恋のなやみに効くメディア

心理学には種類がある!恋愛や仕事、人間関係で活かせるものはどれ?

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

目次

隠す

1:そもそも心理学とは?

ところで、そもそも心理学ってなんなのでしょうか。心理学を研究している人なら、たいていの人がメンバーとなっている「日本心理学会のウェブサイト」には、次のような説明が載っています。

心理学は、英語ではサイコロジー(Psychology)ですが、サイコは「心」をあらわし、ロジーは学問とか科学・法則を示します。

ですので、心理学を「心の科学」ととらえるのが妥当ですが、では「心」とは何かと 考えると、とても深く広い問題になります。

心のはたらきのあらわれとしての「行動」も心理学の対象となるし、意識することができない心の側面である無意識も心理学の対象となります。

わかるようでわかりにくい説明かもしれませんね。簡単いえば、心理学とは、人の心のうちを研究する学問であり、同時に人の心が影響してあらわれる行動を研究する学問ということになります。

そういう意味では、人間の営みを解明しようと思うと、すべてに心理学が関係するということになります。一般的には、悩みなどを解決するのが心理学と思われていますが、そうではないんです。

2:恋愛、仕事、人間関係で活かせるのはどれ?心理学の種類10個

人の心のうちを研究する学問であり、同時に人の心が影響してあらわれる行動を研究する学問が心理学なので、その種類は数多く存在します。今回は、代表的なものを紹介します。

(1)臨床心理学

臨床心理学とは、さまざまな困難や苦しみを抱えた人に対して、心理的な援助をするための理論や方法を研究する学問です。一般的にいうと、悩みを抱えた人の心理を理解して解決してあげるという、カウンセリングなどの分野です。

(2)交通心理学

交通心理学とは、乗り物を運転する人の心理や歩行者の心理を研究して、交通事故や渋滞などの交通トラブルを解決しようと試みる学問。どうして交通事故はなくならないのか、お盆や年末年始の規制で渋滞が起きるのはなぜなのかといったことを研究しています。

(3)社会心理学

社会心理学とは、人と生活関係を心理学で解明しようとする学問です。個人の行動から組織の行動に至るまで、幅広く扱います。恋愛にまつわる恋愛心理学やファッションに関する被服心理学、化粧に関する化粧心理学なども社会心理学の一部です。

(4)教育心理学

教育心理学とは、教育に関わるさまざまな問題について、心理学的な観点から客観的に検討する学問です。例えば、どうすれば効率よく記憶できるのかや、たくさん勉強しても忘れてしまうのはどうしてか、また、生まれてから大人になるまでの学習と人の心理の関係などを解明するのがこの分野です。

(5)発達心理学

人は生まれてから死ぬまで、成長し続けます。とはいえ、子どものころと社会人になってからと、高齢者になってからは発達の内容もスピードも違います。そういった、人の加齢に伴う発達的変化を研究する心理学です。

(6)ビジネス心理学

これもある意味で、社会心理学の一分野。モノやサービスを購入する消費者行動の予測や、より購入してもらいやすい商品開発などを、人の心理や行動から研究します。

(7)犯罪心理学

人は他人に危害を加えたり、社会的に悪いことをしてはいけないことをわかっています。でも、テレビやネットを見れば、毎日さまざまな犯罪が起こっています。どうして犯罪が起こるのか、犯罪者になりやすい人に特徴があるのかついて研究するのがこの分野です。いわゆる「犯罪者のプロファイリング」も、犯罪心理学で研究されることがあります。

(8)災害心理学

地震や津波、火事などの災害が起こったときに、効率よく避難するにはどうしたらいいか、非常時の人の心理を踏まえて研究する分野です。たとえば、ある行動をしたら災害に巻き込まれることがわかっているのに、それをしてしまう人間の心理や原因を探ったりもします。

(9)スポーツ心理学

スポーツをする人が、本番の試合などでより高いパフォーマンスをだすにはどうしたらいいかや、効率よくトレーニングするにはどうしたらいいかを研究する学問です。オリンピック選手やプロアスリートのメンタルトレーニングの方法なども研究されています。

(10)認知心理学

人は五感で感じたことを、そのまま素直に受け止めるとは限りません。ジェットコースターで怖くてドキドキしたことを、一緒に乗った異性に対する恋心と誤解して認識することもあります。そういった、外からの刺激をどのように受け取って認識するかなどについて研究するのが、この分野です。

3:社会人が心理学を勉強するには?

ひとまず、心理学における10種類の研究分野を紹介しました。これ以外にも、さまざまな心理学の分野があります。もし心理学を本格的に勉強したいなと思ったら、どうしたらいいのでしょうか。

例えば書店で心理学に関する本を購入して、勉強するのもいいでしょう。ですが、すべてが良書とは限りません。間違いないのは、「CiNii Articles(サイニィ アーティクルズ)」という研究者が研究した成果の論文がデータベースになっているウェブサイトで、自分が興味があるテーマの論文を読むことです。ですが、学術論文なので、読むのがなかなかに難しいです。

社会人であれば、通学制や通信制の大学院で本格的に心理学を勉強するのもいいでしょう。放送大学の科目履修生になって、心理学の授業を履修するのもいいかもしれません。放送大学は、CS放送などで授業を履修することができますし、科目履修生なら自分が勉強したい心理学の授業だけ履修することができます。

4:入門書もベストセラーも!心理学でおすすめの本

とはいえ、そこまで本格的じゃなくてもいいという人も多いでしょう。そんな人におすすめめの本を紹介したいとおもいます。

(1)『心理学の基礎』(培風館)

これは、まさに心理学の基礎を知ることができる本です。いろいろな分野の心理学が網羅されています。

(2)『心理学って何だろう』(北大路書房)

高校生に向けて書かれた本なので、とてもわかりやすいと思います。

(3)『心理学ってどんなもの』(岩波書店)

こちらも、中高生向けに書かれた本なので、わかりやすくておすすめです。

(4)『心の理論―心を読む心の科学』(岩波書店)

人の心や行動を読むことはできるのかに注目して書かれた本です。プロファイラーやメンタリストに興味がある人にまず読んでほしい一冊。

(5)『「やめられない」心理学-不健康な習慣はなぜ心地よいのか』(集英社)

喫煙や飲酒など、悪いとわかっていてもついついやってしまうということに注目して書かれた本です。やめたいのやめられない習慣がある人も読んでみるといいでしょう。

5:まとめ

心理学は、簡単には説明できなくらい奥が深い学問です。だからこそ、多くの人が興味をもつのかもしれません。