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「仕事をする上で大切なこと」にどう答える?面接官の意図と好印象な回答例

槻谷岳大

槻谷岳大T.Tsukitani

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目次

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1:「仕事をする上で大切なこと」 は面接の定番質問

「面接の三大質問」と言われるものがあります。

1.志望動機

2.これまで頑張ってきたこと(実績や成果)

3.自己アピール

この3点は、新卒生の就活から社会人の転職活動まで通底した、企業が知りたいポイントといえるでしょう。この2と3の重要ポイントを、うまくストーリー立てて説明し印象づけるためのチャンスとして利用することができるのが、「仕事をする上で大切なこと」の質問なのではないかと筆者は考えています。

気を付けたいのは、マニュアルどおりのありきたりな回答にしないこと。しっかりと自身の体験に基づいたオリジナルの、印象深い回答にできるようにしましょう。

2:「仕事をする上で大切なこと」を聞く意図

それではまず、この質問をする面接官が、どういう意図で聞いているのかを見ていきましょう。

(1)コミュニケーション能力の有無

どんな職業においても必要になってくるのがコミュニケーション能力です。

特にサービス業や飲食業や営業職など、人との関わりや信頼関係が命となってくる職種において、コミュニケーション能力は根本的なスキル。面接官は、この質問において、あなたが自分という「商品」を、いかに適切に、いかに信頼でき、いかに魅力的なものが売り込めるかなどのコミュニケーション能力を見ています。これをオリジナルのエピソードを交えて伝えられるようにするのが理想的でしょう。

(2)責任感の強さ

採用する側にとって、「この人を採った場合、ちゃんと長く勤めてくれる人材となってくれるか」というのは重要なポイントです。

しっかりと与えられた業務に責任感をもち、多少のトラブルにもヘコたれず業務をまっとうしてくれる人材だということを、体験談・エピソードを交えてしっかりと伝えられるようにしましょう。学生時代にしろ、社会人キャリアにしろ、困難を努力や工夫で乗り越えた体験などが響きます。

(3)価値観

人それぞれ、仕事に対する気持ちや姿勢が異なります。どういう要素でモチベーション高く働けるか。多くの人が働く企業においては、そのベクトルが違っていては、力強いチームプレーが発揮できなくなります。例えば、目指す場所が「社会的責任」なのか「企業規模の拡大」なのか、それとも「働く人の幸せ」なのかで、企業のあり方も変わってきますよね。

面接官は、その人が持つ価値観をこの質問によって引き出し、本当に一緒に働きたい人なのかを見ています。受けている会社がどのような価値観を重視しているのかをよく見通したうえで、それに合致する回答を考えましょう。

3:「仕事をする上で大切なこと」と聞かれたときの回答例

それでは、模範解答例をいくつか見てみましょう。

(1)コミュニケーション能力と信頼関係を強調

体験談を交え、自らのコミュニケーション力と信頼関係の構築力をアピールするのは好印象です。

「私が仕事をする上で大切にしていることは、小さな声かけです。前職では経理部門で仕事をしておりました。経理というのは、個人個人の分業が進んでいて、ともすると黙々とパソコンに向かうことが多くなりがちです。実際、私が働いていた職場も、そのような環境でした。

しかし、コミュニケーションがおそろかになると、意外なところでミスが起こったり、同僚や上司への信頼が損なわれたりしているのでは、と考え、私は小さな声かけをするように心がけていました。そのうちに、各自が抱えてる課題や、自分の担当外の案件の話もするような空気が生まれてきました」

ただ「コミュニケーション力がある」や「信頼関係が大事」など言っても、誰でも作れる創作話ととられることも。具体性をもったエピソードを話すことで説得力も増し、印象を良くすることができるようです。

(2)組織全体への責任感や同僚からの感謝などの実績を表現

個人のスキルは比較的アピールする人が多い傾向がありますが、同僚や組織全体に対して期待以上の働きをし、貢献したエピソードなどはより貴重なものと映ります。

「私が仕事をする上で大切にしていることは、チーム間の意思統一だと思っています。学生時代、レストランのアルバイトをしていたのですが、長く勤めていたため、リーダーに任命されました。

そこで僕が考えたのは、どうしたらもっと仲間が働きやすくなって、それをお客さまにどう還元するかです。具体的には仕事の分担を見直して、役割をリスト化し、明確にしました。その結果、バイトスタッフみんなが同じ方向を向くことができ、不公平感が減って仲間意思が増し、さらにお客さまをお待たせする時間をカットすることができました」

就活や転職市場においては、自分自身の成果やスキルをアピールする人は多く、意外に埋もれてしまいます。むしろ、全体を俯瞰した上で、自分が期待された役割以上の、器や配慮ができる実績、つまり「一段上のチームプレースキル」などを伝えられれば高評価でしょう。

4:「仕事をする上で大切なこと」を作文で提出するように求められたら?

もし、作文で書いて提出するよう求められるとしたら、それはどのように書くべきでしょうか。

それはその企業の求められる人物像を想定して書くことが重要になると思います。例えば、起業して間もない向上意識ギラギラのベンチャー企業であれば、数値的成果をどんどん挙げてくれる人材が欲しくなるところでしょう。なので、そういう実績や成果へのコミットを伝えられる「大切なこと」が響くでしょう。

一方、ある程度大きな組織となれば、「協調性」や「チームワーク」を重視した「大切なこと」のエピソードが合うでしょう。公務員の採用なら、「国民や市民のため」など、公共意識などが重要となります。

そのように、面接官をはじめ、その作文を見る人がどのような人材を求めるかを想定して書くことが大事になると思います。

5:まとめ

面接の定番質問、「仕事をする上で大切なこと」ですが、これはある意味、自分自身がどのような人間なのか、そしてこの職探しにおいて自分の軸は何なのかを見つめなおす貴重な機会となるとも見られます。

ぜひ、良いチャンスを捉えて、この機会に自分自身を見つめなおす機会とされてはいかがでしょうか。