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「学生時代に頑張ったこと」なんてないけど…面接で受かる例文教えます

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

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1:面接で「学生時代に頑張ったことは?」と聞かれると困る…

就職試験の面接で、質問の定番とも言えるののが「学生時代に頑張ったことは?」です。ES (エントリーシート)でも、この記述が求められることが少なくないでしょう。面接を前に想定問答を行ううえで、この質問の回答は、必ず用意する必要があります。

何かに頑張り、何かに打ち込む、そういった経験があるならば問題ありません。ですが、自信をもって「これを頑張った」といえる人は、そう多くないのではないでしょうか。

でもまさか「ない」とはいえないので、聞かれて困らないように、とにかく「頑張ったこと」を用意する必要があります。

2:ゼミや勉強を「学生時代に頑張ったこと」にするときの面接・自己PRの例文

(1)企業は学生時代の思い出話を聞きたいわけではない

結論からいうと、企業というのは実際は学生時代のことを聞こうとしているのではないのです。「頑張ったことは何か?」と聞かれているのに、何だか矛盾しているように思えますが、この点を最初に頭へ叩き込んでおきましょう。

リクルートの調査「就職白書」(2015年)によると、企業が採用で重視するのは、1位が「人柄」(90%)、2位が「企業への熱意」(78%)、3位が「今後の可能性」(70%)です。

一方、アルバイト経験を重視する企業は23%、所属クラブ・サークルは11%、以下、ボランティアが6%、ゼミが4%です。

この数字から、何を経験してきたかよりも、そもそも持っている人柄や今後の可能性を重視していることが理解できるでしょう。

(2)企業が面接を通して知りたいのは?

では、企業は何を知りたいのかというと、考え方や思考能力など。「頑張ったこと」を知りたいのではなく、それをうまく説明できるか、「頑張ったことを」を通じて物事に対する考え方を知りたいのです。

ですから、頑張ったことがなくても心配ありません。頑張ったことを得意気に話すよりも、たいして頑張っていなくても自分の考え方を伝えたほうが評価が高くなるでしょう。

もちろん、ほかの人に比べて飛び抜けて頑張ったことがある人は、それをしっかり話しましょう。さらに論理的な考え方も交えて話せば、無敵の回答になります。

一方、頑張ったことに自信がない人は、背伸びしないで、普通にゼミや原稿のことを以下の要領でうまく説明できるようにすれば、評価点がアップするでしょう。

(3)答えるときのポイントは ?

「頑張ったこと」に限らず、以下のポイントを順に押さえて回答しましょう。またESに記述する際には、起承転結をハッキリさせて書くようにします。

動機・・・何に取り組み、どうして取り組んだのか?

目標・・・それに対してどう目標を立てたか?

対策・・・出てきた課題どう対処したか?

結果・・・結果はどうだったか?その経験を今後どう活かすのか?

単に頑張ったこと羅列するのでは不合格。その経験を社会人になってからどう活かすつもりなのかという主張こそがいちばん重要になります。

(4)「頑張ったこと」を学業にする場合の例文

やはり、学生の本分は学業。「頑張ったこと」が見当たらない人は、ここに絞るのがいいと思われます。たとえ、それほど頑張っていなくても、です。

以下に、例文を示してみました。

学生時代に頑張ったことは学業です。中でも、法律についての研究に力を注ぎました。その動機は、高校時代に父親が連帯保証人になって苦労したのを間近に見たためです。法律を知ることによって、自分や家族の身を守ると感じました。(→動機=起)

弁護士などの専門職になろうとは思いませんでしたが、社会人になってビジネスをするうえで基礎となる有効な知識を得たいと思っていました。しかし、どうすれば実践的に学べるかといった課題もありました。(→目標=承)

そこで、家族が苦労した経験から民法を中心に学ぶことに決めました。担当教授の教え子である弁護士の方を紹介していただき、その弁護士事務所でアルバイトをしながら、法律が実社会でどう運用されているかを学ばせていただきました。(→対策=転)

その結果、座学としての法律知識だけではなく、法をいかに活用するかという実践的な知識を得ることができました。それとともに、物事を冷静に客観的に捉える考え方も自然に身に付き、これは社会に出てから、さまざまな判断を迫られる場面で約に立つと思っています。(→結果=結)

どうでしょうか。事実としては、「法学部で民法を専攻した」「弁護士事務所でアルバイトした」というふたつのことですが、どのように考えて行動したかという答えになっていると思います。

3:趣味だって立派な自己PRに!就職などでウケがいい勉強以外の「学生時代に頑張ったこと」

学業に自信がない……。それなら、趣味やアルバイト、サークル活動など項目はなんでも構いません。自分の考え方を滲ませるようにすれば、ウケがよくなります。

特に、趣味などひとつのことに没頭した経験は非常に貴重です。没頭しているからこそ、悩んだり苦しんだ経験があるはずで、それをどう解決したかを面接官はチェックして、困難にどう立ち向かう人物なのかを見極めます。

応募した職種と大きく異なるジャンルの場合には、それについて「なぜ、その方面の仕事に就くことを考えなかったのか?」という点を理論的に説明できるような回答を用意しましょう。また、ギャンブルや思想信条に関わることは避けたほうが無難です。

以下に、趣味についての例文を示してみました。

私が学生時代に力を入れたことは旅行です。社会人になるとなかなか旅行する時間が取れないと考えたので、学生時代にしかできないことを、と思ったのがきっかけです。

いろいろな国をめぐり、土地土地の文化に触れ、見識を深めようとしました。ただそのためには、学業との両立と、費用の捻出が課題になります。

旅行は時間に余裕がある夏休みや春休みに行き、その他の時期は学業と塾講師のアルバイトをして過ごしました。時間をうまく使い分けることが、自然と身に付いたと思います。アルバイトは週2~3日で、年間で100万円捻出しました。

旅行を通していちばん嬉しかったことは、のべ500人の人と出会い、海外で多くの友人を得ることができました。また、いろいろな考え方やさまざまな知識を入れられたことです。仕事では積極的にコミュニケーションを取る必要があると思いますが、自分の趣味である旅行は、その基礎を作るのに役立つと思います。

どうでしょう。単なる「旅行好き」という印象では終わらないのではないでしょうか。

4:まとめ

筆者もサラリーマン時代、面接官をした経験があります。キャリアのことを聞き、能力はどうかなどを面接を通じて探るわけですが、理論的に話ができるかどうかで判断することが多かったです。でも、いちばんの決め手は「一緒に仕事がしてみたい」だったでしょうか。

【参考】

リクルートキャリア「就職白書2015 -採用活動・就職活動編-」