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生理中に食欲は減るor増える?専門家が解説するドカ食い防止の食事メニュー

並木まき

並木まきM.Namiki

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目次

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1:生理中は食欲が減退するor旺盛になる?

生理中というのは、さまざまな体調の変化を感じるもの。そして、食欲の変化というのも、そのひとつでしょう。

では、実際にどのくらいの人が食欲の変化を感じているのでしょうか。そこで今回『MENJOY』では、20~40代の女性401名を対象に、独自のアンケート調査を実施。「生理のとき、食欲はどのように変わりますか?」という質問をしてみました。

結果は以下のとおりです。

減退する・・・72人(18%)

旺盛になる・・・170人(42%)

まったく変わらない・・・159人(40%)

「旺盛になる」と答えた人がもっとも多かったという結果に。生理中は普段以上に、食事やおやつの量が増えてしまう女性も珍しくないようですね。

2:生理中に食欲がないのはなぜ?食欲が減退する理由

生理中の食欲が変化するのには、体のメカニズムも関係しています。そこで、管理栄養士の松本かおりさんに、生理中に食欲が減退する理由を解説していただきました。

(1)胃腸機能の低下

松本:「子宮の収縮を促すために分泌されるプロスタグランジンには、胃腸の機能を低下させる働きがあり、普段よりも胃腸の動きが弱くなります。

こういった症状を抑えるためには、普段から暴飲暴食を避け、胃に負担をかけない生活を心がけること、体を冷やさないようカイロを貼ったり白湯を飲んだりすることが大切です」

(2)生理痛による食欲減退

松本:「生理痛やお腹の張り、腰痛によって、空腹感を感じにくいことも食欲減退の理由のひとつでしょう。多くの鎮痛剤にはプラスタグランジンの生産を抑える働きがあるので、生理痛がひどくなる前に薬を飲むことをおすすめします。鎮痛剤の使用が気になる場合、漢方などもおすすめです」

(3)子宮内膜症を患っている

松本:「生理中に吐き気がある場合、婦人科系の病気が原因ということも。子宮の内側にしかないはずの子宮内膜組織が子宮以外の場所で増殖、剥離を繰り返す症状を子宮内膜症といいます。

薬や香りの良いアロマなどで改善することも多いですが、少しでも気になる場合は、レディースクリニックの受診をおすすめします」

3:生理中にドカ食いしたくなる理由3つ

反対に、生理中にドカ食いが止まらない! というパターンもありますよね。そこで引き続き松本さんに、ドカ食いが止まらなくなる人の理由についても教えていただきました。

(1)女性ホルモンのせい

松本:「生理中は、セロトニンの分泌を急激に低下させるとも言われており、セロトニンの分泌が下がると、精神が不安定になって、感情の起伏が激しくなったり、気持ちがザワザワしたりします。

この精神的な不安を穏やかにするために、生理のときは、無性に甘いものが食べたくなるということが起こります」

(2)排出される栄養素を補おうとする

松本:「生理時には、多くの水と経血、さらに多くの栄養素も排出しているため、栄養不足や水不足になりやすい時期だともいえます。

生理はおよそ月の1/4の日数なので、一年間で考えると約3ヶ月間女性は経血を排出していることになります。特にビタミンB、ビタミンD群、鉄分が多く排出され、イライラが増したり貧血になったりして、元気が出ない原因ともなります。

体はこの大きなイベントに備え、前もって栄養素を補給しておこうとするのです。これも、生理前になると食欲が増すことの理由と考えられています」

(3)インスリンの働きが低下し、お腹が空きやすくなる

松本:「生理の時に間食が多くなるのは、女性ホルモンの影響によって、インスリンの働きが鈍くなっているであるとも考えられています。

インスリンと呼ばれる、血糖値を下げるホルモンの分泌が低下すると血糖値があがってしまうため、カラダは血糖値を下げようと通常よりも多くの量のインスリンを分泌します。

その結果、食後2〜3時間後に低血糖が生じ、さっき食べたのにまたお腹が空き、甘いものが食べたくなるということが起こります」

4:ダイエット効果を高めたいならこれ!生理中のおすすめ食事制限メニュー

生理中はダイエット効果が見込みにくいともいわれますが、ドカ食いによって太ってしまうのは避けたいですよね。そこで、引き続き松本さんに、生理中にも安心して食べられるメニューを教えていただきました!

(1)きのこ・豚肉・湯豆腐

松本:「食物繊維たっぷりで低カロリーのきのこは、ダイエットの強い味方。炭水化物の白米は避けたいという人も多いでしょうが、朝食に摂れば素早くエネルギーに代わり、脳の活性化にも繋がります。朝食には、きのこ粥がオススメです。

そしてその日のランチには、豚肉のしょうが焼きをチョイスしてみてください。豚肉は、代謝を助ける働きのあるビタミンB群やたんぱく質が豊富なため、ダイエット中にも積極的に摂っておきたい食材です。

昼食であればカロリーの消費が促されるため、それほど気にせず食べられるのではないでしょうか。また、しょうがには血行を促進して代謝をアップする作用があります。

夕食は、ぜひ湯豆腐を。植物性たんぱく質が豊富に含まれ、低カロリーの豆腐は、夜ごはんに積極的に取り入れたい食材のひとつです」

(2)フルーツ・しらたきの置き換えメニュー・おからハンバーグ

松本:「朝、あまり食欲がないという人は、フルーツを食べることをおすすめします。パイン、みかん、アボカドなどのフルーツには果糖が含まれているため、昼食までの空腹をやわらげ、血糖値の急激な上昇を防いでくれます。

そしてランチは、パスタの代わりにしらたきを代用すると、カロリーを抑えておいしく食べることができます。しらたきのカルボナーラは、こってりした味わいが満足度を上げてくれるのに、カロリーが低いのでおすすめです。

そして夕食には、おからハンバーグを。糖質が圧倒的に低く、たんぱく質が高く、ビタミンやカルシウムなど代謝をあげる栄養分も豊富に含まれているおからは、腹持ちのよさも魅力です」

(3)野菜スープ・こんにゃくステーキ・サラダチキン

松本:「朝食を野菜スープにすれば、簡単に作れるうえに、脂肪の燃焼を助ける効果、デトックス効果、基礎代謝のアップなどが期待できます。キャベツ、玉ねぎ、人参、トマトなどを入れるとベストですが、冷蔵庫の余り物を使用してもいいでしょう。

ランチにはこんにゃくステーキがおすすめ。こんにゃくはカロリーが低く、食物繊維が直接大腸まで届き、便をスムーズに排出する効果があるため、便秘で悩んでいる人にも最適です。

夕食にはサラダチキンを。脂身の少ないむね肉を使ったサラダチキンなら、カロリーをあまり気にせずに食べることができます。コンビニやスーパーで買ってきてすぐにそのまま食べられるので、仕事で疲れて帰ってきた日には嬉しい一品ですね」

5:生理中の食欲変動には上手に付き合おう

生理中は、体のさまざまなバランスが乱れがちなので、食欲にも波が出やすいもの。食欲の波に一喜一憂してしまうと、ストレスのもとにもなってしまいがちです。

減退しているときも旺盛なときも、食べるものに気をつけて、生理中の食欲の変化と、上手に付き合っていきましょう!

取材協力松本かおり

管理栄養士。北海道生まれ。大学卒業後、管理栄養士として病院に勤務し70〜80代の患者さんを中心に栄養カウンセリングを担当。大学在学中にはイギリスへ短期留学し、地元の食材を使ったヘルシー日本料理を現地の方に紹介するなど、食を通じた国際交流を積極的に行う。