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考える力をつけるには?思考能力ゼロ人間のための考える力の鍛え方

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

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目次

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1:考える力をつけるには?

入学したての新入生や新入社員に、「どう思う?」とか「どうしたらいいと思う?」とたずねたときに、「別に……」という返事があれば、まだ返事があるだけマシかもしれません。中には、フリーズして黙り込んでしまうという人も多いもの。

彼らの多くは、自分で考えることができず、自分の意見や自分なりの解決法を見つけることができていません。その理由は、これまで生きてきたなかで、いわゆる「指示待ち」が多かったことが原因でしょう。

だからといって、そのままでは困ります。ではいったいどうすれば、考える力を身につけることができるのでしょうか。

2:考える力がない人の特徴5つ

(1)他力本願

他力本願とは、自分の努力で何かをするのではなく、他人がしてくれることに期待をかけることです。誰かがやってくれると思い、自分のこととして捉えていないので、大事な話でも聞き流してしまったり、自分でなんとかしようという気持ちが起こらなかったりするのです。結果的に、自分で考えないことにつながってしまいます。

(2)計画性がない

計画というのは、事前にプランを立てて、そのとおりに実行するためには何が必要かということを考えることです。ですが、計画性がなく、場面場面で行動してしまう人は、そういった事前に考えるということが苦手なのでしょう。

臨機応変といえばそれも優れた能力ですが、考える力がない人の場合は、臨機応変に考えることもできないことが多く、トラブルを引き起こしてしまうことも多いです。

(3)自分に自信がない

自分に自信がないと「間違っていたらどうしよう」と不安になり、意見があったとしても言えないことも。自信のなさが大きくなると「自分が間違っていたらどうしよう」「自分はきっと間違っているはずだ」と考えるようになり、間違っているくらいなら考えないほうがマシとばかりに、思考を停止してしまうのです。

(4)受け身の姿勢

受け身の姿勢というのは、積極性がないということです。自分からいろいろなことに挑戦することがないので、新しい知識や経験を得ることが圧倒的に少なくなります。

人が考えるためには、そのヒントとなる経験や知識が重要です。知識や経験が少ないと、必然的にヒントが少ないので考えることができなくなってしまいます。

(5)流されやすい

受け身の姿勢とも共通しますが、周囲に流れされやすい人はまわりの考えや行動に影響されやすく、まわりに合わせてしまいます。結果的に、まわりに頼りがちになり、自分で考えることをしなくなるのです。

3:考える力を鍛えるには?考える力の育て方5つ

(1)物事に興味をもつ

趣味でも仕事でも勉強でも、何でもいいので、いろいろなことに興味をもつようにしましょう。言い換えるならば、好奇心をもつということです。興味をもてば、新しい知識や経験を積み重ねることができ、考えるヒントをたくさんもつことができるようになります。

(2)ゴールを先に考えるクセをつける

ゴールというのは結果であり、目標のことです。難しくいえば、仮説を立てるクセをつければ、その仮説(目標)を達成するためには、何をどうしたらいいかという筋道が見えてくるので、考える力を養ういいトレーニングになります。

(3)全体を把握するようにする

例えば新製品の感想を話し合う場面で、「このデザインについてどう思う?」と聞かれたとき、相手が聞きたいのはデザインであると同時に、その先の売り上げアップかもしれません。

話や相手の質問の全体像を把握しないと、相手の質問に答えていても十分な回答ではない可能性もでてきます。表面上のことではなく、相手が何を求めているのかなど、全体像を把握するようにしましょう。

(4)わかりやすく伝える

きちんと自分で理解していないと、相手にわかりやすく伝えることはできません。相手にわかるように言い換えもせず、ずっと専門用語を使って説明をしているようなときほど、実は説明している本人もわかっていないことが多いです。そして自分で理解するためには、きちんと考えることが必要です。

相手にわかりやすく伝えるためにはどうしたらいいか、考えるクセをつけましょう。

(5)ロジカルシンキングを心がける

ロジカルシンキングとは、論理的思考のこと。これは、考えることの基本です。論理的に物事をとらえることができるようになれば、もう考える力が身についたといえるでしょう。

4:考える力をつけるのに役立つ本3選

(1)「幸福の小さな哲学」ベルトラン・ヴェルジュリ

気鋭のフランス人哲学者が2004年に発表した本。考える力を身につける方法を直接的に教えてくれる本ではないのですが、哲学の立場から、考えることの大切さ、考えることの必要性を教えてくれます。

(2)「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」山田真哉

ひと昔前に話題となった本です。一見、あまり儲かってなさそうな店が会計学的に見ると儲かるカラクリがあるということが書かれています。物事を考えるうえで大事なことは、表面的なことに惑わされず、本質をつかむこと。その大切さを教えてくれる本です。

(3)「ロジカル・シンキング」照屋 華子、岡田 恵子

コンサルティング会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーのコミュニケーション・スペシャリストであるふたりの著者が、「ロジカル・コミュニケーション」の手法をまとめた本。ビジネスパーソンのみならず、大学生にも読んでほしい一冊で、ロジカルシンキングを技術として身につける方法が書かれています。

5:まとめ

自分で考えることは、勉強や仕事だけではなく、生きていくうえでも大切です。考えることが苦手という人は、ちょっとずつでもいいので、考えるクセや技術を身につけられるようにしましょうね。