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モラルハラスメントとは?モラハラ夫の特徴と効果的な対応法3選

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:モラルハラスメントの定義は?

(1)厚生労働省のサイトにおける「モラハラ」の定義とは?

厚生労働省の運営する、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」によると、「モラハラ=モラルハラスメント」の定義は下記のように定められています。

言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせることをいいます。パワハラと同様に、うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。

出典:働く人のメンタルポータルサイト 心の耳(厚生労働省)

定義の中では、主に職場でのモラハラについて触れられていますが、モラハラが起こるのは必ずしも職場だけとは限りません。職場以上に深刻化しやすいのが、家庭内でのモラハラです。

(2)『モラル・ハラスメント被害者同盟』とは?

『モラル・ハラスメント被害者同盟』とは、熊谷早智子さんという人が2003年より管理・運営している個人サイト。家庭内で起こったモラハラ被害者の方々を手助けする目的で運営されています。

ご自身も結婚生活の中で夫からの壮絶なモラハラ被害に遭っていたという熊谷さん。その経験を踏まえて、被害の相談に乗ることはもちろん、モラハラ夫から逃れるために、どのような行動を起こすべきかなどを紹介しています。夫からのモラハラに悩む女性たちにとっての駆け込み寺のようなサイトです。

2:舌打ちもまずい!夫婦間におけるモラルハラスメントの事例3つ

肉体を傷つける家庭内暴力=DV(ドメスティックバイオレンス)に比べると見過ごされやすい、モラハラの事例をご紹介します。

(1)経済的DV

夫が家計を管理していて、必要な生活費を渡してもらえない、レシートをチェックされて説教を受ける、ギャンブルなどで浪費する……。家族の経済的自由を奪い負担を強いる行為は、一般的に「経済的DV」と呼ばれるモラハラです。

世帯としては十分な収入があるにもかかわらず、家族にお金を渡さないというケースも多く、傍目からは経済的に安定している家庭とみなされるため、問題が表面化しにくいという難しさがあります。

(2)不機嫌や苛立ちを家族にぶつける

人間誰しも気分が乗らないときがあって当たり前。ですが、それを家族に当たり散らすとなると話は別です。気に入らないことがあるとすぐ舌打ちをするなど、苛立ちを家族にぶつける行為も立派なモラハラです。

(3)行動を制限する

学生時代の友達の結婚式や飲み会に参加させない、友人の連絡先を消させる、許可のない外出を禁じるなど、周囲の人間関係から孤立させようとする行為もモラハラのひとつ。

また、働きに出ることを許さないというケースもよくあり、これは結果として経済的DVにも繋がるモラハラ行為でもあります。

3:モラルハラスメントの加害者になりやすい夫の特徴3つ

一生を左右することだからこそ、モラハラ夫になる兆候があるかどうかできれば交際中に判断しておきたいですよね。そこで、モラハラ夫にありがちな特徴を3つご紹介します。

(1)サービス業スタッフへの態度が悪い

モラハラが発覚したとき「まさかあの人が」と驚かれる例は多く、モラハラ夫ほど外面が良いという特徴があります。モラハラ夫は、表の顔を見せるべき相手と、そうでない相手とを分けているのです。

飲食店などの従業員や駅員さん、タクシーの運転手さんなど、いわゆるサービス業スタッフへの態度は、素の状態である可能性が大。横柄だったり見下した態度をとっている場合、それが将来の妻に対する態度になるかもしれません。

(2)欠点ばかり指摘する

親切心でアドバイスをするように見せかけて「ここが悪い、あれが失敗だ」とけなすようなことばかり言う人は要注意。

モラハラ夫は支配欲の強い人が多く、否定の言葉を使って自分の正当性を主張しようとします。言われた側は「お前のためだ」という大義名分のせいで反論もできず、最終的には人格そのものを否定されることになりかねません。

(3)節約家すぎる

計画性の無い浪費家は困りものですが、計画性のない節約家も同じく問題です。目的があってお金を貯めているならまだしも、貯金自体が趣味という場合には警戒する必要があるかもしれません。

モラハラ夫は自分のこと以外にお金を使うことを極端に嫌がります。過剰な節約を強要してくる、たった数円でも損したがらないなど、お金への執着心が強すぎる人はモラハラ黄色信号といえそうです。

4:モラルハラスメントに被害者になりやすい妻の特徴3つ

モラハラ加害者に共通点があるように、被害者にも少なからずの共通点があります。自分を責める必要はまったくありませんが、思い当たる節がある場合は少し意識してみるのもいいかもしれません。

(1)真面目で一生懸命な性格

夫婦間のモラハラ被害の話を聞くと「どうして離婚しないのか」と疑問に思うでしょう。冷静に考えればそのとおりなのですが、被害者の多くは、真面目ゆえに離婚に踏み切れないことが多いのです。

また、一生懸命な人ほど理不尽な要求にも応えようとしてしまうもの。モラハラ夫はその性格を利用して、自分の思い通りになるようますます被害者を追い込んでいくのです。

(2)優しすぎる

寛容さは美徳ですが、そこにつけ入るのがモラハラ夫。最初のモラハラ行為を許してしまったがために、行為がエスカレートしてしまうことはよくあります。

優しい人は、どれだけ酷いことをされても「本当は良い面もある」「見捨てることができない」という思考に陥ってしまうことがあります。結果としてモラハラを受け入れてしまうのです。

(3)自己肯定感が低い

モラハラをする人は、相手を選んで攻撃しています。言いなりになる人に対してだけ威圧的な態度を取るのです。

自己肯定感が低い人は、反発するより先に自分を責めてしまいがち。「お前が悪い」と言われた場合、「そうか、私が悪いんだ」と鵜呑みにしてしまって、さらに自分に自信がなくなるという悪循環に……。まさにモラハラ夫の思う壺といえます。

5:モラルハラスメントのある家庭で育った子どもの特徴3つ

モラハラ夫は子どもにとっても悪影響を与えるもの。以下のような特徴がみられるようです。

(1)結婚に対する希望が無くなる

怯える母親に、横暴な父親……幸せな家庭とは程遠い環境では、家庭に対して希望が見出せなくなるのも無理もないことです。たとえ結婚したい相手がいたとしても諦めるケースも多々あるようです。

(2)心の不調が体の不調に繋がる

モラハラが原因で離婚し家庭環境が落ち着くと、それまで悩まされていた子どもの持病が治ったというケースがよくあるようです。

逆をいえば、体調を崩してしまうほどモラハラのある環境は、子どもに悪影響だということ。子どもは言葉を使って気持ちを表すことがうまくできないぶん、心の悩みが体調不良に表れてしまうのです。

(3)モラハラをするようになってしまう

子どもにとって親は見本です。日常的にモラハラ行為を見続けていると、子どもも人に対して暴言を吐いたり、威圧的になったりする可能性があります。さらに、親に対してもモラハラをするようになることも。モラハラがモラハラを呼ぶ、負の連鎖といえます。

6:モラハラ夫への効果的な対応3つ

初期段階であれば、相手を変えることができるかもしれない対応法を紹介します。

(1)威圧的な態度に反応しない

威圧的な態度を取られても、まずは無反応を決め込みましょう。その代わり、普通の態度で接してきた場合は、きちんと相手をします。これを何度も繰り返して「威圧的な態度では反応がない」ことを学んでもらうのです。

(2)経済的に自立する

「この人がいないと生活できない」という後ろめたさは、モラハラ行為に耐えてしまう原因のひとつになります。経済的な安心感は人を強くし、自信をつけてくれるはず。

外に出て働くことができない場合は、フリマサイトなどで物を売り、収入を得る方法もあります。たとえわずかでも、稼げるという体験は、いざというときに勇気を与えてくれます。

(3)感情的にならない

「泣くまで謝らないと許してもらえない」という例のように、相手を動揺させ感情的にさせることが目的のモラハラ夫には、徹底的に無感情になって対抗するしかありません。

泣かない、怒らない、怯えない。感情的になっても相手を喜ばせるだけです。心に鎧をつけるつもりで、淡々と対処していきましょう。

7:部下から上司に行われることも?職場におけるモラルハラスメントの事例3つ

モラハラとパワハラの違いは「職場での上下関係を利用せず行われる」ところ。職場で起こりやすいモラハラの事例をご紹介します。

(1)暴言・嫌味・陰口など、言葉によるモラハラ

「使えないやつだ」「こんな仕事で給料をもらうつもりか」「バカだからできない」など、行きすぎた言葉による指導はモラハラ行為にあたります。血気盛んな現場だから、昔からの社風だからと、職場によってはこれを容認する空気が蔓延していたりしますが、許されざる行為です。

また、部下が上司に対する陰口を言うなど、職場での立場に関係なく行われることも言葉によるモラハラの特徴です。

(2)無視・連絡をしない・誘わないなど、人間関係を壊すモラハラ

挨拶や報告をしても無視される、業務に必要な連絡をしてもらえない、飲み会などの集まりに誘われない……これらは被害者を孤立させてしまう行為です。

人間関係を壊すモラハラは、行為ひとつひとつが陰湿で気付かれにくいため、周囲に相談しても真剣に受け止めてもらえないことが多々あるので、録画や録音などの証拠集めがポイントです。

(3)年齢・性別・容姿などを侮辱するモラハラ

性別に関わるハラスメントは男性から女性に対して行われるものという印象がありますが、逆の場合も多く見受けられます。「男のくせに力が無い」「男だから不器用だ」など、性別による決めつけ、体臭や容姿をからかうなどもモラハラ行為です。

本人が変えようのないことをやり玉に挙げ、外見を笑いものにするなどもっての外。子どもじみた価値観によるモラハラといえます。

8:まとめ

モラハラのいちばんの特徴は、表に出にくいところ。「これくらい誰にでもある」と、我慢を重ねてしまう人が多いのが現状です。

「ちょっとおかしいな」と思ったら、とりあえず誰かに相談する勇気を持つのも大切。自治体や行政の窓口などを活用しながら、自分の幸せのために前向きに進んでいきましょう。