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自分を好きになるには?好きになれない原因と心理学者が教える対処法

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

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1:自分を好きになるには?

自分のことが嫌いだったり、嫌いとまではいかなくても、自分の性格や容姿に不満があったりする人は、けっこうな割合でいるのではないでしょうか。

しかし、誰だって自分のことを完璧だと思っているわけではありません。それでも、たいていは自分の中で優れている部分とか、好きな部分に注目して、自分を受け入れています。

心理学的には、自分のことが嫌いという感情を「自己嫌悪」と呼び、教育心理学者の水間玲子氏の論文「自己嫌悪感尺度の作成」では、「客観的事実はどうであれ、否定的な感情や事象が自分自身に由来し、自分が自分自身のことをいやだと感じること」と定義されています。

自分のことが嫌いだと、仕事や恋愛のほか、さまざまな日常生活の場面で不都合なことが起こってきます。というのも、自分のことが嫌いだと、自分に自信がもてないからです。

では、どうして自分のことを嫌いになってしまうのでしょうか。一緒に考えていきましょう。

2:自分を好きになることができない心理5つ

自分を好きになれない理由はいくつか考えられます。その中から、代表的なものを紹介します。

(1)理想と現実の自分にギャップがある

誰しも「こうなりたい」という理想の姿のイメージがあると思います。具体的なイメージがあるわけでなくても、仕事やスポーツなどで、「きっとできる」と思っていたことが、自分の思いどおりにできないことってありますよね。

そんなときに、理想の姿と現実のギャップ(=差)が大きければ大きいほど、「自分はダメな奴だ」と感じて、現実の自分を受け入れられないことに繋がります。その結果、自分のことが嫌いになってしまうんです。

(2)完璧主義

理想と現実の自分のギャップにも通じるのですが、何ごとも完璧にこなさないと気が済まないという現実主義の人は、自分のことを嫌いになってしまいやすいかもしれません。

完璧に物事をこなさないと気がすまないという人は、100%の達成よりも上に目標を設しがちです。当然、8割とか9割の達成では、到底満足できません。ですが、なかなか100%の達成やそれ以上の達成というのは簡単なことではないですよね。そのため、常にできない自分にストレスを感じ、「自分はダメな奴だ」と自分のことを好きになれないんです。

(3)誰かと自分を比べてしまう

ありのままの自分を受け入れられない、また受け入れた自分をポジティブに評価することができないことも、自分を好きになれない理由のひとつです。その背景には自分を誰かと比べてしまうということも影響します。

もちろん中には、この場合の「誰か」を、自分よりできない人に設定して、その人と自分を比べることで優越感に浸るという人もいます。ですが、自分を好きになれない人というのは、たいていの場合、自分よりもうまくやれる人と比べて、自分を否定しまうんです。

(4)コンプレックスがある

コンプレックスは、日本語で「劣等感」ともいいますが、何に劣等感をもつかは人それぞれです。周囲からするとたいしたことがなくても、本人はものすごく気にしているっていうことがありますよね。

そして、その劣等感はそう簡単には取り去ることができません。そのため、いつまでたっても自分を肯定的に受け入れることができず、好きになれないのです。

(5)自分が嫌いな人と似ている

例えば、嫌いな人がいたとします。その人と自分が似ていたとしたら、やっぱり嫌ですよね。その人が友達であれば、会わないようにして忘れることもできますが、もしそれが家族だったらどうでしょうか。もう一生、嫌な気持ちが続くのです。特にそれが、容姿だったりしたら、鏡を見るたびに自分を嫌いになりますよね。

3:あなたは大丈夫?自己嫌悪診断

さて、先ほど紹介した水間玲子氏による「自己嫌悪感尺度の作成」という研究論文を参考に、簡単な自己診断テストを考えてみました。気になる人はやってみてください。

1.自分はダメな人間だと思うことがある。

2.自分にイライラすることがある。

3.生まれ変わりたいと思うことがある。

4.自分を許せないときがある。

5.自分は愛される価値がない人間だと思う。

6.自分にうんざりすることがある。

7.誰も私のことを好きな人間なんていないと思う。

8.仕事や勉強が思いどおりにできない。

9.自分に嫌気が差すことがある。

10.自分に腹が立つことがある。

どうでしょうか。あてはまる数が多いほど、自分のことが嫌いな可能性があります。

4:恋愛にも悪影響?自分を好きになることができないデメリット3つ

自分のことが好きになれない人は、やはり恋愛にも悪影響を及ぼすでしょう。では、どんなデメリットがあるのでしょうか。

(1)愛されていないと不安になる

自分のことが嫌いなわけですから、そんな自分を心から愛してくれているなんて、容易に考えられませんよね。「どうせ、カラダだけが目当てなんでしょ」とか「そのうち浮気して捨てられるに違いない」と思ってしまい、交際を長く続けることができなくなってしまうでしょう。

(2)恋人との関係が卑屈になる

「自分は愛されていない」と不安になると、フラれたらどうしようと考えてしまい、そうならないように相手に合わせてしまったり、本当はイヤなのに、相手の要求だからと応えてしまうことになります。最悪の場合、浮気されても見て見ぬふりをするということも。それは幸せな恋愛ではないですよね。

(3)失恋をすべて自分のせいにしてしまう

そして、別れることになったとしても、その失恋の原因を自分のせいにしてしまうでしょう。自分がダメな人間で、そのせいで浮気したんだとか、他に好きな人ができてしまったんだとか……。こういうことが続くと、「どうせ次もまた、同じことになる」と考えてしまい、恋愛に対して消極的になることも考えられます。

5:自分を好きになる方法3つ

ではどうすれば、自己嫌悪から抜け出せるのでしょうか。その対処法について、考えてみましょう。

(1)ありのままの自分を受け入れる

簡単そうでいちばん難しいのが、この「ありのままの自分を受け入れる」ということです。完璧主義な人が、完璧でなくてもいいんだと思うことって難しいですよね。ですが、ちょっとしたことでもいいので、いまの自分を受け入れるところから始めましょう。

(2)謝る癖をやめる

自分のことが嫌いな人というのは、けっこうすぐに謝ってしまうことが多いんです。

例えば仕事がうまくいかなかったとしたら、それは自分が至らなかったせいだと思ってしまう。だから謝るしかない。そう考えてしまうんです。でも、この謝るということをやめることが、「ありのままの自分を受け入れる」というきっかけにもなったりします。

(3)いいところに目を向けるようにする

そして同時に、自分のダメなところ、つまり嫌いな部分ではなく、いいところ(=好きなところ)に目を向けるようにしましょう。容姿でも、性格でも、仕事の能力でも、何でもいいのです。そして、ちょっとした部分でもいいでしょう。自分のいいところに目を向けられるようになれば、だんだんと自分のことが好きになっていくはずです。

6:まとめ

みんな誰しも、自分の嫌いな部分はあります。ですが、それをプラスマイナスでゼロにできるように、いいところにも注目して、バランスをとっているのではないでしょうか。

もし、自己嫌悪してしまう傾向にあるようなら、自分のいいところに目を向けるところから始めてみましょう。