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喪失感とは?見舞われやすいときと乗り越え方

青木 エイミー

青木 エイミーA.Aoki

目次

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1:喪失感とは?

(1)意味

まずは正しい意味を辞書で調べてみましょう。

そうしつ‐かん【喪失感】

大切なものを失ったときの、空虚な気持ち。「喪失感を抱える」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

喪失感とは、自分の価値観において大事だと思っていた人や物、物事などが失われてしまったという心境のこと。別れが多い季節に、喪失感を覚えた経験がある人は多いのではないでしょうか。

(2)虚無感との違いは?

虚無感と喪失感は混同されがちですが、虚無感は「自分は空っぽである、なにもない」と感じる気持ち。それに対して、喪失感は「かつてそこにあった大切なもの」を失ったときに、「なくなってしまった」と感じるもの。「なにもない」ところは共通していますが、ニュアンスは異なります。

2:特徴は?喪失感を覚えたときに湧き上がる感情とは?3つ

(1)空虚な気持ち

「ベタですが、心にぽっかりと穴が空いたような感覚です。自分の体温が奪われてしまったような、心を突き刺されたような痛みを感じます」(Sさん・28歳男性)

(2)しんみりした気持ち

「まるで広い部屋にひとりポツンといるような、しんみりした気持ちになります。寂しさや切なさで、体にじ〜んと何かが染みわたるような感覚を覚えます」(Aさん・24歳女性)

(3)ひとりになってしまったような気持ち

「大げさに思えるかもしれませんが、本当に心から“自分の味方は誰もいないんじゃないか”とか“自分って、実はひとりぼっちなんじゃないか”っていう不安が訪れます。そして、その不安を埋めたくて、とにかく誰かと一緒にいたり、話したくなったりします」(Kさん・25歳男性)

3:喪失感に見舞われやすいとき5つ

(1)長くいた場所を去るとき

「僕は中高一貫校に通っていたので、6年間同じ場所にいました。クラスメイトも少ないので、みんな仲が良くて。全員と話すような日々を過ごしていました。だから、卒業するときには“この場所にもう戻ることはないのか”と思いましたね。今でもふと、“あのころに戻りたいなあ”と思ってしまうことがありますね」(Kさん・25歳男性)

(2)親元を離れるとき

「彼と結婚することになったとき、自分はとっくに親離れしているつもりでした。むしろ親のほうが子離れができていないんじゃないかな……と心配したくらい。ですが、いざ結婚の挨拶に行ったら、うれしい気持ちだけでなく、親元を離れるんだという自覚が生まれて感極まって、思わず涙目になってしまいました」(Wさん・32歳女性)

(3)好きな人が他の人と結婚したとき

「子どもがどうしてもほしい彼女と、それを受け入れられなかった僕。これから長い人生を考えて別れを決意しました。そして、その彼女は、新しくできた彼氏と結婚したようです。SNSでその事実を知って、“自分がその立場になる人生はなかったのかな”なんて、一度決意したにもかかわらず、後悔というか……さみしい気持ちになりました」(Gさん・35歳男性)

(4)夢でもう会えない人と会ったとき

「幼稚園のころから仲が良かった幼なじみがいて。高校生のときにアメリカに引っ越しちゃったんですけど、私は当時携帯を持っていなくて、彼と連絡先も交換していなかったんです。

先日、その彼の夢を見たときに、当時の気持ちが蘇って、切ない気持ちになりましたね」(Nさん・24歳女性)

(5)ドラマの最終回を迎えたとき

「すごく好きなドラマが終わってしまったときって、もう続きが見れないことに喪失感を覚えますよね。“はじ恋”や“恋つづ”で、ロスになった人が続出したといわれましたが、好きだったドラマほどそういう気持ちになりますよね。それと、大好きだった芸能人の引退発表も、同じくさみしい気持ちになります」(Aさん・25歳女性)

4:喪失感の乗り越え方3つ

(1)人とわかち合う

同じような経験をした人と喪失感をわかち合うと、「自分だけじゃないんだ」と少しほっとします。「さみしいね」「つらいね」と、素直に自分の感情をこぼしていくうちに、気持ちに整理がつくことが多いでしょう。

(2)受け入れてしまう

心を整理するためには、自分の今ある感情を全部さらけ出すことが重要です。「喪失感を覚えている、どうにかしなきゃ」ではなく、ありのままの自分を受け入れてしまうのです。時間がかかるかもしれませんが、そこから時が経つにつれて、元気になれるでしょう。

(3)感謝する

しんみりしてしまっているのなら、いっそ感謝してしまいましょう。「おかげさまで自分はここまで大きくなりました。あなたのしてくれたことを無駄にしないためにもこうなります」「素敵な時間をありがとう、おかげで仕事の足も軽くなりました」など、自分の思いを改めて言葉にすることで、自分の心に残っている何かに気がつくことができるはずです。

5:まとめ

喪失感に見舞われたときは、その気持ちをなかったことにする必要はありません。その気持ちを大切にしようという思いが、乗り越えるエネルギーに変わっていくのではないでしょうか。