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結婚詐欺の手口やテクニックは?詐欺に遭いやすい人と騙されない方法

並木まき

並木まきM.Namiki

目次

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1:結婚詐欺とは?

「結婚詐欺」は映画やドラマだけの話ではなく、現実にも起こりうる出来事です。まずはこの機会に、正しい意味を知っておくべく、辞書で調べてみました。

けっこん‐さぎ【結婚詐欺】

結婚を約束して相手を信用させ、金品などをだましとること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

イメージしやすいところとしては、「結婚しよう」と相手をその気にさせておいて、実際には結婚せずに、お金などをだまし取って消えてしまうパターンです。

恋愛関係というのは、条件などが明確にあるわけではありません。実際に恋愛を経て別れに至る場合と、それが明確に詐欺行為である場合の区別がつきにくいのが、結婚詐欺がなかなかなくらない理由でしょう。

2:結婚詐欺にあたる行為は?結婚詐欺が認められる5つの要件

現実問題として、「結婚詐欺」にあたる行為には、どんなものがあるのでしょうか。法律的な見解や要件を、結婚にまつわる問題に詳しい、アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士に教えていただきます。

高橋「これまでに“婚約までしていたのに、急に連絡がつかなくなった。これは結婚詐欺に違いない!”という相談を受けたことが何度かあります。しかしこういうケースの大半は、詐欺罪にはなりません。

結婚詐欺が罪になるためには、要件が定められています。

①初めからお金や財産を騙し取る目的で(故意)

②結婚するつもりがないのに結婚するふりをして振る舞い(欺罔行為)

③結婚してくれると相手を信じ込ませ(錯誤)

④結婚する前提でお金や財産を渡すこと(財産的処分行為)

この要件を満たさなければなりません」

(1)初めからお金や財産を騙し取る目的で(故意)

高橋「簡単に例を挙げますと、例えば結婚するつもりで婚約指輪を受け取ったけど、やっぱり気持ちが変わってしまったという話であれば、①については、“初めから財産を騙し取る目的ではなかった”ということになり、詐欺罪にはなりません」

(2)結婚するつもりがないのに結婚するふりをして振る舞い(欺罔行為)

高橋「また、結婚する気持ちはあるものの、他にも異性交遊をしていたというだけであれば、結婚詐欺の要件は満たさない場合も多いです。

例えば、他の異性とも交遊していたというだけでは、②の“結婚するつもりがないのに結婚するふりをして振る舞い”には当たらないでしょう」

(3)結婚してくれると相手を信じ込ませ(錯誤)

高橋「③の“結婚してくれると相手を信じ込ませていた”についても、結婚する気持ちはあるものの、他にも異性交遊をしていたというだけであれば、該当しません」

(4)結婚する前提でお金や財産を渡すこと(財産的処分行為)

高橋「あくまで詐欺罪は、財産的な損害がなければならないので、騙されて肉体関係を結んでしまったというだけの話であれば、④の要件である、お金や財産を渡してはいないために、詐欺罪にはなりません」

(5)客観的な状況が積み上げられないと立件は困難

高橋「上記4つが理屈の面ですが、実際のところ、初めから財産を騙し取る目的だったことを立証すること、つまりは相手の“最初は結婚する気だったんですよ”という弁解を否定することは非常に困難です。

人の心の中というのは、証拠にすることはできません。名前を偽っていたり、存在しない会社への出資などを依頼していたり、既婚者であることを巧妙に隠していたりといった客観的な状況が積み上げられなければ、詐欺罪での立件は難しいのです。

しかも、相手の本名がわからないために、犯人の特定すらできず、泣き寝入りをせざるを得なくなってしまうリスクも高いです。まずは何よりも、被害に遭わないことが大切です」

3:結婚詐欺師がよく使うテクニック・手口5つ

続いては、結婚詐欺師がよく使うテクニックや手口について、高橋弁護士に教えていただいた内容をもとにまとめていきます。

(1)自宅を教えない

詐欺をしようとする人は、最初から詐欺目的で異性に近づくので、自宅を教えないパターンが多いようです。

(2)勤務先が架空

相手から聞いた勤務先が、インターネットで検索をしても出てこない場合には要注意。何か隠したいことがあるからこそ、嘘をついている可能性が高いです。

(3)結婚の話をしたあとにお金の相談をする

結婚詐欺をする人の目的は、お金を騙し取ることであるケースが多く、結婚の話で安心させてから、お金の相談をして同情心をあおるパターンも一般的です。

(4)不特定多数と知り合えるサービスなどで相手を探す

友人や知人がいない場での出会いは、詐欺をしたあとにフェイドアウトしやすいことから、結婚相談所や婚活パーティーなどで騙す相手を探す詐欺師も多いようです。

(5)友人や身内が一切登場しない

普通、結婚を意識した相手ならば、家族や信頼できる友人にも、自分のことを話したり、紹介したりするもの。そういったことが一切ないのは、やはり不自然といえるでしょう。

以上の点について、高橋弁護士は次のようにコメントしています。

高橋「“恋は盲目”といいますので、不安がよぎっても、感情的に否定したくなるかもしれません。しかし自宅を教えてくれない、職場がインターネットで検索しても出てこない、身内や友人を一切紹介してくれない、結婚の話が出た後にお金の相談をしてくるといったような場合には、結婚詐欺の可能性があるので、慎重に対応したほうがいいと思います。

結婚詐欺師は、結婚前提での出会いを求めている男女が恰好の的ですので、友人知人の紹介ではない、結婚相談所や婚活パーティなどでの出会いというのは、そうしたリスクも含んでいることを認識していただければと思います」

4:結婚詐欺に遭いやすい女性の特徴5つ

(1)結婚を急ぎすぎている

結婚を急ぎすぎているタイプは、出会ってからすぐに結婚したがるため、詐欺師にとっては狙いやすいタイプ。一般的に出会ってすぐに「結婚しよう」と言ってきたならば、普通は警戒する人が多いのですが、「結婚したい」という気持ちが強すぎれば、真に受けやすいでしょう。

(2)すぐに他人を信用する

人を信用するのは悪いことではありません。しかし、出会ってから間もない相手のいうことを、100%信じてしまうような女性は、婚活市場においてはリスキー。たとえ詐欺師に出会って嘘をつかれていても、それに気づきにくいでしょう。

(3)経済的に恵まれている

詐欺師は「結婚」をエサに金品をまきあげるのが目的。そのため、経済的に恵まれている女性ほど、ターゲットにされやすいようです。

(4)異性経験が年齢のわりに浅い

異性経験が少ない女性は、詐欺師と出会っても、他の多くの異性との比較がしにくいので、その行動に違和感を抱きにくいのも事実です。

(5)友人や知人が少ない

友人や知人が少ない女性は「怪しいかも?」と思っても相談する人がいないため、ズルズルと詐欺師のペースに巻き込まれやすいのです。

5:相手が結婚詐欺師かどうか見極める方法3つ

(1)真実のプライベートを明かしているかをチェック

自宅や勤務先など、相手が言っている話が真実であれば、詐欺師であるリスクは低くなります。相手の素性が、聞いている話と合致するかをチェックすることは、詐欺被害のリスクを回避するためには有効です。

(2)お金を渡さないでもいなくならないか

もしも切実な理由などを説明されてお金を要求された場合、すぐに相手の言いなりになって、お金を渡してはいけません。お金を渡さなかったとしても、相手がいなくならなければ、詐欺目的である可能性は、多少は低くなると考えられるでしょう。

(3)結婚に向けて具体的な行動をしているか

「結婚しよう」が口先だけでなく、実際に行動に表れている場合には、詐欺である可能性は低いでしょう。親に会わせる、結婚式場を予約する、新居を契約するなどの具体的な行動が多いほど、安心感は高まります。

6:すぐに「結婚」を匂わせる相手には気をつけて

「自分だけは結婚詐欺に遭わない」と自信があっても、信じていた相手が詐欺師であるリスクはあります。あまりにも性急に結婚の話を匂わせる相手と出会った場合、それは詐欺かもしれません。残酷ではありますが、実際に結婚詐欺は今も暗躍していて、泣き寝入りを余儀なくさている人もいるのです。

取材協力高橋 裕樹弁護士

アトム市川船橋法律事務所弁護士法人代表弁護士。岩手県盛岡市出身。2008年(平成20年)弁護士登録。千葉大学法経学部法学科卒業。