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貼付の読み方は?貼付の意味と類語・反対語から使い方まで

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

目次

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1:貼付って読めますか? 

「貼付」は、メールで「〇〇のURLを貼付して下さい」などと、よく見かける言葉です。しかし、正しい読み方を知っていますか?

そこで今回『MENJOY』では、20代~40代の男女500人に対して、独自のアンケート調査を実施。「貼付という漢字を読めますか?」と質問をしてみました。

結果は以下のとおりです。

読める・・・361人(72%)

読めない・・・139人(28%) 

「読める」と答えた人が7割以上ですが、何と読むでしょうか。おそらく「てんぷ」と読む人が大半だと思います。しかしこれは、もともとは「ちょうふ」という読み方が正しいのです。しかし、「てんぷ」と読む人が多いことから定着したもの。この読み方が辞書にも掲載され、慣用読みとして認められるようになりました。

なので、厳密にいえば、本来は「ちょうふ」と読むところですが、慣用的に「てんぷ」という読む言葉となります。 

ちなみに、「慣用読み」とは誤まった読み方が一般に定着したもの。代表的なものとしては、「早急」(さっきゅう→そうきゅう)・「情緒」(じょうしょ→じょうちょ)などがあります。

2:貼付の意味は?

貼付の意味について辞書で調べてみると、以下のような説明が載っています。

ちょう‐ふ【貼付】

《慣用読みで「てんぷ」とも》はりつけること。「封筒に切手を貼付する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

糊などを使って貼るという意味で、例文にも「封筒に切手を貼付する」が挙げられています。 

メールで「URLを貼付して下さい」という場合は、さすがに糊は使いませんが、URLをコピーして文面に貼る……つまりコピペするということになりますね。

3:貼付の類語は? 

「てんぷ」といったとき、同じ読み方の「添付」がすぐに思いつく人も多いのではないでしょうか。こちらも、辞書で調べてみましょう。

てん‐ぷ【添付】

1 書類などに、付け添えること。「領収書を添付する」

2 民法上、所有者の異なる2個以上の物が結合した場合に、所有権の得喪を生じること。付合・混和・加工の総称。

出典:デジタル大辞泉(小学館) 

1の例文に「領収書を添付する」が挙げられていますが、本来の意味合いでは「添える(そえる)」と「貼る(はる)」は異なる動作ですので、「貼付」とはニュアンスが異なるようです。 

しかし、現在のメールでのやり取りにおいては、PDFなど別ファイルを付け加える場合の「添付」行為も、作業そのものはクリップマークにペーストするため、文面にURLをペーストするのと同様に「貼付」と呼ばれるなど、同じような意味として捉えている人も多いかもしれません。

添付以外の類語としては、「貼る」という意味では「糊付け」「張付ける」 「くっ付ける」「糊する」「接着」などのほか、「付着」も類語になります。

4:貼付の反対語は?

「貼る」の反対は「剥がす(はがす)」。そのため「貼付」の反対語としては「剥離(はくり)」が挙げられます。「貼って付ける」に対して「剥がして離す」ということですね。 

また、「剥離骨折」という言葉をよく聞きますが、これは骨に付着している腱や靭帯が剥がれてしまう骨折のことを指します。このほか「切手はお湯に付ければ、上手に剥離できる」などという使い方もあります。 

5:貼付剤ってなに? 

「貼付剤」とは、一般的にいう貼り薬を指します。これは、面テープなどに医薬品を貼付した薬。すぐに思いつくのは、肩こりがひどいときや捻挫のときなどに使う湿布薬かもしれません。日本薬学会のホームページにある「薬学用語解説」には以下のようにありました。 

布やプラスチックフィルムに有効成分と基剤の混合物を薄く延ばし、皮膚表面の患部または皮膚を通して局所患部へ有効成分を到達させる、皮膚に粘着させて用いる製剤。絆創膏やステロイドのテープ剤、関節痛に用いる非ステロイド系抗炎症薬の製剤などがある。よく似た製剤にパップ剤と経皮吸収型製剤があるが、パップ剤は主に湿布を目的としたもので、水を多く含む。経皮吸収型製剤は、局所ではなく全身作用を目的としたものである。外観は似ているので、用途をよく確認して用いることが大切である。ちょうふと読むが、てんぷと思っている人も多い

学術的な解説がされているので、読み方も「ちょうふ」と断り書きが書いてあります。なので「ちょうふざい」と読むのが正しいようです。

6:貼付薬とは?

「貼付薬」もまた「貼り薬」のことで、意味は「貼付剤」と変わりありません。ただ、「貼付薬」のほうが意味が通じやすいためか、病院のホームページ等で薬の種類を紹介する時などには、「貼付薬」と使うケースが多いようです。

日本薬学会では、湿布する際に使うパップ剤を「よく似た製剤」と「貼付剤」と分けて解説していますが、使う患者側としては、効能がどうあれ、貼り薬は貼り薬。貼って使う薬すべてを「貼付薬」といっても、さして差し支えないでしょう。 

7:貼付を英語で言うと?

「貼付」の英語表現は、ここまでの記述からご想像のとおり「paste」となります。 

現在では、いろいろなシーンで「コピペ」という言葉が使われていますが、これは「copy and paste(コピーアンドペースト)」を略したものであるのは、言うまでもありません。例えば、 「We will send you a text for writing so you can copy and paste」で、「コピペできるように資料作成用の文章を送信します」などと使えます。

8:まとめ

学習塾講師の知人からこんな話を聞いたことがあります。国語の漢字の読み取りで「貼付」を出題したところ、「こぴぺ」と書いた生徒がいたのだとか(笑)。メールが生活に不可欠な現在では、「貼付」の意味をコピペと考えている人も多いかもしれません。

【参考】 

 日本薬学会「薬学用語解説」