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こんな夫婦は要注意!「コロナ離婚のチェックリスト」4選

中田綾美

中田綾美A.Nakata

目次

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1:コロナ離婚とは?

テレビや新聞、ネットニュースなどで「コロナ」という文字を見かけない日はなくなりましたが、感染拡大など医療に関する問題だけでなく、「コロナ離婚」のような家庭問題の深刻化もささやかれています。

「コロナ離婚」とは、新型コロナウイルス流行に伴うさまざまな問題により、夫婦関係が悪化し、離婚にまで発展するケースのこと。男女問題に特化した露木行政書士事務所では、実際に、オンラインで離婚相談する人が増えてきているそうです。

そこで今回は、行政書士の露木幸彦先生の協力を得て、どんな夫婦がコロナ離婚の危険性が高いのか、実例をもとにチェックリストを用意しました。

2:こんなことがあれば要注意!コロナ離婚のチェックリスト4つ

さっそく、行政書士の露木幸彦先生に、コロナ離婚についてのチェックポイントをお話ししてもらいました。

(1)問題への取り組み方について夫婦間で話し合いができていますか?

露木:「コロナ発生から現在まで、家庭内でもさまざまな問題が起こったことでしょう。物資の不足、外出の自粛、休校中の育児、テレワーク中の家事分担などなど……。夫婦の間で話し合い、意見を言い合い、結論を出すことができたのならよいのですが、話が通じず、喧嘩してばかりだとしたら、今後も夫婦の関係は悪化の一途を辿るのは明白です。

例えば、都市部の総合病院で働く看護師・Kさんからの相談ケースです。勤務先が感染者の受け入れ先ということもあり、コロナ問題発生後、Kさんは、休日返上で奔走せざるを得ない過酷な状況におかれました。

他方、Kさんの夫は、法律事務所の事務職員。事務所への出勤がなくなり、最低限の仕事を自宅のパソコンで行うだけのテレワークに移行したのですが、夫は疲労困憊のKさんを労わるどころか、家事もKさんに任せきり。

洗濯物をたたむなど、ごく簡単な家事だけでもとお願いしてみても、“家事は女がやるもの”という価値観に凝り固まった夫は、とりつくしまがないようでした。家事分担の話をすると喧嘩になるので、Kさんは夫の言いなりになっていますが、内心では夫に強い憎しみを募らせているという状態です」

今回のコロナ問題において、とりわけ夫婦関係に大きな影響を及ぼしたのは在宅勤務によって生じる生活の変化。夫が在宅勤務をきっかけに家事を分担するようになったことで妻の日ごろの苦労を実感し、夫婦関係が良好になったというケースもありますが、逆に、Kさんのように妻側の負担が一方的に増加するようなケースも。

(2)夫婦で協力して問題解決できていますか?

たとえ夫婦で喧嘩になっても、双方が問題に真剣に向き合い、本音で意見をぶつけ合っているのであれば、関係改善の見込みはあるかもしれません。最悪なのは、夫婦の一方が問題から目を背けて、解決策を相手に一任してしまうこと。

露木:「コロナ危機の長期化に伴って、当初は想像だにしなかった別の問題が次々と発生しています。例えば、休校の有無による学生の学力格差、自粛対象の有無による業種間の経済格差などです。新しい問題に直面したとき、配偶者は足手まといだと感じ、自分でやったほうがいいと感じるでしょうか。

さきほどのKさんのケースでは、元々妻のほうが収入が高かったのですが、今回のコロナ禍でさらに格差が広がりました。そんな中、夫は自分の収入が下がったことに対して危機意識を持たず、“これまで折半にしていた家賃は、しばらくそっちで払ってよ。残業続きで給料も増えるんだろ?”と平然と言ってのけたそうです。

ちなみに、夫は趣味の車のローンを毎月5万円ずつ返済中。車を手放せば少しは収入減の穴埋めもできるだろうに、夫には自分の身の切るという発想がありません。そうした無神経さ、身勝手さも、Kさんにコロナ離婚を決断させる一因になったようです」

Kさんの夫のように他人任せの配偶者は、たとえコロナが収束しても、この先、別の問題が起きたときにも、頼りにならないはず。夫婦とは本来、悩みや苦しみを分かち合う関係です。大変な時期を一緒に乗り越えられないパートナーなんて意味がありませんよね。

(3)危機的な状況における配偶者の対応に失望することはありますか?

露木:「危機的な状況に陥ると、化けの皮がはがれ、本性が丸出しになるもの。例えば、物資の買い占めや自粛要請の無視、フェイクの情報を信じ込んでしまうなど、配偶者のネガティブな部分を目の当りにした場合、それでも信用できるでしょうか?

医師を夫に持つHさんからの相談事例です。ドイツに留学中だった夫は、今年2月に留学を切り上げて一時帰国。Hさんは、夫から“2週間の自宅待機の間、君は実家にいたほうがいい”と提案を受け、しばらく実家に戻っていました。

Hさんは当初、この夫の言葉を“私に感染させないように気遣って”と好意的にとらえていたそうです。しかし、のちに自宅の防犯カメラの映像から、夫が不倫相手の女性を連れ込んでいたことが発覚。つまり、夫が帰国したのも、妻を実家に帰らせたのも、不倫相手との逢瀬を楽しむためだったのです。

夫の裏切りはこのときが初めてではなかったそうなのですが、Hさんは不貞行為そのものよりも、接触禁止の期間にもかかわらず女と濃厚接触した夫の非常識さに心底嫌気がさしたといいます。

また、別のTさんの相談ケースでは、大量のマスクを買い占めて得意顔の夫に愛想が尽きたという話も。いくら品薄とはいえ、マスクのためにあちこち出歩いたり、行列に並んだりしていては、感染リスクが高まり本末転倒。また、大量の買い占めから“自分さえよければ”という性根が透けて見えて、“この人とはやっていけないかも”と離婚の2文字がよぎったそうです」

危機的な状況というのは、相手の正体を見極める機会にもなり得ます。この一連のコロナ騒動において、パートナーがあなたの価値観と相容れない言動をとった場合、「この人って……」という違和感は、コロナ収束後もいつまでも尾を引くかもしれません。

(4)今後の人生を悔いなく過ごすには誰と一緒にいたいですか?

露木:「新型コロナウイルスは恐ろしい存在で、誰にでも死亡リスクがあります。感染経路がわからずに感染した方も増えているので、もはや完全に安全な場所はなく、どこで感染してもおかしくありません。思わぬ形で命を落とす可能性があることを踏まえ、今後の人生をどのように過ごしたいのかを再考したとき、隣にいるのは誰が良いですか?

先の相談例で、Hさんの夫は医師、3人目のTさんの夫は公務員です。いずれも社会的に安定した地位ですが、HさんもTさんも、今後の自分の人生を思い描いたときに、この先ずっと夫と一緒にいるのが考えられないという結論に至りました。

まだ世の中が落ち着いていない状況ですから、離婚を直接切り出してはいないものの、ひとり目のKさんも含め、3人とも着々と水面下で離婚準備を進めているところです」(露木先生)

3:コロナ離婚を避けるためにはどうしたらいい?

ここまで、女性から「離婚したい」という相談を受けたケースを紹介してもらいましたが、逆に夫が妻に対して不満をためこみ、密かにコロナ離婚を目論んでいるケースも多々あるでしょう。

ではコロナ離婚を避けるためには、どうすればいいのでしょうか。

相談事例3つの共通点は、パートナーの一方が自分の都合や欲求ばかりを優先させて、相手への配慮が欠けているという点です。

ひとり目の家事分担拒否夫や、ふたり目の連れ込み不倫夫とくらべて、3人目のマスク買い占め夫は、まだ好意的に解釈する余地もあるでしょう。しかし本心から妻のためというより、独りよがりな傾向は否めません。

「パートナーのため」のつもりで、本当は自分の価値観を相手に押し付けようとしているだけということはないでしょうか。 「自分ばかり辛い思いをしている」と不満なとき、相手も自分と同じかそれ以上に精神的負担を抱えていないでしょうか。

何か思うことがあれば、率直にパートナーと話し合うのがひとつの回避方法かもしれません。

4:まとめ

新型コロナに限らず、災害というのは、離婚などトラブルの火種になるだけでなく、人間関係を見直したり、逆に絆を強めたりするきっかけにもなります。

コロナがきっかけで相手の許せない本性を知った場合、ただ我慢するのではなく離婚というのもひとつの選択肢。しかしながら、もしもコロナ離婚を回避したいのであれば、この機会に夫婦でよく話しあってみてはいかがでしょうか。

取材協力露木幸彦

行政書士・ファイナンシャルプランナー。行政書士事務所の開業から6年間で、有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界で最大規模に成長させる。新聞やウェブメディアで執筆多数。著書は『男の離婚ケイカク クソ嫁からは逃げたもん勝ち なる早で! ! ! ! ! 慰謝料・親権・養育費・財産分与・不倫・調停』(主婦と生活社)など11冊。公式ブログも要チェックです。