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手水とは?手水の意味と正しい手水の使い方

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

目次

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1:手水とは?

手水とは、神社や寺院などで参拝をする前に手を清める水のこと。お参りする前に、柄杓(ひしゃく)を持って水をすくい、手や口を清めますよね。そのときに使用する水のことを指す言葉です。

正しい読み方は「ちょうず」ですが、これは「てみず」が「テミヅ → テウヅ → チョーズ 」と訛って変わったため。なので、「手水(てみず)」と読んでも間違いではありません。

2:「手水の儀」ってなに?正しいやり方とマナー5つ

「手水の儀」とは、一般的に神式の葬儀で、さまざまな儀式の前に身を清めるために行うこと。また、神社を参拝するときも、儀式とはいえないまでも、作法があります。参拝する場合の手水の正しい行い方、マナーを知っておきましょう。

(1)手の清めは左手、右手の順

手の清めは、まず右手で柄杓を持って水を汲み、左手にかけて左手を清めます。次に柄杓を左手に持ち替えて、同じように右手を清めます。「左手→右手」の順に清めることを忘れないで下さい。これは利き手に関係なく、左利きの人でも同様です。

(2)次に口をすすぐ

右手の清めが終わったら、柄杓を右手に持って、左の手のひらに水を受けます。それを口に含みすすぎましょう。うがいではないので、ガラガラしないこと。また、柄杓に直接口をつけることもマナー違反ですので、必ず左手に水を受けて行いましょう。

(3)もう一度、左手を清める

口をすすぎ終えたあとは、口に水を含ませた左手をもう一度清めます。

(4)柄杓をすすぐのもエチケット

清めが終わったあとは、水を入れた柄杓を立て、柄に水を流してから柄杓置きに伏せます。これによって柄杓を清めることになるので、大切なエチケットです。忘れる人が多いですが、きちんと行いましょう。

(5)手水奉仕を受けるときの作法

手水奉仕を受けるときの作法は、まず両手で水を受けて清めます。次にもう一度両手に水を受けて、その水で口をすすぎます。口を清めた後は、再び両手で水を受けて清め、最後に拭紙で口を拭ってから手を拭います。

以上ですが、手水で清めを行う前と後には、必ず一礼するようにしましょう。

3:手水鉢とは?

手水鉢(ちょうずばち)とは、神社や寺院などで口をすすいで、手や身を清めるために水を溜める器のこと。昔は、一般家庭の庭などにも置かれ、水草を浮かべ、中に、金魚やメダカなどを飼ったりしたものでした。

また、手水鉢は茶の湯における蹲(つくばい)などへ発展。つくばいとは、日本庭園や露地(茶室の庭)に置かれ、手を清めるためにしゃがんで(つくばう)使うことから名付けられたものです。

手水鉢は、姿勢を低くして使う「蹲踞手水鉢」、立ったままで使う「立手水鉢」、建物の縁に造られる「縁先手水鉢」と、使用方法によって大きく3種類に分けることができますが、その型には富士山型、舟型、袈裟型など数えきれないほどの種類があります。ネット通販でも販売していますので、簡単に手に入れることができますよ。

4:手水はトイレも意味する?

トイレのことを、御手洗いと言いますが、これは不快なイメージを避けるため、婉曲的に表現したもの。同様に「手水」も、トイレに行く際に「お手水に行く」と使われます。トイレから出たあとに「不浄を清めてきます」という意味でしょう。

5:手水舎に龍がいるのはなぜ?

神社や寺院を参拝する前に、お清めの場となる手水舎があります。注意してみると、手水舎の水は龍の口から流れているものが一般的です。なぜ、龍なのでしょうか。

実は、古来より日本では、龍が水をつかさどる神さまとして崇められてきました。龍神さまの口から流れる水で清めることによって、邪気を払うことになります。

6:手水舎に花がある場所は?

手水舎に花を浮かべるととてもきれいで、それを「花手水(はなちょうず)」と言います。中でも、京都の「楊谷寺」の花手水は超人気スポット! あじさいや紅葉で有名な名所ですが、梅雨時は一年の中で花がもっとも映える季節です。

7:まとめ

手水で手を清めるのは、不浄を嫌い清潔にするという日本の昔からの文化でしょう。新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、世界中で手洗いが奨励されていますが、そもそも日本人がマメに手洗いするのは、こうした文化が根付いているからかもしれませんね。