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ケツカッチンとは?ケツカッチンの使い方とバブル時代にはやった言葉

水野 文也

水野 文也F.Mizuno

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目次

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1:ケツカッチンとは?お笑い芸人の名前にも…

「ケツカッチン」というのは業界用語です。最近の若い人の間では、あまりなじみがないかもしれませんが、80年代のバブル期を知るオジサンやオバサンにとってみれば、当たり前のように使っていた言葉でした。バブルのときには、業界用語を一般の人も好んで使っていたのです。

その意味はといえば、ひと言でいうと「後ろに予定がある」ということです。「ケツ」は終わりを指し、「カッチン」は撮影の始まりや終わりに鳴らして使用する黒と白の格子柄の「カチンコ」のことです。

ケツでカチンコを鳴らす。そこから転じて、撮影の終了時間が決まっていて変更できない状態のことや、今の仕事の後ろに絶対にはずせない仕事や用事がある状態を表すようになりました。

ちなみに「ケツカッチン」という、和泉修さんと高山トモヒロさんのお笑いコンビがいますが、これが由来かどうかは定かではありません。

 

2:事例で解説!ケツカッチンの使い方3つ

 では、実際に「ケツカッチン」はどんなシーンで使われているのでしょう。

1)会議など終了時間を守らせたい

 「この部屋は16時から営業部が使うので、ケツカッチンになります」

会議に使う部屋を予約してみたら、いつもはずっと空いているのに、今日は多部署があとの時間を予約している……。社内で無用な争いを避けるためにも、使用時間をきっちり守りたい。そんなときに有効な言葉になります。 

2)この場に自分がいられる時間を知らせたい

 「すいません、今日はこのあと、ケツカッチンなんです。18時には出なければなりません」

用事があるため、最後までいられそうにない。それをほかの参加者に知らせるときにも使えます。スケジュールがギッシリ詰まっている業界人などは、今でも多用しているかもしれませんね。

 3)あとに用事があるかどうか確認したい

「二次会の席を用意しますが、予約を入れますので、ケツカッチンの人は教えてください」

終了時間がはっきりしている会合などは、たいていの人はそこまで時間を空けますが、そのあとまで空いているかどうか聞かないとわからないですよね。

 

3:ケツカッチン以外にも!バブル時代に流行した言葉と使い方5つ

 

 「ケツカッチン」の他にも、バブル時代に流行した言葉はたくさんあります。今は死語と化しているものもありますが、中には平野ノラさんのバブルネタでおなじみとなったものも。

バブル期に青春を送った上司などに、飲み会などでこれらの言葉を使うと、喜んで乗ってくるかもしれませんよ。

1)アッシー君

「えっ、あの人、家まで迎えに来てくれたの? まるでアッシー君ね」 

車を持っていて、どこに行くにも送迎をしてくれる男子のことです。バブル時代には高級車を乗り回している男子が重宝されました。しかし、ほぼ“彼氏とは認知されません。類語に「メッシー君」「みつぐ君」もありますが、その意味はご想像の通りです(笑)。

2)オバタリアン

「ちょっと、順番はきちんと守ろう。オバタリアンみたいよ」

 「おばさん」、つまり中年女性に顕著に見られる図々しさや、羞恥心のなさを体現するような中年女性のことを指します。バブル真っ只中の1989年に、流行語大賞で金賞を受賞しました。

ちなみに、その翌年、1990年の新語部門で銅賞を受賞したのが、若いのにオヤジのような行動をする女性を指す「オヤジギャル」です。

3)財テク

 「あの娘、ファッションや食事にお金を使わないね。財テクでもしているのかしら?」

これはバブル経済を象徴する言葉でした。財務テクノロジーの略語で、企業や個人が本業とは別に資金を株式や土地に投資することを指します。バブル期は「投資=ボロ儲け」の時代だったんですね。

 4)花金

「今日は花金、思いっきり遊ぶゾ!」

週休2日制が定着したのがバブル時代でした。翌日を気にしないで済むので“花の金曜日”と言われたのです。今は「プレミアムフライデー」に進化。反対に、日曜の夕方に「サザエさん」を見て物悲しくなってしまう「サザエさん症候群」なるものもあります。

5)ボディコン

「彼氏をボディコンでトリコにしちゃうわ」

ボディコンとはボディコンシャスの略。体に密着する素材でボディラインを強調した服です。ストレートで長めの髪を一定の長さに切り揃えた髪型のワンレン(ワンレングスの略)とセットの「ワンレン、ボディコン」がバブル時代を象徴するファッションでした。

 

4:まとめ

 「あんな時代はもう二度と来ないでしょう」というのが、バブルを経験した者の率直な感想です。昔を懐かしみながら、この原稿を書きました。当時も今も変わらないのは「ケツカッチン」の忙しさだけです(苦笑)。