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離婚したら親権はどちらになるの?母親・父親の割合と親権の決定基準

並木まきM.Namiki

目次

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1:親権とは?監護権との違い

「親権」とは、未成年者の子を監護・養育し、財産を管理し、その子の法的な代理人としての権利や義務が発生する行為です。

親権とは別に「監護権(かんごけん)」というものもあります。最近でも、格闘家の才賀紀左衛門さんが離婚した際に、「親権並びに監護権(育児権)を持ち責任を持って育てていく事を表明いたします」と宣言していましね。

監護権とは、親権に含まれている「身上監護権(しんじょうかんごけん)」と呼ばれる権利だけを示す言葉です。具体的には、財産管理などの行為は行わず、子の近くにいて養育する権利だけを指すケースが多いようです。

 

2:養育費はどうなる?離婚して親権を持つ母親・父親の割合は?

離婚問題にも詳しいアトム市川船橋法律事務所弁護士法人の代表弁護士である高橋裕樹さんに、親権に関する実情を教えていただきました。

高橋:現在では、母親が未成年の子の親権者となるケースが圧倒的に多いのが実情です。特に子の年齢が低いほど、母親に親権を与えるケースが多いと思われます。やはり、出産直後から子の養育を専ら行っているのが母親である家庭が多く、子も母親に対する愛着心が強いケースが多いため、母性を優先するという判断が多いのだと思います。

これは私の感覚ですが、調停や裁判で父親が親権を取るケースは、母親が暴力やネグレクトをしていたり、別居の際に父親が子を連れて出ていたりするケースが多いと思います。

一方、調停離婚にならず、協議離婚となっているケースでは、これらの事情がなくても父親が親権者となっていることも散見されます。どうしても、母性優先主義的な調停委員が多いように思いますので、親権を取りたい父親にとっては、調停よりも協議でまとめたほうが有利かもしれません。

 

3:専業主婦でも大丈夫?離婚して親権者を決定する判断基準

専業主婦が離婚の際に子の親権を欲しいとき、夫も親権を主張した場合には、不利になるのでしょうか?

この点についても、同弁護士に見解をうかがいました。

高橋:親権者として父親と母親のどちらが適切かという判断は、

・養育実績

・経済力

・監護補助者(代わりに面倒を見てくれる人)の有無

・子の意思

・養育環境

・親の年齢・精神状態・健康状態

などを踏まえた総合的な判断になります。

そして、養育実績や子の意思などを踏まえると、特に乳幼児については、親権者を母親とすべき(母性優先主義)と考えることには、一定の合理性があると思います。

なお、経済力もひとつの考慮要素ですが、子の年齢や病気等により専業主婦とならざるを得ない場合、父親に対して養育費(離婚するまでは婚姻費用)の請求をすることができるので、必ずしも不利になる事情ではないと思います。

 

4:離婚の際親権争いになった場合の流れ

実際に、離婚で親権を争うときに、どんな流れが一般的なのか、同弁護士に解説していただきます。

高橋:子がいる夫婦が離婚する場合、離婚届に、親権者の記載をしなければなりません。ですので親権者は、財産分与や慰謝料請求とは異なり、離婚する際に必ず決めなければならない事項です。

当事者間で親権者を父親母親のいずれとするのが適切かについては、まずは当事者間の協議により決めることになります。

しかし、離婚自体には同意していても、親権者をいずれとするのかという点について協議がまとまらなければ、当事者のいずれかが離婚調停を提起して、その調停の中で親権者を定めることになります。

そして調停でもまとまらない場合、離婚訴訟に進み、最終的には裁判官が父親と母親のいずれを親権者とすることが適切かを判断することになります。ちなみに、離婚訴訟は、離婚調停を経なければ提起できないと法律で定められています。

 

5:離婚して親権を持つときの手続き

(1)夫婦間で話し合いをして決める

上記で説明したように、離婚届を提出する際には親権を決めておく必要があるので、まずは親権についても話し合いをする必要があるでしょう。

ここですんなりと合意できれば、親権者の名前を離婚届に書くだけで、親権に関する手続きは完了します。

(2)調停で話し合って決める

協議でまとまらない場合には、調停の場で親権について話し合いをすることとなります。

調停は、親権だけをテーマとして話し合う調停もあれば、離婚に関するさまざま条件を話し合う調停もあります。夫婦間で合意ができないテーマについて、調停委員を挟んで話し合いを行うことになります。

(3)裁判に委ねる

調停でも話し合いが難航し、離婚に関するすべての合意ができなかった場合には、裁判を通じて親権を決めるケースもあります。

前述のように、日本では離婚裁判の前に調停を経るよう定められているため、いきなり裁判を提起することはできません。

 

6:離婚には合意しても「親権」でもめる夫婦も…

離婚には合意できても、親権の話し合いで合意ができず、離婚に関する話し合いが難航する夫婦も散見されます。

離婚後も、子供にとって、もっとも適切な子育て環境が整うことがいちばんです。しかし実態としては、夫婦双方が親権を主張し、話し合いがもつれ、なかなか決まらないケースも少なくないのです。

 

取材協力

高橋 裕樹弁護士

アトム市川船橋法律事務所弁護士法人  代表弁護士。岩手県盛岡市出身。2008年(平成20年)弁護士登録。千葉大学法経学部法学科卒業。