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「検討する」の意味とは?正しい使い方や言い換え・英語表現などを解説

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:「検討する」とは?

(1)「検討」の意味

 

まずは「検討」の意味について、辞書で調べてみました。

けんとう【検討】

よく調べ考えること。種々の面から調べて、良いか悪いかを考えること。「検討を重ねる」「検討の余地がある」「問題点を検討する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

ビジネスでは、会議や商品の提案などを受けた際によく使われる言葉。主に、「即決するには至らない」という状況に用いられることが多いですよね。

(2)「検討する」を英語で言うと?

「検討する」を英語で表現する場合、「検討する」「考察する」という意味の「consider」や、「調査する」「試験する」という意味の「examine」、また「批評する」「よく調べる」の「review」という3つが、状況に合わせて使い分けられています。

そして、「対応を検討する」という場合には「consider measures」、「検討する必要がある」というときには「It needs to be examined.」と表現されることが多いです。

2:【例文付き】「検討する」の使い方5つ

「検討する」の正しい意味がわかったところで、具体的な使い方の例文を、5つご紹介します。

(1)検討を重ねる

「慎重に検討を重ねた結果、導入を見合わせることとなりました」といった、本部や管理部門からの悲しい通達を目にしたことが一度や二度くらいあるのではないでしょうか。

業務効率化以外のメリットやデメリット、費用対効果などを、データや導入事例のレビュー等を含めたさまざまな情報をもとに、あらゆる情報をさまざまな角度から熟考した結果であることを「検討を重ねた」という表現に集約しているといえるでしょう。そのため、こういわれてしまうと、この結論をひっくり返すことは難儀です。

(2)検討の余地がある

「最終判断にはまだ検討の余地がある」なども、意思決定の場で耳にしたことがあるかもしれません。

これは、まだ調査し尽くせていない可能性があったり、偏った側面からしか議論がされていなかったりする場合に用いられる表現です。最終的に決断するにはまだ必要な要素がそろっていないシチュエーション。例えるなら、パズルのピースが欠けているような状態です。ただし、やんわりと断るときに使われることも多いでしょう。

(3)問題点を検討する

「内容の変更にあたり、問題点を検討します」など、素案を正式なものに仕上げていくために、多面的に見て考えを詰めていくような場面で使用します。

ラフな状態のものを完成形にするために、考えられる問題点を挙げることに始まり、その問題点を解決するためにさらに深く熟考して練り上げていく際に使われることが多いでしょう。起死回生、挽回のチャンスを求めるときの言葉です。

(4)ご検討のほどよろしくお願いいたします

取引先との商談の際、予算面や内容、納期など双方ですり合わせて決定する必要があることはいくらでもありますね。こちらから示した提案に対して、先方で話し合ってもらいたい旨のメールの文末などに用いる場合が多いでしょう。

「目を通してOK出してください」というときの言葉といえます。

(5)検討させていただきます

取引先からのお願いなど、自分だけでの判断が難しい内容だった際に「一度持ち帰って、検討させていただきます」というふうに使用します。

検討をお願いするのとは逆に、即決できず考える必要がある内容を受け取った場合、話し合ったり、ゆっくり考えるための時間をもらいたい旨を、柔らかい印象で伝えることができます。

一方で、限りなく実現の可能性が低いときに出る言葉だったりもします。

3:「検討する」の類語や言い換え表現3つ

「検討する」という言葉、シチュエーションによっては「無理ゲーです」というように、冷たく聞こえてしまうことも……。場面によって、硬くも柔らかくも表現できたら便利ですね。

そこで、言い換える表現を3つご紹介します。

(1)考える

 

「検討する」の意味に含まれている、「よくよく考える」という面をストレートかつ平易に伝えることができます。

社内やフランクな関係の取引先、親戚の間などでやわらかな表現のコミュニケーションを必要とする際には「もう少し考えてみてもいいかもしれませんね」「今一度考えてみます」など、「検討する」という意味で使うのもいいかもしれません。

(2)吟味する

「吟味する」には「検討する」と同じく、物事を念入りに調べること、念入りに調べて選ぶことという意味があります。

また、吟味には「詩歌を吟じて趣を味わうこと」という意味もあります。そのため、「検討する」という言葉よりも、趣があると感じる人もいるかもしれません。

(3)精査する

「精査する」にも「詳しく調べる」という意味があり、「吟味する」と同様に、「検討する」に置き換えて使える言葉です。

「お問い合わせの件につきまして、精査したうえで回答いたします」など、購入したものやサービスについて問い合わせた際の返信等で見たことがあるのではないでしょうか。

例文で解説した「持ち帰り、精査させていただきます」というように言い換えることも可能です。ただし、「検討」の場合は、どうするか考えるという意味合いが強いですが、「精査」といわれると、調べつくす、という意味が入って、相手の提案を疑っているようなニュアンスが入ってしまうので、使用には注意が必要です。

4:まとめ

「検討する」を前向きなニュアンスでとらえる人と、ダメということをやんわり慇懃に言っているだけと捉える人もいます。

実際に相手がどのようなつもりで使っているのかということは考えても仕方がありませんが、自分が前向きな意味で使う際には、「上司の判断は仰がねばなりませんが、いいお返事ができると思います」「私自身はいいと考えています」など、言葉を添えたほうがよいかもしれません。