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方言はかわいい?人気の方言ランキングと方言と勘違いされやすい標準語

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:方言って?

まずは方言についての雑学からご紹介していきます。

(1)日本の方言の種類はどのくらいあるの?

方言の数を正確に数えることは難しいとされています。

日本の方言は、大きく分類して東部方言、西部方言、九州方言、琉球方言に分けることができます。そこからさらに分けていくと、例えば西部方言は、北陸、近畿、中国、四国と分かれます。近畿では京都弁と大阪弁が有名ですね。しかし、同じ大阪弁のなかでも、河内弁や摂津弁はまた少し違います。

このように細分化していくと、方言の種類は豊富で線引きが難しく、正確な種類を出すのは難しいのです。

(2)方言を英語で言うと?

方言を英語で言うと「dialect」といいます。例えば、大阪弁を英語で言うと「Osaka dialect」、京都弁は「Kyoto dialect」と表現するのが正解。「She speaks Kyoto dialect.」で「彼女は京都弁を話します」となります。

ちなみに方言は、同じものやことに対して、違った言い方をする各地の言葉のこと。言葉が同じでイントネーショだけが違うのは、方言ではなく「訛り」です。この「訛り」は英語で「accent」と言います。日本語の「アクセント」を示す単語ですね。

(3)方言札ってなに?

方言札とは、標準語を普及させるため、学校で方言を使った人に罰としてかけさせた札のことです。特に沖縄・鹿児島などで実施されていました。

明治維新の後、琉球を日本政府の統治下とし、標準語教育のために方言札が使われてきました。これは第二次世界大戦後まで続いていたそうです。

方言札をかけられることは不名誉なことで、札の数が多くなると教師からの体罰もあったとか。そのため、弱い者は札をなすり付けられたりすることもあったそう。今から考えると、かなりひどい話ですね。

(4)方言チャートとは?

方言チャートをご存じですか? 東京女子大学の篠崎教授とゼミ生が作成した「出身地鑑定!! 方言チャート」というWEBサービスのことで、SNSを通じて広まり、とても人気があります。

質問に答えていくだけで、回答者の出身地を当てることができるというものですが、その精密さが評判! 延べ1000万人の回答データの分析研究とアップデートにより今もなお進化していて、出身地が的確に当たると人気です。

(5)方言変換アプリも!

方言のおもしろさは老若男女問わず人気があるもの。そのため、方言変換アプリも人気があります。「全国日本方言クイズ」や「堀川りょうの大阪弁講座」など、いろいろな方言変換アプリが配信されています。

「この標準語を方言で言ったらどうなる?」「この方言はどんな意味?」など、飲み会や仲間内での話題のネタにもなりますね。地方出身者が多く集まる場所では特に盛り上がるのではないでしょうか。

知らなかった言い方を勉強するいい機会にもなるので、知識を広げる意味でもいろいろな方言を覚えるのは楽しいかもしれません。

(6)方言周圏論って?

「方言周圏論」とは、1930年に民俗学者の柳田國男が出版した『蝸牛考』という本で唱えた学説のこと。

蝸牛とはカタツムリのこと。全国的にはカタツムリが標準的な呼び方です。しかし、昔の時代に都があった京都では、いまでもデンデンムシ(デデムシ)と呼ぶ人が多いのです。

このように、言葉が京都を中心に波紋状に分布していったというのが方言周圏論という学説で、今でも方言に関する重要な学説とされています。

2:語尾が決めて?かわいい方言ランキング!TOP5

ここからは『Menjoy!』の過去記事「方言言がかわいいのはどの県?かわいいい方言ランキングベスト&ワースト5」を参考に、かわいい方言ランキングをご紹介していきます!

第5位:大阪府

大阪弁は直さずに使う人も多く、テレビでお笑い芸人さんなどもよく使っているので、いちばん耳にする機会が多い方言ともいえます。「それ、ずっと欲しいと思っててん」などで使われる「ててん」がかわいいと思う人も多いよう。

また、大阪弁は「飴ちゃん食べる?」や「おはようさん」など、ものや挨拶に「さん」や「ちゃん」をつけることがよくあります。なんにでも敬称が付くところにも、かわいらしさを感じます。

第4位:北海道

北海道弁は標準語とあまりイントネーションに違いがありません。ちょっとした単語や語尾などが独特なものがあり、それがかわいいと言われているのです。

有名なのは「なまら」ですね。大泉洋さんが『水曜どうでしょう』で使ったことで認知度が上がったと評判ですが、実際は日常会話で聞くことはあまりないそう。北海道弁らしくてかわいさがあるのは、「バイバイ」や「それじゃあ」と言う意味の「したっけね」や、「大丈夫だよ」という意味の「なんも、なんも!」あたりでしょう。

第3位:秋田県

東北地方は訛りが強く、独特な方言も多いので、同じ日本人でも通じないということもある地域。その中で、秋田弁はかわいいと人気があります。

秋田美人なんていうくらい、美人が多いことでも有名ですよね。そんな美人が「へばな!」(じゃあね!)や「ばしこくでね」(嘘つかないで)などと言っていたら、男性たちはギャップにときめいてしまいそう。

言葉を短く言うのも特徴で、秋田弁で「け」というと「食べなさい」「痒い」「来なさい」の3つのどれかの意味を指します。

第2位:福岡県

福岡の博多弁は語感がかわいいことで人気があります。疑問形のようにイントネーションが語尾にくるので、ちょっとあざとさがあるような感じなのでしょう。それでいて柔らかい印象もあるため、女性らしさがある方言といってもいいかもしれません。

「コンビニ行くたい」「なんしようと?」「今日は寒いけん」「ばりうまか!」「よかよー」など、かわいらしさのある言葉が並びますね。上目遣いで「好いとーと?」と言われた日にはたまらないでしょう。

第1位:京都府

おっとりとした上品な方言は、男性には落ち着ける「癒しの方言」だと言われています。貴族文化が根付いていた土地柄もあるのか、直接的ではなく優しく遠回しに話す文化もあり、それが品の良さの秘密でしょう。

「かいらしいなぁ」(かわいらしいなぁ)、「もう堪忍して」(もうやめて)、「おはようおかえり」(早く帰ってきてね)など、まさにはんなりという表現がぴったりなのが京都弁の特徴ですね。

3:方言だと思ってたけど、実は違った!勘違いされやすい標準語5つ

方言の特徴といえば、発言したときの語感や聞き慣れない感じ。そうした基準でなんとなく方言だと思っていたら、実は標準語だったということもしばしばあります。

そんな「方言と間違われやすい標準語」を、独断と偏見を交えつつ集めてみました。「これって標準語だったの?」と驚いていただければ幸いです。

(1)しゃかりき

「しゃかりき」は、夢中になって頑張ること。「しゃかりきに頑張る!」といった使われ方をします。それを端折って「しゃかりき!」なんて言う人がちらほら。その独特の響きのためか、「しゃかりき=頑張るというどこかの方言だと思っている人も多いようです。

(2)ぶっちゃけ

「ぶっちゃけ」は割となじみ深い言葉ですね。ドラマで木村拓哉さんが演じた役のセリフで頻繁に登場し、浸透したと言われていますが、どこかの方言だと思われることも多いようです。

しかし、「ぶっちゃけ」は「打ち明ける」が崩れた言葉と言われています。方言ではなく、スラングや流行語といった類いのものでしょう。

(3)もぐり

「○○を知らないなんて、もぐりなんじゃない?」と言われて「どこにももぐってないけど?」と思った経験はありませんか? 何を言っているのかわからない=方言だと判断する人も多いですよね。そのため、「もぐり」も方言と勘違いしている人が散見されます。

「もぐり」は「詳しくもないのに詳しく振る舞っている人」を指す言葉です。「集団にもぐりこむ」という表現から派生した言葉のようです。知ったかぶりと似た言葉で、れっきとした標準語です。

(4)しゃにむに

「しゃにむに」は「周りを見ず、必死に行動する」ことを表現する言葉。「しゃにむに仕事をする」という感じで「没頭する」という表現にも活用できます。

「だったら“必死に仕事をする”でいいじゃん!」と思われた人もいるでしょう。その通り、あまり使わない表現ですね。だからこそ、使われると方言っぽく感じるのかも。ちなみに漢字では「遮二無二」と書きます。

(5)しょうみ

「しょうみ、こんなもんだよね」というような使われ方をします。「実際にはこんなもんだよね」という意味。あまり使われないので、初めて聞くと方言のように思えます。

しかし漢字で書くと「正味」。れっきとした標準語なんです。ビジネスシーンで使われることが多い言葉なので、覚えておくと役立つかもしれません。

4:方言の告白…かわいいのは?

出身地の方言で告白されると、素が出ているようかわいいなんて意見も。『Menjoy!』の過去記事「思わずキュンとしちゃう超カワイイ方言「告白」まとめ【前編】」にもあるように、男性目線からするとギャップが魅力でもあるようです。自分の地域ではない方言は、普段聞きなれないから新鮮ということもあるのでしょう。

「なんか好きになっちゃったかも」という告白を、いくつかの方言で見ていきましょう。

大阪弁「なんか好きになってしもたかもしれん」

京都弁「なんか好きになったかもしれへん」

広島弁「好きになったかもしれんわ」

宮崎弁「好きになったかもしれんっちゃけど」

かわいいと思う方言の告白はありましたか? 意味は同じでも、言い方が違うとやっぱり印象もちょっと変わる気がしますね。

6:六本木にあるラウンジ「方言女子」とは?

六本木の駅から歩いてすぐのところにある「方言女子 JOKYO-GIRLS」は、はるばる上京してきた女の子がいるアミューズメントラウンジです。ケータイ小説家として有名なyoshiさんが総合プロデュースをしていて、上京してきた素朴な方言女子たちとトークができたり、方言でカラオケを歌ってもらったりと楽しむことができます。

方言の癒し効果を最大限に活かしていて、六本木にあるラウンジとはいえ、かしこまった高級感あるところではありません。いつでも帰ってこれるような地方のスナック的な安心感とアットホームさがある場所。

さまざまな出身地の女子が居るので、知らない地域の方言を楽しむもよし、同郷の女の子が話す懐かしい方言を聞いて癒されるもよしという空間になっています。

7:北海道から関西まで!全国の方言まとめ

(1)北海道

北海道は独特な言葉はありますが、イントネーションは標準語とあまり変わりがないことが多いです。東北の言葉をベースにしながらも、日本各地から開拓者が入ったせいか、道内の各地で根付いた言葉もあるようです。そう言った意味で、方言が混在する土地と言われることもあるそう。

(2)東北地方

東北地方はどこも言葉が独特で、訛りも強いですね。津軽弁、秋田弁、山形弁、南部弁と、特に雪深い地域は農村型社会。小さなコミュニティで限られた人と話すことが多く、言葉の簡略・合理化が進んで独特な言葉になったそうです。

(3)関東地方

関東地方では、栃木や茨城あたりは方言や訛りが強く、神奈川における相模弁なども「田舎言葉」などと言われがち。でも実は、東京にも東京弁と言われる方言がありました。現在の標準語は山手言葉という東京弁を基準に整えられています。「てやんでぇ」などの江戸言葉も、江戸弁という方言になるそうです。

(4)中部地方

関東と関西の中間特有の表現が多いといいます。山梨、長野、静岡、愛知では各地で語尾に特徴が出てきます。北陸方面になると、関西と共通する特色が見られます。これは、北陸が昔から関西と商売をしたり、物流の拠点になっていたからではないでしょうか。

(5)関西地方

関西地方は京都弁や大阪弁が代表的ですね。イントネーションも東京とは違ってくるのが、おもしろいポイントです。上京しても、標準語に直す人が少ないのも特徴でしょう。江戸時代の中期あたりまでは、都のあった京都の言葉が標準語的な扱いをされていました。田舎言葉と言われないのも、人々が標準語に直さない理由かもしれません。

(6)中国地方

岡山弁、広島弁、山口弁、丹後弁などが中部地方で見られる方言です。やはり有名なのは広島弁。『仁義なき戦い』など任侠映画にもあるように、「〜じゃけぇ」のように濁点が多く、ちょっと怖いイメージもありますね。

(7)九州地方

九州地方と言えば博多弁が有名です。また以前、タレントの東国原英夫氏が知事になったことで、宮崎弁も広く知られるようになりました。しかし、鹿児島や大分などでは、東北弁以上に、同じ日本語とは思えないほど独特な方言があったりします。

(8)沖縄

沖縄は昔、琉球王国という日本とは別の王朝があり、独特の文化や言葉がありました。その後日本に組み込まれ標準語の教育がされてきましたが、「なんくるないさー」「はいさーい」などは、沖縄の方言として有名ですね。日本語と違いが大きいため外国語のようにも聞こえます。ただ、日本語と系統は同じため、方言として扱われることが多いのです。

 

8:話題作りに?おもしろい方言クイズ3選

方言にはおもしろいものがたくさん。いくつかクイズにしてご紹介します。どんな意味だかわかりますか? 覚えておけば、会話に困ったときに使えます。

(1)「俺がだいてやる」

会話の中で突然「だいてやる」って言われたらドキッとしてしまいますね! 意味を知っている人なら喜んでだかれてしまうかも……。

正解は、富山弁で「俺がおごってあげる」という意味です。出してという言葉が出いてに変化したためで、俺が出してあげる、つまりおごってあげるということです。だいてやると言われたら素直に喜びましょう!

(2)「あー、はげらしいのぅ」

こんなこと言われたら思わず頭に手を持っていきたくなる? それとも、人の頭をじっと見つめてしまいたくなるかもしれませんね。

いえいえ、これはハゲているという意味ではありません。正解は大分弁で「悔しい、むかつく」という意味です。

「あー、悔しいなぁ」とちょっとイラついたようなときに「あー、はげらしいのぅ」と言います。

(3)「このお菓子、むつこいね」

むつこいってなんだかとてもかわいい言葉ですが、言葉の意味はよくわかりませんね。

正解は愛媛弁で「味が濃い、胸焼けする」。標準語にぴったり言い換えられるものがなく、甘ったるい、脂っこいなど、食べ物が濃くて胸焼けしてしまいそうなときに使います。

9:まとめ

方言のおもしろさや奥深さをご紹介してきました。同じ地域でも微妙に違ったりするので、言葉というのは本当に奥が広いものです。同じ日本語なのに理解ができないなんておもしろいですよね。

そんな不思議な感じが、方言がかわいく聞こえるいちばんの理由かもしれません。

【参考】

出身地鑑定!! 方言チャート

日本全国方言クイズ

堀川りょうの大阪弁講座