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自尊心が低い人の特徴・原因は?簡単に高められるたった3つの習慣

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

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1:「自尊心が低い」とは?

心理学において、自尊心に関する有名な研究者は、アメリカのモリス・ローゼンバーグ(Morris Rosenberg)という社会学者です。ローゼンバーグは、自尊心を「自己に対しての肯定的または否定的態度」と考えました。そして、自尊心が高いということは、他者と比較して優越感を感じることではなく、「自分自身の価値基準に照らして自分を価値のある人間だと考えること」だといっています。

モリス・ローゼンバーグの説に従えば、自尊心が低いというのは「自分自身の価値基準に照らして、自分を価値のない人間だ」と考えているということになります。

(1)「自尊心」「プライド」「自己肯定感」の違い

ところで、自尊心と似た言葉に、「プライド」や「自己肯定感」というのがあります。これは、同じ意味なのでしょうか。

一般的に使われるプライドは、心理学では「自分の行動、発言、特徴が他者より優れている、または望ましいと評価されたときに経験される感情」と定義されることが多いです。日本語に訳すなら「優越感」といったほうがいいかもしれませんね。

このプライド(=優越感)を得ることで、自尊心が高くなるともいわれています。ただし、プライドが強すぎると、それは優越感ではなく「思い上がり」になってしまいます。

一方、自己肯定感のほうは、「自己あるいは他者から見て、自己の態度が好ましい、あるいは望ましいと評価すること」と定義されています。意味的には、自尊心とほぼ同じです。

実は自己肯定感という言葉は、高垣忠一郎という日本の研究者によって提唱されたもの。なので、おおざっぱにいうと、モリス・ローゼンバーグと高垣忠一郎という別の人物が提唱したために、異なる言葉になっているが同じ、と考えていいかもしれません。

(2)自尊心が低いと恋愛や仕事にも悪影響が…

ところで、自尊心が低いとどうなるのでしょうか。研究によれば、自尊心が低い人は、ストレスを感じたときに「消極的対処行動」をとりやすい事がわかっています。この消極的対処行動とはつまり、諦めるとか、忘れるとか、他人のせいにするということです。

例えば恋愛がうまくいかなかったとしたら、恋人との関係を改善しようと努力するのではなく、すぐに諦めてしまう、仕事で失敗したしたときも、他人のせいにして努力しないということ。そうなれば、自分が成長するチャンスを逃してしまうこともあるでしょう。

また、興味や関心が自分の内部に向かいやすいともいわれていて、他人とのコミュニケーションが苦手な場合があります。すると、恋愛の場面では、付き合うというところまで行きつかないことが多いでしょうし、仕事の場面ではチームで取り組むことができず、苦戦するということが考えられます。

2:自尊心が低い原因3つ

いったいどうして自尊心が低くなってしまうのでしょうか。

(1)子どものころの経験が影響している

自尊心は、2歳くらいの子どもでも持っていることがわかっています。そして、子どもの自尊心は周囲の大人との関係で決まってくるとされています。

例えば、大人たちが子どもを尊重し、常に励ますような態度で接していると自尊心は高くなります。反面、そうではなかったとしたら、自尊心は低くなってしまいます。こういった周囲の大人たちの接し方の積み重ねが、大人になっても影響しているんです。

(2)人間関係の深いトラウマが影響している

恋人に裏切られたり、ひどい失恋を経験したりすることでも、自尊心は低くなってしまいます。恋人に限らず、友達も同じ。人間関係は、自尊尊信を高めたり、低めたりするのに、大きく影響します。

(3)容姿にケガをしたことが影響する

遠藤辰雄という人の研究によれば、「傷害あるいは欠陥のような外傷性の経験」という、簡単にいえば容姿にケガをして傷が残ってしまったりすることでも、自尊心を低めてしまうということがわかっています。

確かに、ファッションやメイクがキマらない日は、自分の自信がもてなかったり、人と会うのがイヤになったりしますよね。それが、ケガや傷という、ずっと残るものである場合、慢性的に自分に自信がもてなくなり、自尊心を低めてしまうことも考えられます。

3:自尊心が低い人の特徴3つ

自尊心が低い人の特徴について考えていきましょう。

(1)自分のことが好きじゃない

自尊心が低い人は、自分を価値のない人間だと考えています。そのため、当然ながら自分のことが好きではありません。だからといって、それを変えようと努力することもないため、いつまでたっても自分のことが嫌いなままだったりします。

(2)「無理」が口ぐせ

何かの仕事を任せられたり、自分がやりたいことができるチャンスが巡ってきたとしても「どうせうまくいかないから」とやろうともしない。「私には、無理!」が口ぐせになってしまっている人も多いです。

(3)いつもストレスを感じている

どんなに簡単なことでも、自分が無理と思っていたらうまくいくわけないですよね。でも、本人にとっては、うまくいかないことはストレスになります。自分のせいでありながら、自分のせいだからこそ解消できない……そんなストレスに、常にもやもやしている状況に陥ります。

4:自尊心を高める習慣3つ

それでは、自尊心が低い人は、どうすればそれを高めることができるようになるのでしょうか。

(1)自分を認めてくれる人と一緒にいる

まずは、できるだけ自分を褒めてくれたり、認めてくれる人と一緒にいるようにしましょう。世の中には、「褒め上手」と呼ばれる人たちがいます。そういう人と一緒にいることで、自分は今のままでいいんだと思えるようになり、次第に自分の価値を認められるようになります。

(2)ストレスはその日のうちに発散する

ものごとがうまくいかないことでストレスを感じると、そのストレスが自尊心をさらに低めてしまいます。ストレスを感じたら、その日のうちに発散するようにしましょう。もちろん、ストレスを溜めない生活を心がけることも大事です。

(3)朝ごはんは必ず食べる

因果関係はわかりませんが、佐藤治子という研究者によれば、朝食を食べていない子どもが食べるようになることで自尊心が高くなることがわかっています。

大人にそのままあてはまるかどうかはわかりませんが、朝食を食べる時間的な余裕を作ることや、空腹によるイライラから解消されることがストレスを溜めない生活に繋がるとも考えられます。

5:自尊心を高めるのに役立つ本3選

最後に、自尊心を高めるのに役立つかもしれない本をいくつか紹介しておきましょう。

(1)『自尊心泥棒―子どもを理解できない大人たち』西山明

20年以上前に書かれた古い本ですが、親が子どもの自尊心を「盗む」という、子どもの自尊心の低さに親が影響することを説明しています。この本を読めば、自分が自信を持てないのは自分が悪いからではないんだということに気づかされるでしょう。

(2)『自己評価の心理学―なぜあの人は自分に自信があるのか』クリストフ  アンドレ 、 フランソワ ルロール

自尊心にまつわる自己評価について解説した本です。より詳しく自尊心について知りたいという人にはオススメです。

(3)『自分が好きになる20の方法―心を丈夫にする処方箋』リンゼイ ホール、リー コーン

心のトラブルに迫った本ですが、自尊心を高めるヒントもたくさん紹介されています。

6:まとめ

ちょっとしたことの積み重ねで、必ず自分に自信がもてるようになるでしょう。もしも自尊心が低い……と感じているなら、あまり焦らずに、ゆっくりと進んでいきましょう。