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歌舞伎街ナンバーワンキャバ嬢の私が選ばれ続ける理由【第9話・後編】―シンデレラになれなかった私たちー

毒島 サチコS.Busujima

Case9:歌舞伎町でナンバーワンに選ばれ続けるキャバ嬢

名前:桜井野の花(キャバ嬢・「桜花」「花音」オーナー)

キャバクラ嬢として「歌舞伎町95か月連続ナンバーワン」を記録。2018年には、雑誌「小悪魔ageha」の「表紙争奪総選挙」において初代女王に輝き、現在は歌舞伎にて「桜花」「花音」というキャバクラ店2店舗を経営。初の著書『「一番」という生き方 ~95か月連続NO.1を続ける私の自己ブランディング術~』が光文社より発売中。

前編はこちら

私の「3か月ルール」

日本には「ひとつの場所で頑張る」「石の上にも三年」といった美学がありますが、私はそのリミット3か月と決めたのです。だから、自分に合わないと思ったら、すぐに次の恋愛やお店に移りました。

一般的に言えば3か月という期間はとても短く、ネガティブに捉えられるかもしれません。でも、これが「選ばれ続ける」私の原点になったのです。

「3か月ルール」のその先に見つけた自分

「3か月」で、お店を変えて次へのお店へ……。

「嫌われる前に、自分から去る」というスタンスで生きてきた私ですが、次第に、自分の中に、ある変化が生まれていることに気づきました。

さまざまなお店を経験することで、自分がどんなお客さんに好かれ、どんな人間であるのか、わかり始めたのです。たぶん、ひとつのお店にいて、定連さんばかりを相手にしていたら、それに気づけなかったかもしれません。

「はじめまして」を短期的に繰り返した自分がたどり着いた答え、それは、「容姿で勝負しない」ということでした。

私は、一流店のキャバ嬢たちに比べ、容姿が劣っている。だから、容姿を売りにしている一流店ではナンバーワンにはなれない。

そんな自己分析を経て、私は、自分がナンバーワンになる方法をこう考えました。

他のキャバ嬢よりも圧倒的に勉強し、会話の引き出しを増やすこと、お客様に合わせたトークが出来るような広い知識を持つこと、そして、気遣いや盛り上げる能力を身につけること。

私が輝ける場所。容姿以外で勝負出来て、ナンバーワンを継続できる居場所があるはず。

「私は、私が勝てる場所で勝負すればいい――」

と考えたのです。

勝てる店で勝負する

そう決意した私は、最も自分に合ったお店を探すことにしました。3か月で転籍を繰り返した私は、キャバクラにも一店一店個性があって、お客さんにもカラーがあることを知っていたのです。

たぶん、そういったことを知らないキャバ嬢たちは、一様に有名店を目指します。そのほうが、お客さんもたくさん来ると考えるからです。

でも、そんな激戦区に入れる女性は、元からハイスペックな女性たちで、就職活動で例えるなら、学生が殺到する大企業のような場所。選考で選び抜かれ、優秀な人たちが集まっている場所で、さらにナンバーワンになるためには、努力だけでは越えられない壁があります。

そこで私は、有名店ではなく、「容姿以外で勝負できて、ナンバーワンを継続できるお店」を選ぶことにしました。

一般企業にたとえるなら「大企業に入りました!」ということで満足するよりも、まだ、誰も知らないけれど可能性のあるベンチャー企業や、派手さはないけど堅実なビジネスをしている中小企業で「売り上げナンバーワン」になるほうが、自分に合っていると思ったのです。

勝ち目がない場所で戦っても継続的にナンバーワンにはなれない。
だったら勝ち目がある場所でニッチなファンを獲得する「桜井野の花」として、圧倒的ナンバーワンになればいい。それが私がたどり着いた「選ばれるための」戦略でした。

やっと見つけた、私が輝ける場所

そうして私が選んだ場所が「バロンドール」でした。このお店は3か月経っても辞めず、まったく違うモチベーションを燃やすことができたのです。

そう、そのモチベーションとは「常にナンバーワンであること」。

この店で、私はお盆もお正月も休まず、働き続けました。そうすることで「今日は野の花ちゃん休みか。じゃあ別のお店に行こう」というお客さんを作らず、必ず会えるキャバ嬢として、地道に人気を獲得していったのです。

その結果、ナンバーワンを維持することに成功しました。

居場所ができたら「嫌われてもいい」

学生時代のいじめの経験を受けて、私はこれまでずっと、「誰にも嫌われたくない」と思って生きてきました。恋愛も仕事も、嫌われることに常におびえ、すぐに別の場所へ……。

それは一見、現実と向きあうことから逃げているように見えるかもしれません。でもその先に、自分がナンバーワンになれる居場所があったのです。

そして居場所がある今は、嫌われることにおびえなくなりました。

「100人に嫌われても、ひとりに好かれればいい」

胸を張って、そう言えるのです。

考察:選ばれる場所を見つけること

合わないなら、別の場所を見つければいい

仕事をすぐにやめてしまうことや、好きな人をすぐに諦めてしまうことに対して、「いけないことだ」という思いを持っている人も多いと思います。

でも桜井野の花さんは、こう言っていました。

「3か月で仕事をやめたり、恋人と別れたりなんて、堪え性がなくてダメだ。そう思う人もいるかもしれません。でもそれって、職場が変わってくれるかも、彼のほうが変わってくれるかもっていう期待を持っているからだと思うんです。でも、もともとの場所や人って、そう簡単には変わらないんです」

そして彼女は言いました。

「変われるのは自分だけなんですから」

学校も仕事も恋愛も

「仕事が合わなければ、別の仕事を探せばいい。学校で嫌われたら転校すればいい。彼に振り向いてもらえなければ、別の人を探せばいい。そうやって生きていけば、自分の居場所が必ず見つかるから」

そして取材の最後をこう締めくくりました。

「私が選ばれ続けている理由。それは、自分が選ばれる場所をちゃんと選ぶことができたから」

【今回のゲスト】

桜井野の花

キャバクラ「桜花」「花音」のオーナーとして経営に携わりながら、自身もキャバ嬢として、95か月連続ナンバーワンを誇る。Instagram、Twitter、Youtubeのフォロワーの合計50万を超える。

筆者プロフィール

毒島サチコ

photo by Kengo Yamaguchi

愛媛県出身。恋愛ライターとして活動し、「Menjoy!」を中心に1000本以上のコラムを執筆。現在、Amazon Prime Videoで配信中の「バチェラー・ジャパン シーズン3」に参加。

【前回までの連載はコチラ】

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次回:3月21日土曜日 更新予定

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