語に直訳すると「人の粗を探す、言いがかりをつける」という意味。言動に対しての場合は、「挑刺儿(ティァオツーアル)」。日本語に直訳すると「粗さがしをする、ケチをつける」という意味になります。

5:まとめ

揚げ足を取る人は、プライドが高い人もいれば、ネガティブで自分に自信がない人もいて、心理や特徴もさまざま。自分が揚げ足取りをするような人間にならないためにも、大人な対応を心がけたいですね。