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共感とは?心理学者が教える同情との違いと共感力をアップさせる方法

平松隆円R.Hiramatsu

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目次

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1:共感とは?

それではさっそくですが、まずは共感とは何かについて考えてきましょう。

(1)心理学用語なの?共感の意味は?

辞書を見てみると、共感の意味が次のように記されています。

きょう‐かん【共感】

他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること。また、その気持ち。「共感を覚える」「共感を呼ぶ」「彼の主張に共感する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

日常的に使っている共感の意味は、他人が喜ぶのを見るとともに喜び、他人が悲しむのを見るとともに悲しむというように、他人と同じ感情をもつことでしょう。

学術的にいえば、「共感は感情の読心能力であり人間関係を円滑に築くための基本的能力」と考えられています。

(2)同情、同調との違いは?

では、共感は同情や同調とどう違うのでしょうか。こちらも辞書で調べてみました。

どう- じょう【同情】

他人の身の上になって、その感情をともにすること。特に他人の不幸や苦悩を、自分のことのように思いやっていたわること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

【同調】

1 調子が同じであること。同じ調子。

2 他に調子を合わせること。他人の意見・主張などに賛同すること。

3 受信機などで、特定の周波数に共振するように固有振動数を合わせること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

同情も同調も、感情をともにすることや、他人の意見や主張などに賛同することという意味では、共感とほぼ同じような意味だということがわかります。

ただし英語で考えた場合、共感と同情は次のような違いがあります。共感(empathy)は「われわれ自身の外側にある対象や情緒について体験したり、あるいはその対象や情緒を理解する能力」とされるもの。同情(sympathy)は「他者の感情を味わったり共有したりする能力、他者の苦しみや悲しみに心を動かされること」と定義されています。

(3)共感性、共感性羞恥とは?

ここで、共感性や共感性羞恥という言葉についてもちょっとだけ触れておきましょう。

1.共感性

共感性というのは、「共感する性質」ということです。心理学的には、「他者の経験について、ある個人が抱く反応」と定義されています。具体的には、共感性には下記の3つの要素があると考えられています。

①相手の気持ちの状態に心が向き、それを「うれしい」とか「悲しい」などの言葉で表現できること。

②相手の立場に立って考えることができること。

③相手と同じ気持ちになること。

2.共感性羞恥

共感性羞恥は、ネットなどで人が怒られたり恥をかくような場面を見たときに、まるで自分が怒られたり恥をかいているように感じてしまうこと。この共感性羞恥という言葉は、学術的に使われている言葉ではなく、インターネット上での造語です。

専門的には「共感的羞恥」という言葉が使われます。これは、1987年にサム・ヒューストン州立大学進学教授のローランド・ミラーという研究者が、「共感性を媒介とする羞恥感情」を「共感的羞恥(empathic embarrassment)」と名付けたからです。

ただし、この「共感的羞恥」の提唱後、さまざまな研究で検討がおこなわれましたが、結論としては「共感性を媒介とする羞恥感情」は存在しないという研究も多く存在しています。

2:共感する力が強い人の特徴3つ

共感のしやすさやその能力には個人差があります。共感する力が強いのはどんな人なのでしょうか。

(1)相手のことを考えられる

周囲にいる人が何を考えているのか、何を求めているのかなど、相手のことを考えられる人は、共感する力が強いといえるでしょう。

(2)表現力が豊か

共感する力は感情の豊かさに比例します。そのため、自分や周囲にいる人がどう感じているのかを言葉で表現するのが得意な人は、共感する力が強いといえるでしょう。もし、表現力が豊かでなければ、「あの人は喜んでいる」とか「こっちの人は怒っている」などと、単純にしか相手の気持ちを理解できないはずです。

(3)映画やドラマで感情移入しやすい

映画やテレビドラマで感情移入しやすい人は、それだけ登場人物に共感して、うれしくなったり悲しくなったりしているわけです。感情移入しやすいということは、共感する力の強さの証でもあります。

(4)困っている人を放っておけない

街中で困っている人を見かけたら、すぐに声をかけて助けるという人も、共感する力が強い人でしょう。というのも、その人が困っている、不安に感じているという感情を読み取ることができるため、すぐに救いの手を差し伸べることができると考えられるからです。

(5)空想好き

共感が強い人は、想像力が豊かであることが多く、空想したり、場合によっては妄想したりするのが好きという特徴があります。

3:共感できないのは病気?共感力を高める方法5つ

たとえ他人に共感できないからといって、病気とはいえません。ただ、乳幼児期や子どものころの周囲の大人との関わり方、友達との関係などによって、共感するのが得意な人もいれば、苦手な人もいるのも事実です。

参考までに、下記の心理テストをやってみましょう。

1.人が頑張っているのを見たり聞いたりすると、自分には関係なくても応援したくなる。

2.まわりの人がそうだといえば、自分もそうだと思えてくる。

3.他人の失敗する姿を見ると、自分はそうなりたくないと思う。

4.悲しんでいる人を見ると、なぐさめてあげたくなる。

5.他人の感情に流されてしまうことがある。

6.他人の成功を見聞きしているうちに、焦りを感じることが多い。

7.空想することが好きだ。

8.小説のなかのできごとが、自分のことのように感じる。

9.人の立場に立って、相手を理解するようにしている。

これは、「多次元共感性尺度」という共感性の情動的な部分と認知的な過程に関わる特徴を測定するテストをもとに作成しました。当てはまる数が多いほど、それだけ共感しやすい傾向があるということです。逆にいえば、当てはまる数が少なかったら、共感が苦手ということになります。

それでは、共感する力が弱い人はどうやったら高めることができるのでしょうか。

(1)小説や文学作品を読む

まず、相手の気持ちを考えたり理解したりするトレーニングをしてみましょう。そのためには、何よりも読書が効果的です。小説や文学作品を読むようにしましょう。

(2)いろいろな音楽を聴く

音楽鑑賞は、感情を豊かにするトレーニングとして最適です。クラッシックやEDMなど、ジャンルは問いませんが、歌詞がある音楽であれば、その歌の意味などを想像しながら聞いてみましょう。

(3)妄想する

いろいろなことを想像したり、空想したりしましょう。これは、ビジネスにおけるケーススタディにもなるのですが、頭の中でいろいろな可能性を考える習慣をつけることは、共感する力を高めるうえで大切です。特に、街行く見ず知らずの人がどんな人なんだろうと想像することはいい練習になるでしょう。

(4)感情的になる

共感が苦手な人は、自分自身の感情を表に出すことも苦手な傾向があるかもしれません。人に迷惑をかけない程度に、感情を表に出すようにしましょう。

(5)相手の立場になって考える

まずは恋人の立場になって、どうすれば恋人が喜ぶのか、何をしたら悲しむのかを考えて行動するようにしましょう。その後、恋人から友達、そして会社の同僚と、さまざまな対象で考えてみましょう。

4:まとめ

共感とはとても大事なものです。ある意味、人間関係やコミュニケーションの基本ともいえるでしょう。ぜひ高められるように努力してみてくださいね。