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定性的の正しい意味は?定量的との違いや言葉の使い分け方を解説

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:「定性的」とは?

「定性的」というのは、とても説明しづらい言葉です。まずは辞書で意味を調べてみました。

ていせい‐てき【定性的】

1 性質に関するさま。ある物質にその成分が含まれるかどうかを表す場合などに用いる。「定性的検査」

2 数値・数量で表せないさま。「人事の定性的評価」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

ざっくりいうと「数値などで明確に表せないこと」や、「性質的、抽象的なこと」を指し示す言葉です。対義語として「定量的」という言葉があり、こちらは「数値や数量で表せる様」を指します。

英語では、定性的が「Qualitative」、定量的が「Quantitative」となります。このふたつの単語もとても似ているので、間違えて使わないようしっかり覚えておきましょう。

2:定性的の使い方

「定性的」という言葉は、ビジネスではどのような使い方をするのでしょうか。代表的な使い方を解説します。

(1)定性的調査

数値化することが難しい事柄を調査することを指します。例えば「商品を選ぶときの心情」や「この行動をする理由」など、「はい」「いいえ」で答えられない価値観や心理構造のことです。

代表的な定性的調査としては、グループに面接形式でインタビューをする「フォーカスグループインタビュー」や、ユーザーに対して意見を求める「ユーザーインタビュー」、記述式のアンケートでは「自由記述」がこれにあたります。

(2)定性的データ

顧客の心理状況や行動理由など、数値化できないデータのことを指します。上述した「定性的調査」によって、これらのデータを集めることができます。

数値化できないこれらのデータは、顧客の心情や行動理由の把握に不可欠なもの。マーケティングや商品開発、サービスの向上など、ビジネスのさまざまな場所で役立ちます。

(3)定性的分析

記述式アンケートや行動など、定性的データを分析することを「定性的分析」といいます。また、定性的データに含まれない「はい」「いいえ」の結果についても、「なぜその行動をとったのか」「なぜこちらの回答が多いのか」など、数値以上の内容を読み取って被験者の心情や行動理由を分析することは、「定性的分析」に含まれます。

3:「定性的」と「定量的」の違いは?

対義語である「定性的」と「定量的」。意味は逆ですが、目標を設定するときや相手に正確に物事を伝えるためには、「定性的」な表現と「定量的」な表現を合わせて使うことが効果的です。ビジネスで使える「定性的」と「定量的」の使い分けを、実際に例文を使って解説します。

(1)目標「半年後までに痩せる」を例に説明

誰にでもわかりやすい例え話で解説します。

ダイエット宣言する女性は多くいますよね。「半年後までに痩せます!」と言われても、どの程度本気なのかはわかりません。例えば、友人や彼女がそう宣言をしても「また口だけのダイエットか」なんて思ってしまうかも。では、定性的、定量的に目標を宣言するとどうでしょうか。

(2)定性的な言い方にすると

先ほどの目標に定性的な説明を加えると、例えば「半年後、このワンピースを着て結婚式に行きたいので、ワンピースが着られるように痩せます」となります。定性的な表現であれば、こうしたい、こうなりたいというイメージを相手に伝えることができます。

(3)定量的な言い方にすると

定量的な言い方では、数値を明確に示します。例えば「半年後までに現在70cmのウエストを、65cmまで落とします」となります。具体的に数値で示すことで、どのくらい大変な目標なのかが明確になりますね。

4:目標設定には「定性」「定量」を使い分けよう

先ほどのダイエットの話のように、目標を定性的、定量的に示すことで相手にも伝わりやすくなります。次は、ビジネスにおいては、これらのメリットがどう作用するのか解説していきましょう。

(1)メリット

目標設定に「定性」「定量」を用いた表現を使うことは、多くのメリットがあります。

具体的に上げると、「目標が明確になる」「共有がしやすくなる」「進捗の確認がしやすくなる」などです。特にビジネスでは、グループや会社全体でひとつの目標に向かって進んでいくという場面が多いため、イメージの共有や具体的な数値の共有・進捗確認は、目標達成するための重要なポイントになります。

(2)定性で行動目標を立てる

最終目標が示されれば、それに対して何をすればいいかが明確になります。

「来年このワンピースを着て結婚式に出る」という定性的な目標設定を掲げることで、まず「ダイエットをしなければならない」ということがわかります。そしてダイエットのためには、「食事制限」や「運動」「筋トレ」をする必要がある、というように、どう行動すれば目標に到達できるのかがイメージしやすくなります。

(3)定量でアクションを具体化する

定量的な目標を掲げると、より具体的に何をしたらいいかを洗い出しやすくなります。「半年後にウエスト65cm」を目指すのであれば、腹筋を毎日何回やって、1日の摂取カロリーを何カロリーにおさえるか、などです。

また、半年後に65cmなら「3か月後には何cmになっていればいいか」など、目標に対しての進捗管理や、より細かいスパンでの目標管理がしやすくなります。

(4)目標管理はバランス良く

目標を設定するうえで、「定性」「定量」どちらもメリットがあります。大事なのは、どちらかを重視するのではなく、どちらも取り入れて、よりわかりやすく目標を伝えることです。

「ウエストを65cmにする」ことにこだわって不健康なダイエットで痩せすぎてしまうと、せっかくのワンピースもきれいに着こなせません。これでは本末転倒ですよね。

ビジネスにおいても、数字だけを追いかけて実際の目標を見失うなんてことにならないよう、定性と定量を組み合わせてバランス良く目標を掲げるようにしましょう。

5:まとめ

物事には常に「定性的」な面と「定量的」な面があります。相反する意味を持ちますが、どちらが欠けてもビジネスではデメリットを生みますし、自分自身の目標を設定して、行動するうえでも効果的です。

どちらかに考えが偏りすぎないよう、普段から意識していきたいですね。