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真摯の意味は?ビジネスシーンで使う事例と真摯さを感じた言動

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:「真摯」の意味は?

「真実」や「真心」などに使われる「真」に、「手厚い、まじめ」という意味をもつ「摯」を組み合わせだけあって、「真摯」というのは、その文字からも誠実なイメージがあふれ出ていますよね。

まずはその正しい意味を調べてみました。

しん‐し【真摯】

まじめで熱心なこと。また、そのさま。「真摯な態度」「真摯に取り組む」

出典:goo辞書

イメージのとおり、「まじめ」「熱心」など、一途かつ誠実に物事に打ち込む意味合いの言葉です。

2:ビジネスでも使う!「真摯」を使う事例と使い方5つ

「真摯」という言葉は真面目で誠実なイメージを相手に与えるため、ビジネスでとても活躍する単語です。どんな使い方があるのかチェックしておきましょう。

(1)「真摯に受け止める」

いちばんよく耳にする使い方ともいえるのではないでしょうか。この場合の「受け止める」という表現は、良い評価を得たときではなく、マイナスなことへの指摘に対して使われます。つまり「真摯に受け止める」とは、「指摘を重く受け止めている」というニュアンスになり、しっかり反省しているイメージを相手に与えます。

ビジネスでも、大きなミスを指摘された際に「今回のご指摘を真摯に受け止め、誠心誠意対応させていただきます」などと返すことができれば、相手の心象を良くすることができるかもしれません。

(2)「真摯に向き合う」

こちらもあまり良い意味では使われません。お客さまの声や、業績の悪化、目の前の問題などマイナス要素に対して「目を背けずに向き合っていく」という意味合いで使われる言い回しです。

現状は決して良くなくても、「真摯に向き合う」という表現を使うことで「問題を解決していく気持ちがある」「今後に期待してほしい」ということを相手に伝えることができるでしょう。

(3)「真摯に対応をする」

「対応する」ということは、相手の行動に対して何かしらのアクションを起こすこと。「お客さまからのクレームには真摯に対応しましょう」「今回の不具合について、真摯に対応させていただきます」というように使います。こちらもマイナスの要素に対して「真摯」という言葉を使うことで、誠実に対応する姿勢を見せることができます。

(4)「真摯に取り組む」

マイナスなイメージを払拭するために使われることが多い「真摯」という言葉ですが、プラスの意味でも使われます。「真摯に取り組む」という使い方はビジネスや就活などさまざまな場面で活躍します。

「次の仕事には社運がかかっています。真摯に取り組む所存です」「御社に採用いただけましたら、御社の発展に真摯に取り組みたいと考えています」など、物事に全力を尽くして取り組みたいという姿勢をアピールするときに使うと良いでしょう。

(5)「真摯な姿勢」

その人の態度や心意気を表す「姿勢」という言葉。行動そのものでなく、その行動や態度からにじみ出る本気度を表す言葉です。

結果に関わらず、物事に真剣に取り組む様は人の心を動かします。「彼の仕事に対する真摯な姿勢が評価された」「お客さまに対する真摯な姿勢は見習いたい」など、その人の仕事ぶりを評価するときに使われる言い回しです。

3:真摯さとは?真摯さを感じた言動5つ

真摯さを感じた体験談を集めてみました。

(1)真剣にプロジェクトに取り組む姿を見たとき

「昨年、同僚が無茶なプロジェクトを任されたんです。納期も無理があるし、依頼主も横暴だし、外れくじ引いたなぁと思ってたんですけど、同僚は愚痴も言わず、熱心に取り組んでいました。

部下に無理させないように率先して作業を引き受けて、家族がいるのに長時間残業して……。すごいなと思いましたよ。プロジェクトは大成功とまではいかなかったみたいですが、真摯に仕事に取り組んだことが評価されて、今年、彼の昇進が決まりました。報われて良かったです」(Oさん・38歳男性/営業)

(2)必死に信用を取り戻そうとしてくれているとき

「私、一回浮気をされたんです。私は浮気とか絶対ムリな人なので、当時、彼にすぐ“別れよう”って言ったんですけど、すごく真剣に謝ってくれて。

プレゼントをくれたり、今までやったことなかった家事を手伝ってくれたり、いろんなことをしてくれました。そんな彼の真摯さにほだされて、別れるのは一旦保留にすることにしました。結果、そのまま結婚しちゃって今は旦那に。今も浮気はしていない……はずです!」(Tさん・29歳女性/接客業)

(3)ひとつのことに真剣に取り組む姿を見たとき

「ある俳優さんにハマってるんです。彼は普段はおちゃらけてるんですけどお芝居の話をするときは本当に目がキラキラしていて。顔も好きですけど、何より全身全霊をかけてお芝居をしている真摯な姿勢がすごくかっこよくて、憧れるんです。本気になれるものがある人って、すごく素敵ですよね」(Eさん・24歳女性/事務員)

(4)指摘をしっかり受け止めてくれたとき

「“最近の若いもんは……”なんていう声を良く聞きますが、結局は人によるんだろうなと思います。昨年入社した新入社員は、スーツも着崩すし、すぐため口になるし、すごくひどい状態でした。そのまま取引先に行って、かなり怒られてしまったんですね。もちろん私たちの指導不足もあるんですが、そのときはしっかり彼を叱りました。

すごく落ち込んでいて、さてどうなるだろうと思っていましたが、その後、彼の態度が一変したんです。勤務態度がすごく真面目になり、敬語も一生懸命勉強していました。常識を知らなかっただけで、彼自身はすごく真摯で物分かりの良い子なんだなと思いましたね」(Fさん・53歳男性/管理職)

(5)悩みを一緒に解決してくれたとき

「高校の時の部活の顧問が、とても真摯な人でした。当時私は部長をやっていて、みんなを引っ張って行かないといけないのに上手にできず、悩んでいたんです。そんなとき、顧問の先生はいつも話を聞いてくれて、次はこうしてみようか、というアドバイスをくれて、最後まで一緒に考えてくれました。

私のことを真剣に考えてくれてるのがすごく嬉しかったです。あの先生以上に真摯で優しい人には会ったことがありません。同じ女性として、ずっと憧れです」(Sさん・21歳女性/大学生)

4:真摯さを伝えるための方法とは?

ビジネスでは「真摯」という言葉はとても便利に使えます。しかし、実際に真摯であることを伝えるには、言葉だけでは足りません。特に、周囲からの評価を気にして外面だけ取り繕っているようでは、相手からも真摯には見えないでしょう。

大事なのは、対象が何であれ、自分自身の損得を度外視して行動することです。見返りを求めない姿勢はきっと相手に真摯に映ることでしょう。

5:「真摯」を英語で言うと…

「真摯」は英語で言うと「誠意、真心」という意味をもつ「sincerity」。形容詞になると「sincere」で、「真摯な~」という意味になります。

日本でも良く使われる「真摯に受け止める」は「Take (it) seriously」、「真摯な態度」は「with sincerity」と表現されます。真摯さというのは、ビジネスや人間関係において、万国共通で求められるもの。誰に対しても差別せず、真摯でありたいですね。

6:まとめ

ビジネスで使い勝手の良い「真摯」という言葉の使い方のコツはつかめたでしょうか。メールやチャットでやり取りをすることの多い世の中ですが、文面だけでなく、態度でもしっかりと真摯さをアピールしていきたいですね。