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当てはまると危険かも!この先のコロナ離婚につながりやすい夫婦の特徴4つ

中田綾美

中田綾美A.Nakata

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1:コロナ離婚が急増中?

新型コロナウイルスの影響で、自宅にこもる日々が続く中、家庭内でのモラハラやDV、それを理由とする離婚が増えているといわれています。中国やヨーロッパなどではもう実数として判明していますし、日本でもよく聞かれるようになりました。

慣れない生活が続き、また期間も長くなってくると、ストレスがたまりやすいもの。それに、感染予防に対する認識の違い、リモートワーク中の家事分担、経済的なダメージ、子どもの教育問題など、さまざまな問題が夫婦の前に立ちふさがります。心穏やかでいられず、夫婦喧嘩になってしまうのは、ある意味当然のことかもしれません。

喧嘩しても、自然と仲直りしたり、互いの努力で溝を埋めたりできる夫婦もいますが、関係がどんどん悪化して、離婚にまで至る夫婦にはどのような特徴があるのでしょうか。

夫婦間の問題を頻繁に取り扱っている、行政書士の露木幸彦先生から、最近のよくある相談ケースを教えていただきました。

2:コロナ離婚しやすい夫婦の特徴4つ

(1)夫婦間の問題を放置していた

もともと数か月前まで円満だった夫婦が、今回のコロナ禍をきっかけに険悪になり、離婚にまで至るということはあるのでしょうか。

もちろん、自粛生活で夫婦が長く顔を突き合わせる中、これまで知らなかったパートナーの意外な本性を目の当たりにし、百年の恋も冷めてしまったケースはゼロとは言い切れません。

ただ、露木先生によれば、最近の離婚相談では、もともとコロナ以前から夫婦関係がうまくいっていないケースが圧倒的とのこと。

露木:「依頼者からよく聞くのは“もう我慢の限界です”という言葉。例えば、結婚生活10年目のA子さん(36歳/専業主婦)は、長年、夫(42歳/金融関係勤務)の強度の潔癖症に悩まされてきたといいます。

この夫婦には8歳の息子さんがいるのですが、これくらいの男の子がいる家庭は、どうしても片付けが行き届かないもの。なのに、夫は少しでも家が散らかっていると、“こんなゴミ屋敷!”などと、ありったけの暴言を浴びせる始末だったそうです。

そうした夫の気質は、コロナ禍においてエスカレートしました。A子さんにとって何より耐え難かったのは、夫による外出禁止命令。もちろん、緊急事態宣言下では、不要不急の外出は避けるべきでしたが、A子さんとお子さんは、夫の命令により、ほぼ家から一歩も出られない状態にさせられしまったそう。

A子さんとしては、“家族を守ろうと必死なのだろう”と、理性では夫を擁護しよう努めているものの、感情のほうはもはや限界。もともと我慢を重ねてきた結婚生活ですが、今回のコロナ禍を通じて、いよいよ離婚の意思を固めたようです」

今回のような非常事態では、パートナーの知られざる本性がわかるというより、もともと抱いていた不満が拡大することが、コロナ離婚の要因になるということなんですね。

(2)変わってくれるはずと過度な期待を寄せる

また「こんな大変な時期なんだから、改心してくれるのでは?」とパートナーに過度な期待を寄せてしまい、それが離婚の引き金になるケースもよくあるそう。

露木:「E子さん(44歳/専業主婦)から受けた相談です。彼女の夫(52歳/住宅メーカー勤務)は、1日に2~3箱は消費するヘビースモーカー。日ごろからE子さんは、夫に対して“体に悪いからタバコはやめて”と再三お願いしてきましたが、夫は受け入れてくれなかったそうです。

そして今回のコロナ禍。喫煙者は重症化や死亡リスクが高いのではないかと囁かれるようになったため、夫に対し禁煙を強く要請したところ、今回ばかりは夫も“こんなご時世だから仕方がない”とあっさり承諾。

ところが、そのわずか3日後、夫の喫煙が判明。“禁煙するって約束だったでしょ!”と詰め寄るE子さんに対し、夫は“おまえの前で吸わなきゃいいんだろ。それに俺はこれまで煙草を吸っていても肺に異常がなかったんだから、肺が人よりも強い”となぜか逆ギレ……。

この夫の発言を受けて、E子さんは、“この人は家族の健康のことなんかまったく考えていない。それよりも喫煙による快楽が優先なんだ”と心底愛想が尽きたとのこと。状況が落ち着いたら一刻も早く家を出たい”というのが、E子さんは現在の心境です」

もともと禁煙に非協力的だった夫が、新型コロナウイルスが流行したからといって、急に改心するわけがありません。「こんな時期だから、夫も変わってくれるかも」と下手に期待を寄せると、その期待が裏切られたときの絶望が大きく、パートナーに対する不信感が決定的になってしまうおそれもあるのです。

(3)自分第一でパートナーのことを思いやらない

コロナ離婚については、夫婦で顔を突き合わせる時間が増えたことが影響しているともいわれますが、逆に、新型コロナが原因で、夫婦の接点が少なくなって関係が冷めきってしまうケースもあるようです。

露木:「S子さん(60歳/保険外交員)とその夫(62歳/自営業)は、休日が合わないために、もともとすれ違いがちだった夫婦。それでも“一緒に朝食をとる”という夫婦間の約束だけはお互い守るようにしていました。

そんな夫婦の唯一の接点すら断ち切ったのは、外出自粛中、世間に浸透したオンライン飲み会。S子さんの夫は、これに見事にハマってしまいました。連日のようにオンライン飲み会を開催するようになり、“一緒に朝食をとる”という夫婦間の約束事も破られるようになりました。

S子さんにとっては、ただでさえ自粛生活でストレスがたまりやすい中、夫ばかりが喜々としてオンライン飲み会に興じているのも面白くありません。結果、S子さんの中で残っていた夫への愛情もゼロに。今は仮面夫婦を続けながら、粛々と離婚準備を進めています」

非常事態においても、まず相手のことを思いやる心があれば、夫婦で危機を乗り越えることができるはず。逆に、自分第一という関係性では、夫婦の一方または双方が不満をくすぶらせるも当然です。

(4)経済力などで対等な関係ではない

露木:「私のもとに離婚相談に訪れる人の男女比は、コロナ以前は6:4で男性がやや多め。それが、コロナ後は1:9と逆転しています。専業主婦からの相談が増えているのですが、これには、コロナショックによる経済的な打撃が影響しているようです。

家事や育児を妻に丸投げしたり、言動にモラハラ傾向があったりする夫に対して、不満があっても、十分な生活費を渡してくれるから我慢しているという妻は少なくありません。

ところが、職場休業による給与カット、在宅勤務による残業代カット、本社倒産による外資系企業のリストラなどで、夫の収入が大幅に減ってしまったらどうなるでしょうか。

平常時に経済力を笠にきて家庭で横暴に振る舞ってきた夫は、ずっと耐え忍んできた妻から“生活費を減らされるくらいなら、これ以上我慢したくない”と見限られてしまうのです」

まさに、金の切れ目が縁の切れ目。これは男女逆でも当てはまるかもしれません。男性を養っているバリキャリの女性も、パートナーに対して日ごろ、傲慢な態度をとっていないか振り返ってみましょう。

3:まとめ

もともと不仲の夫婦が、コロナをきっかけに関係改善するのは、現実としては難しいかもしれません。また、普段からコミュニケーションが不足している場合、いきなり話し合いをしようとしてもうまくいかないのは当然です。

それでも、「やっぱりこの人と一生添い遂げたい!」という思いがあれば、相手に過度の期待を寄せず、まずは自分が変わる覚悟をもって少しずつ歩み寄ることが必要かもしれませんね。

取材協力露木幸彦

行政書士・ファイナンシャルプランナー。行政書士事務所の開業から6年間で、有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界で最大規模に成長させる。新聞やウェブメディアで執筆多数。著書は“男の離婚ケイカク クソ嫁からは逃げたもん勝ち なる早で! ! ! ! ! 慰謝料・親権・養育費・財産分与・不倫・調停”(主婦と生活社)など11冊。公式ブログも要チェックです。